2006年02月12日

「秘湯一泊の旅」終了報告

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えー

早くも2日が経過してしまい、今思うと何だかマボロシのようではありますが、
おととい・昨日と栃木県は鬼怒川温泉のずーっと先、奥鬼怒温泉郷の『八丁の湯』という
温泉へ行ってまいりました。
この温泉のことはここらへんに詳しいことが書いてあります。


オリンピック開会式の録画をセットして、家を出たのが朝9時半前。
バス・西武線・地下鉄と3回乗り換えて、東武線の北千住に着いたのが11時。
ビールを買い込んでプシッの儀式は忘れず、鬼怒川温泉駅に着いたのが午後1時過ぎ。
ここから終点の女夫渕温泉まで、更に村営バスに1時間半も乗らなければなりません。

バスの中の乗客は30名弱ぐらい。女性比率は7割といったところでしょうか。
異性比率が高いのは好ましいことではありますが、平均年齢は私の見立てで65歳(笑)
私が一番若いことに間違いはありません。
考えてみれば、平日にこんな遠くの温泉までノコノコと来れるのは、一線をリタイア
された方ぐらいしかいないのです。
万が一の可能性として「おニャンコクラブの同窓会でもやってたら混浴はどうすれば・・・」
などと、心配というか淡い期待はこの時点で見事に消え去ってしまったのでした。

なあに私は「秘湯」に入るために遠路遥々来たのです。
女のことなんぞ構ってはおられまい。



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鬼怒川温泉駅周辺にはどこにも雪が見当たらず、ややもガッカリしましたが、
今宵泊まる宿『八丁の湯』は標高1400メートルの地にあります。
バスの終点 女夫渕温泉に着く頃には、回りの景色は真っ白になって行きました。

バスを降りると事前に入手した情報と違い、宿のマイクロバスが停まっております。
一瞬「時間がもったいないから乗ってくかな・・・」との思いはよぎるも、一体何のために
ここまで来たんだ男ダロ〜!と軟弱な考えは捨て去り、雪道を歩いて行くことにしました。

ここから先は環境保護とのことから、一般車両は入ることが出来ません。
宿までは林道が一本あるのみで、遊歩道は積雪のため通行禁止になっておりましたもんで
タイヤの後を踏みしめつつ、雪道ハイキング?スタートです。



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上記しましたように一般車両が入ってこない道路なので、かつ、平日にこんな雪道を
歩いていく愚か者は他におりませんので、音痴な歌を歌いながらの歩きもいい気分♪

ああ!何も遮るものの無い青空を見たのは一体何年振りのことでしょう。
会社への往復の日々の中では、決して見ることの無い景色です。
ちなみに右の写真の上にポチッとあるのは、レンズの汚れではなくお月様。

段々と日が落ちてきて、運動不足のため足もかなり張ってきて、もしかしてこのまま
遭難したりなんてねえだろうな、と不安に思い始めた頃、ようやく宿に到着しました。
時刻は午後4時45分。
ネットには徒歩1時間強と書いてあったトコもありましたけど、雪道だし
結局2時間近くもかかってしまいました。



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こちらが「日本秘湯を守る会」の宿『八丁の湯』です。
歩いて10分弱の場所にもう一軒宿がありますが、回りには民家などありません。
入り口である本館は昔の宿の佇まいなものの、私が泊まったログハウス群は新しくて
部屋の中も16畳もあって、かなりいい感じです。儲かってるんでしょうナ。

到着早々晩メシの時間を訊ねると「5時半からなんですよ」と驚くべき答え。
これは早くせねばアカンと、一服してからダッシュで露天風呂に向かいました。



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露天風呂は4つありまして一つは女性専用、残るは混浴なのですが、
雪のためか一つは塞がっており、入れたのは二つだけでした。
行きのバスの乗客(それでも半数は途中で下車)から、混浴風呂は姥桜のヌードを
見なければならんのか、と半ば諦めにも近い覚悟をしておりましたが、
ありがたいことに誰一人おりません。
ひゃ〜こいつぁラッキー☆

左手の写真の奥にある脱衣所から、やや小高いトコにある露天まで素っ裸で走ります。

うううぅさみぃさみぃ死ぬぅぅ → どっぼぉ〜ん → ひょ〜っ気持ちええわぁ〜

2時間弱の雪道行もコレで全て報われた感じ。
まさに極楽ですよ極楽。



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左はもういっちょの露天風呂です。夕方5時を過ぎているのに雪明りで明るいです。
こちらにも誰もおりませんでした。いいぞいいぞ〜

右は翌朝に撮った内湯です。
あまり広くはないものの、いかにもひなびた温泉に来た感じでこちらもいい気分。
ただですね窓が開けっ放しになってるんで寒くて寒くて。



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さて、旅の楽しみと言えば、やはりメシでござんす(左は晩・右は朝)。
事前にメシは質素であるとのネット情報から期待はしておりませんでしたが、
事前情報のとおりでありました(笑)
ま でも、麓の町から車で2時間もかかる山小屋のような場所にいるのです。
暖かいメシが食えるだけでも有り難いと思いませんとね。

いやいや充分にオイシイのですよ。
山らしく鹿肉のルイベとか鴨肉鍋とか川魚(何だろう?)とか。
多分ですが、客層を考慮してのことなのか、私には絶対的に量が少ないのです。
それと晩メシが5時半からと言うのも・・・(笑)

通いの人もいるのかもしれないし、この一般生活じゃあありえない早い時間のメシは
従業員の方を考えてのことなんでしょうね。
一人メシを食いながら、この人里離れた山奥で働かれている方々は、何を考え
どういう人生を過ごされているんだろうかと、ずっと考えておりました。

ビール大瓶一本飲んで、もう一度風呂に入って、歩き疲れもあるしパソコンも無いし
8時に就寝。これはこれで贅沢というものです。



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翌朝は5時頃起床。オリンピック開会式を見ることが出来ました。
私の事前予想通り最終聖火ランナーはやはり女性でしたね。
それにしても聖火台へ火が点るまでの仕掛けの凄かったことよ!

窓を開けると雪が降っておりました。
さすがにコレじゃあ歩いて帰れんなあと、帰りはバスに乗っていくことにしました。

さあ、もう一回風呂に入るぞ〜



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朝の露天風呂から見た景色です。
湯の花が空から降ってきてるみたい(笑)
気持ちイイですよ〜

10分も浸かっていると、髪の毛がパリンパリンに凍っております。
頭からザブンと浸かって、これまたイイ気持ち。

私の他にも10人ぐらいお客さんはいたのですが、うまい具合に時間がぶつからず
お風呂は夜も朝もずっと貸切状態でした。



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最後に一番キレイに撮れたかなーって写真です。
コレは露天風呂から見える正面の景色。夜になるとライトアップされるんですね。
どうだいいいだろ〜!と、本人はかなり悦に入りながら書いておりますが、
見てくれている人は、新婚旅行のビデオを見せられてるようなもんかもしれません。



帰り鬼怒川温泉駅に着くと、昨日乗ってきたバスに乗り込む若い娘たちがチラリホラリ。

むむむむむ・・・
一日来るのを間違えたかぁ〜





posted by Saxman at 00:00 | Comment(0) | 旅日記