高校時代を遊んで過ごし受験に失敗、宅浪の道を選ぶも再び遊んでしまい、
その後社会に出るまでの3年間はアルバイトに明け暮れていました。
この歳になって大学を出なかったことの痛さをじんわりと感じることもあるのですが、
それでもその頃に色んな人と出会えた事・感じた事は、
今の自分を作り上げた財産でもあるんでしょうね。
21の夏に長野県の野辺山というトコで、
2ヶ月間住み込みで高原野菜収穫のバイトをしました。
出かける前は牧歌的なモノを想像していて、
朝起きたら自然の中でコーヒー入れてぇ、休みの日には八ヶ岳でも行ってぇ、
きっと自然が好きなかわいいオンナとの出会いが絶対あるナ、とワクワクしてたんですが、
これがもうキツーいのなんのって。
山に来るバイトの半数は途中で脱走してしまうと聞いたくらいですから。
それでも途中で農大生や女子高生が実習で来たりして、
女の子も帰る時に泣いちゃったりして
「なんか「俺たちの旅」を実践してるな〜」と楽しい毎日でした。
まかないのゴハンもおいしかったしね。
我々の住むプレハブ小屋にはテレビ・ラジオ・新聞は無く、
世間の動きは一切わかりませんでした。
ある晩、世話になってる家のオバさんが
「山の向こうに何か落ちたらしいぞ」と言ってた次の日、
いつもはあまり車の通らない農場の前の道が大渋滞になって
何かあったんスか?と聞けば飛行機が落ちたとのこと。
あの日航ジャンボ墜落です。
三浦和義の逮捕も秋に家に帰ってから知りました。
それまで「疑惑の銃弾」は毎週読んでたんだけどね。
山へは数冊の文庫本とウォークマンを持っていきました。
一番聞いてたのはこのティアーズ・フォー・フィアーズ。
自然の中で聞くと、この乾いたギターサウンドがバッチリ合うんですよ。
おぉ!この景色にぴったりじゃないか!
このコンビというかバンドは、
この大名盤を出した後少し売れただけで消えてったような気がします。
だから今の若い人達は聞く機会が無いかもしれない。
もったい無いねーこんなに気持ちがいい音楽なのに。