政権交代後初の通常国会は19日、衆院本会議で菅直人財務相の財政演説に対する各党の代表質問が行われ、与野党の論戦がスタートした。夏の参院選に向けた攻防の場となるだけに、野党の質問は鳩山由紀夫首相や小沢一郎民主党幹事長の政治資金問題に攻撃の照準を合わせた形となった。
今国会は提出されている緊急を要する2009年度第2次補正予算案や続く10年度予算案の審議などを通し、鳩山政権の目指す方向性や具体的な政策の是非をただしていく重要な場である。にもかかわらず、冒頭から旧態依然とした「政治とカネ」に関する問題が覆いかぶさる現状は残念だ。
代表質問では自民、公明、共産の野党各党、そして与党の社民党が景気や雇用対策、民主党マニフェスト(政権公約)の実現性、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題などについてただした。民主党は「政府と与党は一体だ」との理由で質問を見送った。
焦点の「政治とカネ」の問題では自民党の大島理森幹事長らが、鳩山首相の偽装献金問題について母親からの資金提供などに関する説明を求めた。首相は「検察の捜査で全容が解明され、適切に処理し、記者会見でもおわびした」と決着済みとの認識を示すとともに、使途についても「支出で違法性の指摘はなかった」と答えた。
小沢氏の資金管理団体による土地購入をめぐって、政治資金規正法違反容疑で元秘書の衆院議員らが逮捕された事件については、土地購入の原資などの説明が果たせていないと指摘した。その上で、集中審議や参考人招致などを求めた。これに対し、首相は「検察が調査中であり冷静に見守ることが大切だ。集中審議など国会に関することは各党、各会派でお願いしたい」とかわした。
小沢氏は先の民主党大会で、一部にゼネコンからのヤミ献金疑惑が言われる土地購入資金について「積み立ててきた個人の資金。検察に金融機関名なども申し上げた」と潔白を強く主張した。だが、共同通信社の世論調査では「納得できない」との回答が86%を占めている。
小沢氏は検察から要請を受けながら拒んできた参考人聴取に応じる意向という。「必ず国民のみなさんの理解が得られると思う」と自信を示していた小沢氏だけに、積極的に自ら行動し、国民に説明を尽くしてもらいたい。予算審議に支障を来すことがあってはならない。