第6回少年野球対抗大芝駅伝   【2008年2月3日】
 2月2日、大芝駅伝を翌日に控えた土曜日の昼頃から無情に降り始めた雨。まだその時点ではたいした降雨量ではないし、日曜日の予報は曇りで降っても雪!?ということだった。しかし降り続く小雨は、土曜日中、止むことはなかった。
 さあ大会当日、まだ夜が明けてない大芝公園に一番乗りしてみたものの、外灯に照らされて、雨できらきら光る公園グランドを見て、溜息をつく。ほぼ止みかけた天候の回復を期待しながら、毎年恒例の準備に取り掛かる。さすがにまだ人影のない暗闇のランニングコースに出て、折り返し地点4ヶ所のポイントチェックと、6年前にきれいにグリーンの柔らかい舗装の整備されたコースへの養生テープ貼りだった。
 まだ濡れている舗装面に純白の養生テープを貼ろうとしたが、水分を含んだ路面に引っ付かないのだった。「ウーン!」少しくらい時間をおいても、晴れない限りそうそう急に路面が乾くことはないと判断し、テープ貼りを断念。往路・復路での右側走行の指示のためと、4ヶ所の折り返しコーンの左回りでのターンの指示のため、今まで養生テープ2本を使い切っていたのだったが。→
 ようやく鉛色の曇天の空が次第に白み始め、大芝のスタッフやお手伝いのお父さん方が集まって来る。みんな天候の回復を気にしながら、大会の準備に取り掛かる。水溜りだらけのグランドの整備、コース設定、テント設営から、まもなく一斉に詰め掛ける各クラブの車の駐車場への誘導と、30名近いスタッフとお父さん方の分担で、不良のグランド状態は除いて、順調に開会式を迎えるはずだった・・・。

 ところが、緊急事態が発生してしまった。崇徳中のグランドの駐車場係として行ってくれていたYコーチから、「入口に鍵がかかっていて、車を入れることができません!」と一報が入ったのだ。去年まで、施錠なんてなかったので、学校にそこまで確認していなかった。そういえば、許可をもらう時、教頭先生が、時間を聞かれていたのは、そういうことだったのかと後になって思ったがもう遅い。その時の時刻、7時20分頃だった。もうすぐ何十台という11クラブの車が来てしまう! 最悪の時のことを考えてみるが、パニック状態! もしこのまま使えないことになったら、大芝公園と大芝小学校に分けて駐車してもらうか・・・。
 大芝の関係者が心配してくれて、学校の連絡先を教えてくれる。もちろん、私の携帯にも登録はしてあったのだが、日曜日の7時30分頃に教員室に連絡が取れるか、期待はしていなかった。
 ダメ元で、電話してみる。ある先生が電話に出られた。事情を言うと、8時に係の者が開錠しに行く予定になっており、まだここにはいませんと。
 お礼もそこそこに、駐車場係に連絡し、8時まで待ってもらうようにと伝える。早く来られた各クラブの車が、公園に続く大きな道路にまで駐車場待ちのため並んだという。さすがにまずい! 駐車場係のメンバーが機転を利かせてくれて、大芝公園に振り分けて、8時過ぎには崇徳グランドが開錠でき、何とか事なきに終わったが、来年以降の反省となりました。確認を怠った私のミスで、多くの関係者と、参加クラブの方に、ご迷惑をおかけしたことを、深くお詫びします。

 ちょうど公園のトラックを作り始めていた時に一報が入り、本当に驚き、電話をするまでのしばらくは、どうやって最悪の状況を回避できるか・・・が頭の中で巡っていました。
 
 大芝はこの駅伝のためにこれまで自主練で努力してきて、去年までのエース候補高杉がケガの影響で、12月以降練習不足の中、クラブ内での長距離bPにのし上がってきた6年大西を起用。今年のランニングコース12分40秒は過去計測を始めての歴代1位。上位は間違いないと確信していたが、期待は区間賞。晋二の兄爽太は第2回大会で、この1区を2位で走っていた。あの時は2周の周回のため、区間距離は2.5キロだったが。兄を越えるには、区間賞しかないぞ。頑張れ、晋二!
 「いっぺん、これをやってみたかったんじゃ!」 初体験となった飯田代表のスタートの号砲で、華の1区の23名のランナーが一斉に走り始める。3周の周回で晋二は5番手くらいだったろうか。まあ好位置ではあるが、全体的にオーバーペース気味に見えた。しばらくして、折り返し地点の方に携帯で上位の順位を聞いてみた。その地点で晋二は3位だった。グランド内がスタート直後の狂騒から静寂に変わり、ようやくトップランナーが公園に入って来る頃から、再び各クラブの応援団が、ラストスパートを期待する熱い応援で、ヒートアップ。この大応援がこの駅伝の醍醐味で、盛り上がる要素になっている。
1区 2.7K 伏兵、新鋭東雲ジュニアが首位発進!

 さすがに23クラブのエースが競うこの1区、初出場の新鋭東雲ジュニアの吉田君が10分37秒で見事区間賞、次いで吉島の橋本君が10分44秒で2位、そして大芝の大西晋二が10分54秒で3位入賞。次いで4位に前年度優勝の大野友星が大芝に1秒差の10分55秒。この4名までが10分台。5位以降、大竹、河内、矢野、美土里、西風。10位の西風で11分16秒。まだまだどのクラブも巻き返すチャンスはあるぞ。前年度2位の鈴が峰は19位と出遅れ、強豪宮内も14位と今年も1区で出遅れていた。
 それにしても東雲のトップには正直驚いた。参加してくるのは、それなりに自信があったのか、2区以降脅威の存在になりそうな予感。
バックネットに掲示板の据え付け作業
もう私の知らない所で、着々と準備が始まっていたのです。
今年の大芝駅伝、23クラブでの、開会式
恐らく500名を越えるの選手数はいたぞ。
1区 大西晋二(6年)
自主練習の成果が、このスタートラインに立てた証だ!
1区 復路の晋二

大芝待望の1区区間賞の期待を背負っての上位争い!
2区 1.2K
東雲、
独走体勢か!?


 トップはまだ東雲。しかも1区以上に2位以下を引き離している。何と連続区間賞では、他のクラブは追いつけるはずもなかった。冨田君、この2区のメンバー中唯一の4分台、4分55秒で区間賞。2位に上がってきた大野友星の下末君が区間2位で5分7秒。この時点で、2位タイ大野友星と吉島に30秒も差をつけた東雲だった。このまま優勝してしまうのか? 他のクラブが意地をみせるのか? 大竹が大芝を抜いて4位、1秒差で大芝。6位に矢野が大芝に4秒差と迫っている。
 後半猛追する宮内は12位、三次に至っては21位と低迷していた。
 大芝はこの2区に前日のBクラスの1500m走でトップだった4年吉田陸を急遽起用した。9名の学年合計50以下というルールのため、4年生以下を1名起用しなければ、チーム編成ができないとは考えていた。期待していた4年と3年の2名をAクラスで走らせたが、陸のタイムの方が良かった。しかもBクラスの中で、自分の前に追うランナーがいないタイムレースで、ずーと先頭を走った陸。この6分31秒に賭けてみたかった。
 いずれにしても、4年生以下を1名走らせなければならない。それならスタートして間がない2区の方が少しでも負担が軽いかと考えた。
 しかし晋二から3位でタスキをもらった陸にとって、この上位争いの中でのスピード優先の1200mは、ちょっと荷が重かった。でも駅伝用語で言うブレーキでは決してなかったぞ。陸は順位を2つ落とし、トップ東雲から45秒離されて、5位で中継へ。5分23秒、区間15位の走りだったが、来年は期待してるよ。
3区 
吉田 陸(4年)

前日の1500mで自己記録を大幅更新し、第2部候補から一挙に駅伝メンバー入り。
3区 1.5K
上位が大変動
混戦模様


 30秒離して独走だった東雲が、区間16位の走りで一気に6位に急降下。2位だった大野友星の鍋島君が区間2位の6分14秒で走り、遂に首位に立つ。2位は6位から一挙に上がった矢野。矢野の垣村君が6分8秒で区間賞だった。矢野、久々の上位争いで、大野友星とは13秒差。吉島は矢野に抜かれて3位、それからわずか1秒差4位タイで、大竹と大芝、6位に東雲となった。大野友星から6位東雲までのタイム差はわずか20秒、距離にして70〜80mの中に6チームが中継する予断を許さない展開となった。
 この区間大芝は6年上村慧を起用していた。5年まで第2部すら走れなかった慧だったが、6年になっていきなり大芝駅伝に選ばれたのは訳がある。1区を走った大西の良き自主練パートナーであった慧が、メキメキ自己記録を更新してきたのは、当然のこと。「練習はウソをつかない」を見事実践してくれた見本のような選手。
 小柄だが、野球でも守備力と得意なバントを武器にレギュラーになったこの1年。仕上げはこの駅伝での活躍となれば。
 慧、1秒前の大竹に追いつき並走する。東雲を抜いて4位タイ、区間賞と9秒差の6分17秒、区間3位と期待に応えてくれた。この好タイムとトップから18秒差まで詰めた好位置の走りは、チームに大いに勇気を与えてくれたと思う。
3区 
上村 慧(6年)

やればできる! をこの駅伝で教えてくれた選手の代表格。去年まで長距離苦手の慧が、今年いきなり区間3位の好走は、晋二との自主練の成果がここにある。
 大芝はこの区間は5年水谷健を起用していた。5年の中では西岡に次ぐランナーで、6年生上位クラスに引けをとらない頼もしい選手。お父さんの転勤で昨秋に大芝に入部。それまでのクラブの指導に私は敬服したよ。挨拶、集合時の行動、バントの形・・・。
 そして筋肉バトルのランニング・サバイバルで、決勝に残り、上位入賞した走りを見て、喜んだスタッフは私だけでなかった。その時の期待通り、堂々9名の中に選ばれた健の走りに期待。
 健、4位タイで出た大竹には離されてしまったが、前を行く吉島を抜いて3位で中継。順位は上げてくれたが、7分37秒で区間7位。しかし区間賞とはわずか10秒差しかなかったが、大野友星とは少し差が開いてしまった。
4区 1.8K
大竹が2位に浮上!

 トップは区間賞とわずか1秒足りなかった井上君の区間2位の好走で、大野友星が2位に17秒差とさらに少し差をつけた。2位に7分27秒の区間賞を取った吉田君の頑張りで、大竹が4位から2位に浮上してきた。3位大芝が大野友星と27秒差、4位吉島、そして5位にいつの間にか宮内が上がってきた。6位はこの区間21位とちょっとブレーキした矢野、7位は広島皆実が善戦、8位に東雲がまた順位を落としていた。
 最終9区で6位入賞してくる山本は、まだ11位。入賞目前の7位になった三次に至っては、まだ19位だった。
4区 
水谷 健(5年)

区間7位ではあったが、この区間の上位は接戦。健、一人抜きで3位に上がる。来年のエース候補として、今から期待です。
5区 2.1K
上位3チーム 
順位変わらず


 大野友星が区間9位で、後続に詰められたが、依然首位を維持。2位大竹も区間8位で大野友星にわずか1秒しか縮まらない。大芝が10秒詰めて首位に17秒差と射程圏内に。4位以下は少し開いて、宮内が大芝に45秒差ではあるが、4位に浮上。逆に吉島が宮内と入れ替わり5位。3つ目の区間賞を取った東雲が、再び入賞圏内の6位に。
 大芝は6年坂田将吾を起用。9区間のちょうど真ん中の区間にあたる5区、距離もアンカー9区と同じ2.1K。他のクラブの中には準エースをここで起用してくることも多い、レベルの高い区間である。去年の熱い走りが私に焼きついており、期待は大きかった。しかし長距離の練習が始まった12月頃は、将吾本来の走りではなく、正直がっかりしたものだった。晋二のように駅伝に賭ける!という気持ちが見えなくて、ハッパをかけたこともあった。大芝の9名に選ばれて走れればいいというレベルで思っていなかったし、去年の走りから見ると、今年の晋二を脅かすライバルとして、もっと練習で競って欲しかった。
 さすがに1月になってタイムを延ばしてきて、上位には入ってきて、この区間を任せた将吾。3位の順位は変わらなかったが、トップ大野友星に10秒詰めてくれたのは、さすがだったよ。8分52秒、区間6位の記録だった。
5区 
坂田将吾(6年)

残り4区間での逆転優勝の望みを持たせてくれた将吾だった。しかしもっと潜在能力はあったはず。
 大芝は6区に6年中島尚哉を起用。前日の選手発表の時、私の単純なミスで、この6区を飛ばして発表してしまった。尚哉、選手をはずされたと思い号泣! きつい冗談?でした。
 その悔し涙をこの6区で爆発を期待するぞ。去年もこの同じ6区を走っており、そのタイム更新はもちろん、区間賞狙いだったようで。気持ちが先行し過ぎて、将吾からタスキが渡って勢いよく走り出す尚哉をみて、ちょっとオーバーペース気味に見えた。まあ1200m、スピードで押し切れれば、楽しみだぞ。 
 あっという間の6区、尚哉はバテ気味だったが、9秒前を行く大竹を抜いて、2位で帰ってきた。しかし2位に順位は上がっても、首位を行く大野友星との差は縮まらない。尚哉が5分8秒、区間3位タイだったが、大野友星5年泉君が5分4秒で区間賞、更に4秒開いてしまった。でも去年の5分22秒区間11位からは大きく更新し、成長の跡を見せてくれた。
6区 1.2K
大芝2位浮上、
大野友星逃げる!


 スピード勝負の6区とは言え、飛ばしすぎても、後半が持たなくなり、ペース配分がむずかしい。しかし前を行くランナーのいない大野友星の5年泉君が、悠々自分のペースで走ったと思うが、5分4秒。首位のランナーが区間賞では、他のチームは追いつけない。大竹を抜いて2位に上がった大芝だったが、大野友星とのタイム差は逆に開いて21秒差、約80m。
 大芝に5秒差で大竹、少し開いて4位以下宮内、吉島、東雲は順位変わらず。7位河内、8位に山本が上がってきた。この中継時点では、上位3チームが優勝を狙える位置で、絞られてきたか。
6区 
中島尚哉(6年)

前日の涙は、これまでの自主練に頑張ってきた思いが強かった分、押さえきれなかった。まあこの話にはまだ伏線があったのです・・・。
 大芝は6年洲ア悠を起用。6区中島と同じく、去年も同じ区間を走り、6分21秒で区間7位だったが、当然去年以上の成績を期待。
 しかし悠に不安材料はあった。正月明けまで肉離れで、走れないの時期があり、走れるようになった頃は、代表選手に選ばれることさえ危うい時期があったのだった。前日の1500mの最終選考レースでぎりぎりメンバーに食い込んだ選手。
 悠、6分32秒、区間4位の走りで、区間順位は立派だったけど、去年区間7位ではあったが、6分21秒を更新できなかったのは残念であった。去年のこの区間のメンバーはレベルが高かったということか。大野友星が6分31秒で走り、追いつくどころか、逆に1秒ではあるが、離されてしまったのは、悠も悔いが残るはず。
7区 1.5K
追いつけない大芝

 2位の大芝洲アが区間4位の走りで追うが、逃げる大野友星の小原君が、大芝を1秒上回る区間3位の走りで、大芝に22秒差をつけて8区の中継へ。大芝の後方は、3位に吉島の村林君(何と4年生!)が6分14秒の区間賞で、5位から3位に上がってきた。大竹、宮内と続き、6位に山本が入ってきた。1区16位発進から10チームを抜いてきた、山本の2区以下の選手の頑張りは、凄い。
 入賞狙いの後続は、矢野、東雲あたりまでか。この7区から8区への中継が終わって、三次はまだ17位と低迷していたが、ここから三次が大芝駅伝史に残る2区間10人抜きのドラマが始まる。
7区 
洲ア 悠(6年)

この駅伝では、堂々2年連続の代表選手を実力で掴み取った。しかし前を行く大野友星に迫れない!
 大芝はこのアンカーにつなげる区間を5年西岡大輝を起用した。去年も4年生ながら、この区間を経験しており、不安は感じてはいなかった。22秒前に中継点を通過した大野友星を追って、大輝が悠からタスキをもらう。5年生とは言え、5区や9区を走らせても良かった程の期待のランナーだった。
 3区以降前を行く大野友星と20秒前後の差がなかなか縮まらず、この区間こそ・・・と期待してトラックから出て行く大輝を見送った大芝応援団も多かったはず。
 大野友星がやはり先頭でトラックに現れる。そしてわずか後方に大輝が来るではないか。盛り上がる大芝応援団。その差は、8秒、約30m差だった。22秒差から8秒差へ。ついに大野友星の背中を捕らえたと思った瞬間! ちょっとウルウルきてしまったよ。
 大輝のタイム7分19秒は、去年を23秒更新。惜しかったのは、区間賞とわずかに1秒差の区間2位だったこと。中継する前にわかっていれば、ラストスパート頑張らせたんだけどね。来年エース区間で、今年の晋二を上回る区間賞頼みます。
8区 1.8K
大芝、
追い上げて最終区へ

 大野友星のリード22秒から8秒となり、9区アンカーの対決が俄然面白くなった。大野友星の柳谷君が7分33秒の区間4位で走ったが、大芝の西岡が区間賞にあと1秒足りない7分19秒の快走で、2強の勝負は9区に持ち越された。
 この上位2チームに他の3位争いをしているチームはついて来れない。1分以上差がついて3位大竹、10秒差で4位宮内、そして吉島、山本の順。7位矢野は6位入賞まで3秒差、8位河内も8秒差と入賞争いも接戦。
 この区間の区間賞は7分18秒で、17位から4人抜きで13位に上げた三次の亀崎君が獲得した。これで三次は、6位の山本まで1分2秒差と大幅に縮め、その山本までの1分に6チームがひしめいていた。最終区も三次の追い上げは止まらない!
8区 
西岡大輝(5年)

6区中島、7区洲アとこの8区西岡と、くしくも去年と同じ区間で起用。あと1秒の悔しさを今回味わったと思うが、タイムは冷酷。1年間これを忘れずに、来年の駅伝でのリベンジ、やってくれますか?
 大芝は6年松江貴志を起用していた。去年まで短距離は速いが、持久力がなく、長距離は不得意だった貴志。しかも6年になって春先に、成長痛で思うように練習できない時期もあった。
 それがこの冬場の長距離の練習で、どんどんタイムを更新し、晋二に告ぐ準エースに成長。駅伝のアンカーに、リレー、遠投と、今日の貴志は忙しくなる。
 貴志がタスキをもらってスタートし、ランニングコースに入って間もなく(4〜500m)のあたりで、声をかけたら、手を振って応えたくらい、余裕があるように見えたらしい。しかし、追いつかなければならないはずの、大野友星のアンカーの背中に近づけない。区間3位8:45秒の好タイムで走った貴志を5秒上回る走りを見せた大野友星の島田君は、強かった。
9区 2.1K
大野友星 大会2連覇

 最終9区2.1K。もはや2強の争いに完全に絞られた。8秒、30m差を大野友星がさらに引き離して、大会初の連覇を達成するのか。それとも大芝が逆転して、2年ぶり3回目の優勝を飾るのか。大野友星島田君と大芝松江の両6年生による、一騎打ち!
 両チームの応援団は、ランニングコースから真っ先にグランドに姿を見せるのは、どっちなんだと、固唾を呑んで待ち受けている。見えた! 大野友星の島田君がまずトラック周回へ。大芝の松江はちょっと離されて、苦しそうな表情。50mくらいの差で、2チームがゴールした。
 大野友星、3区以降首位を譲らず、見事2連覇。アンカーの島田君、追ってくる大芝の追い上げが気になったろうが、ペースを惑わされず、8分40秒区間2位の走りは立派だった。一方大芝の松江も結果5秒離されたが、8分45秒区間3位も、2位のチームのアンカーらしく、好タイムだった。惜しくも大芝は13秒差で2位に終わった。
 3位は大芝から1分28秒差で宮内。1区14位からの驚異的な追い上げで、3位入賞は見事。しかし宮内は、毎回1区が鬼門となっている。4位は、4区5区で2位と大野友星を脅かしていた大竹。5位吉島、6位山本までが入賞となった。
 区間賞は8分22秒で走った三次の天野君。何と13位から5人抜きで、6位の山本にあと6秒差まで追い上げた走りは、さすがに第4回優勝チームのアンカーの意地だったのか。
9区 
松江貴志(6年)

一生懸命追いかけたけど、悔いはない!・・・というような2位でのフィニッシュでした。野球ではいつも責任の重いトップバッター。そしてこの駅伝でも、ラスト勝負に賭けた期待を背負ってのアンカー起用。貴志で追いつけなかったのだから、仕方ない。大野友星のアンカー島田君が、貴志以上に速かったということ。
 結果的に大野友星と地元大芝とのマッチレース、2強の争いになった。くしくもメンバー構成は両チームとも6年生6人、5年生2人、4年生1人で同じで、お互い学年合計50というルール上限を目一杯使っての、選手起用だった。
 今年初めてこの学年合計50という壁に悩んだ大芝だった。もし6年の高杉浩平のケガがなくて、浩平が万全だったら、もっと悩んでいただろう。6年生7番目以降の選手を第2部に回さなくてはならない・・・。浩平の骨折入院は、本当に残念なアクシデントだった。本人も第2部に回って、随分悔しい思いをしたろうが、本来元気だったら、晋二とエース区間争いを競って欲しかったし、充分1区を起用できたはずだったと思う。
 しかし浩平のいない穴を、残りの6年生がしっかり埋めてくれた。特に去年まで長距離は苦手と思っていた、上村慧と松江貴志が堂々選手として選ばれて、きっちり区間上位のタイムで走ってくれたのは、うれしい誤算。このレベルの長距離走は、練習を積めば積むほど、その成果がきっちりタイムに表れる。特に慧の急成長は、それを物語っていた。
 去年は区間4位以上がいなくて5位、そして今年は区間賞がひとつもなくての2位に誇りを持ちたい。高杉監督の好きな言葉の「全員野球」の野球を駅伝に置き換えたような、チームワークで勝ち取った2位だったと思う。スーパーランナーがいなくても、各区間を任された選手が、自分の力をきっちり出して走ってくれたことが、本当にうれしい事実。
 来年こそ、大野友星の3連覇を阻止するのは、この大芝少年野球クラブでありたいと思う。幸い5年生はメンバーも多く、人材豊富であるし、4年生以下も有望な選手もいる。他の参加クラブも虎視眈々と優勝を狙ってくると思うし、簡単には行かないのは承知。来年は、駅伝とリレーの2冠を狙ってみたい。長短両方での優勝が、この大会で、最高の栄誉なんだから。