中国で「アバター」宣伝禁止 国産映画保護、上映中止も【北京共同】中国共産党宣伝部は20日までに、中国でも大ヒット中の米SFアドベンチャー映画「アバター」を宣伝する報道や評論を禁止する通知を、国内メディアに出した。中国紙関係者が明らかにした。国産映画の保護が狙いとみられ、北京の映画館では22日以降、3次元立体(3D)映像版を除き、上映が相次ぎ打ち切られることになった。 中国では例年、年明け前後から春節(旧正月)にかけ正月映画を多数上映。映画業界を監督する国家ラジオ・映画・テレビ総局が「アバター」の大ヒットで国産映画が軒並み不発に終わることを懸念し、党宣伝部に通知を要請したという。 22日から上映を打ち切る映画館も「上部機関から通知があった」として、同総局からの指示を事実上認めた。中国紙関係者は「報道や宣伝の規制・禁止は党の常とう手段だが、国内業界の競争力強化にはつながらない」と批判している。 通知は国産歴史映画「孔子」の上映が22日から始まるのに合わせたとの見方が強いが、米インターネット検索大手グーグルが先週、サイバー攻撃や検閲を受けたとして中国からの撤退検討を表明したため、「米国に対する仕返しではないか」との指摘もある。 【共同通信】
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