小林繁さん　通夜に３００人　江川氏、さんまから献花

　プロ野球の巨人、阪神で活躍し、１７日に心不全のため５７歳の若さで急逝した日本ハムの小林繁投手コーチの通夜が１９日、福井市内の千福寺りんどうホールでしめやかに営まれた。通夜には球界関係者ら約３００人が参列し、故人をしのんだ。告別式は２０日、正午から同ホールで営まれる。

　通夜の会場となった千福寺のホールには小林さんの人柄を反映するかのように、入りきれないほどの献花が寄せられた。長嶋茂雄巨人終身名誉監督、ソフトバンクの王貞治会長、元巨人の江川卓氏の名前が。また小林氏が現役時代にモノマネをやって人気となったタレントの明石家さんまからの献花も。

　小林さんの法名は「球愛院釈静繁」。野球を愛し続けた小林氏の思いをくみ、２年前に再婚した静子夫人が故人と自身の名前の１文字ずつを加えて名付けたという。

　１軍コーチになり、札幌で夫婦そろって新生活を送る予定だった。昨年末には、２人で札幌を下見した。自己破産するなど失意の中で出会い、２年前に婚姻届を出した静子夫人とは式を挙げていなかった。このため、札幌の三越でウエディングドレスの写真を撮ろうと約束していた。小林さんは「ウエディングドレス姿を見たいな」と話していたそうだが、かなわぬ夢になってしまった。

　小林さんが所属する個人事務所の橋本明良社長は「小林はいろんな山を全力で投げ、乗り越えてきました。きょうが８回で、あすが９回。完投できると思います。最後のマウンドを見てやってください」と、涙をこらえながらに語った。