1月16日付 インド洋給油終了 アフガン支援に全力注げ
活動の根拠である改正新テロ対策特別措置法を政府が延長せず、16日午前0時で期限が切れたためだ。北沢俊美防衛相がきのう、給油に当たっていた補給艦と護衛艦に撤収命令を出した。 海自の給油活動は米国が主導する「テロとの戦い」の一環で、テロリストの移動や武器、麻薬の密輸などを海上で阻止する活動を支援するのが目的だった。 昨年12月末までの8年間で、給油した回数は米国や英国、パキスタンなど8カ国の艦船に対して計938回、燃料は約51万キロリットル(約244億円)に上る。 給油活動はアフガニスタン支援策の一つともされた。しかし、国内の治安回復や国民生活の安定に直接的な効果があったかどうかは不明だ。 自衛隊が他国軍の艦船の活動を支援することは、憲法解釈で禁じられた集団的自衛権の行使に当たるとの指摘も出ていた。 燃料が米国の対イラク作戦に使われたとの疑惑が持ち上がったこともあった。 特措法の期限が切れたのを機に、給油活動を終了させたのは当然だろう。 今後重要なのは、アフガンへの民生支援を強めていくことである。 政府は昨年11月、5年間で50億ドル(約4550億円)規模に上る民生支援策をまとめた。 具体的には、治安の回復に当たる全警察官約8万人の給与の半分程度を負担することや、反政府武装勢力タリバンの元兵士に対する有給の職業訓練を財政支援することなどである。日本の警察官ら専門家が、インドネシアなどのイスラム諸国でアフガンの警察官養成に協力する計画もある。 これらが着実に実行され、治安回復の一助となるよう期待したい。 農業分野では、水利施設を造って農地を開発したり、国際協力機構(JICA)の要員を増やして、農業指導を都市部周辺から北東部の穀倉地帯に広げたりする。 農業支援は、干ばつで深刻になっている食料不足や貧困の解消につながる。治安は悪化しているが、状況を見極めながら可能なところから進めてもらいたい。 アフガンでは子どもの半数が学校に通っておらず、未就学の青年の多くがタリバンに合流しているといわれる。教員給与の一部負担など、教育支援に力を入れることも治安回復に役立つ。 米国のオバマ大統領は昨年、駐留米軍を3万人増派し、タリバン掃討と治安部隊の能力拡大を進めたうえで、11年7月に撤退開始を目指す新戦略を打ち出した。しかし、武力で平和を回復させるのは難しい。 アフガン人は親日的といわれ、同じアジアの一員である日本は、アフガン現政権や欧州連合(EU)などから、タリバンとの和平交渉で中心的な役割を果たすよう期待されている。給油活動をやめたことで、その立場はより鮮明になるだろう。 日本政府にはアフガン支援の強化とともに、和平の構築にいっそう力を注ぐよう求めたい。
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