国と東京都が開設した「公設派遣村」で多数の入所者の所在が分からなくなっている問題を巡り、石原慎太郎知事は8日、「こっちは国に頼まれてやったこと。国の役人が現場へ来て手伝ったらいい」と述べ、国の責任を強調した。鳩山由紀夫首相や閣僚が派遣村を視察したことについては「あの程度の行事に総理大臣が出かけて行くべきじゃない」と批判。「私は行きません」と断言した。
公設派遣村は国が費用を負担し、実施場所の確保や運営は国の要請を受けた都が受け持っている。石原知事は「本当は現場を構成するはずの国が何もしないでおいて、総理大臣が(視察して)『お気の毒ですね、大変ですね』っていうことで済むのかね」と述べた。
公設派遣村は5日から、日雇い労働者向け宿泊施設「なぎさ寮」(大田区)に拠点を移し、2週間の期限で入所者の支援を続けているが、石原知事は「期限は延長しない」と明言。入所者については「仕事をあっせんしたら『それは嫌だ』と言い、とにかく生活保護をもらえれば結構だという人もずいぶんいる。甘えた話だと思います」と語った。【市川明代】
毎日新聞 2010年1月8日 19時26分