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政治展望 政権のかぎ握る普天間問題 2010年01月03日

 民主党を中心にした鳩山連立政権は今年、まさに真価を問われる正念場を迎える。低下が目立つ内閣支持率を押しとどめ、上向きにできるかどうかは、鳩山由紀夫首相のリーダーシップにかかっている。

●参院選が焦点 

 この1年の政治日程の中核は、何と言っても7月の参議院選挙だ。民主党が参院でも単独過半数を制するのかどうかが最大の焦点。谷垣禎一総裁率いる自民党は、「ねじれ」の再現を狙う。

 参院選の結果次第では、政局が一気に動く可能性もある。内紛や路線闘争が激しくなれば、新たな政界再編へと流動することも考えられる。与野党とも参院選をにらみながら、いかに有利に政局をリードしていくかが判断の基準となるだろう。

 鳩山政権にとっては、1月に召集される通常国会が第1の関門だ。来年度の予算編成は何とか年内に乗り切ったが、首相の偽装献金問題や小沢一郎幹事長の巨額献金事件がとげのようにのどに突き刺さっている。さらに、小沢幹事長の資金管理団体「陸山会」による巨額の土地購入疑惑も浮上してきた。

 国民はこれまでの説明に納得していない。さらなる説明とともに、政治資金規正法改正など「政治とカネ」の問題に取り組む厳しい姿勢が求められる。

●問われる構想力

 景気の動向とともに、政権の行方を左右しかねないのが沖縄県宜野湾市にある米軍普天間飛行場の移設問題だ。1月24日には、移設予定地・辺野古を抱える名護市の市長選投開票が行われる。市民がどんな判断を下すのか。一地方自治体の選挙にこれほど注目が集まるのも珍しい。

 ただ、名護市長選は移設問題に結論を出すものではない。その結果が12月9日に任期切れとなる沖縄県知事選や政府の政策判断に影響するのは間違いないが、移設問題はあくまで日本と米国の2国間の問題だ。

 鳩山首相は昨年、迷走を重ねた末に結論を先延ばしにした。米国の意向を踏まえた上で、今年5月までに米国側と合意したいとの意向を示している。沖縄県外を志向する政権に地元の期待は高まっており、もし実現できない場合は大きな失望と反発を生むのは必至だろう。

 今年は日米安保改定から50年の節目の年に当たる。移設問題を契機にぎくしゃくし始めた同盟関係を、新たな段階へスムーズに移行させる必要がある。首相が提唱する東アジア共同体を含め、鳩山政権の構想力が問われる。

 政権を形づくる連立内閣の行方にも注目が集まる。普天間移設問題の結論によっては、社民党が連立政権を離脱する可能性もある。国民新党も経済運営などで存在感をアピールしており、今年も3党間の駆け引きが続くだろう。

●二重権力への危ぐ

 小沢幹事長が実質的に率いる民主党との関係も微妙だ。民主党は「政策決定の内閣一元化」を表看板にしているが、昨年末の予算編成では政府方針に反して民主党が要望したガソリン税の暫定税率維持が決まった。その正否はともかくとしても、権力が二重構造になっているのではないかという危ぐを抱かせた。

 小沢幹事長への権力集中が目に余るものになれば、それに比例して政権への信頼度は落ちるだろう。民主党は、党内議論を活発にしてその不安を取り除かなければならない。「選挙優先」という強引な手法が逆に、一気に民主党離れを引き起こす可能性も十分考えられる。

 日本は今、新たな国づくりへの方向性を模索している段階だ。経済のグローバル化、成長するアジア、不可欠な日米関係などを軸にしながら、希望の持てる国をどう描いていくのか。英知を結集して具体化していかねばならない。各党は参院選で全体像を分かりやすく説明し、その絵柄を競い合ってもらいたい。




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