1月4日付 第56回徳島駅伝 沿道で夢と感動楽しもう
郷土の期待を担い、新春の阿波路を駆ける選手たちの夢と感動のレースを楽しみたい。 レースは、前回19年ぶりに優勝した徳島の連覇となるのか、実業団勢を中心に選手層が厚い鳴門が王座を奪回するのか。前回3位の海部、4位の小松島なども絡んで激しい優勝争いが繰り広げられそうだ。 入賞争いも、各チームの力が伯仲しており、例年以上にし烈である。 特に中学・高校生や女子選手が力を伸ばしており、一般区間を高校生に託すチームも多い。ベテランに負けない力走ぶりが沿道を沸かせてくれることだろう。 今回目を引くのは、徳島駅伝に初めて平成生まれの主将が誕生したことだ。 美馬郡を率いる岡山商科大2年の逢坂良晴選手(20)だ。チームの平均年齢も16歳と若く、若駒たちの走りで美馬郡旋風を巻き起こすか、見ものである。 一方、勝浦には30回連続出場を誇るベテラン選手、阿南には一度引退しながら再び走る選手や娘と一緒に走れるまで引退を封印している29回連続出場の選手がいて、市民らに元気を与えている。 美馬市や三好郡には3姉妹、3兄妹が出場し、地域の話題と期待を集めるなど、見どころは尽きない。 最優秀選手に贈られるMVPや新人賞の個人タイトル争いからも目が離せない。 MVPは、元日の日本実業団駅伝で7位入賞した大塚製薬陸上部勢や大学生ら各郡市のエース級がしのぎを削る。 これらの受賞者からはこれまでに五輪選手が4人出ている。徳島駅伝から世界へと、さらに飛躍する選手が続いてほしいものだ。 半世紀以上続いている徳島駅伝の大きな役割は、勝ち負けよりも、選手と関係者、沿道の一体となった熱気が県内一円を巡ることにある。心を一つに1本のたすきをつなぐ姿にきずなを感じる人も多いだろう。 うれしいのは、学校や職場だけでなく、地域で子どもたちをトップアスリートに育てていこうという取り組みが活発化してきたことだ。 例えば東みよし町では、一般や高校生らの駅伝選手と、50代から80代の市民アスリートグループ、町内の陸上クラブの小学生が交流を深め、レベルアップを図っている。 本県の子どもの体力は、昨年の第2回全国体力テストで全国平均を大きく下回り、県民に衝撃を与えた。 それだけに、小さい時から体を動かすことを習慣付けたり、運動への意識を高めたりする試みが広がり、盛んになるのはいいことだ。 大会前に新型インフルエンザが学校現場を中心に広がり、合宿練習などに苦労したチームが多かったようだ。幸い感染で欠場を余儀なくされるケースはなさそうだが、なお油断せずレースに臨んでもらいたい。 沿道の応援の小旗も2年ぶりに復活する。絶え間なく続く声援が選手の励みになる。できる限り多くの人が沿道に出て選手に声を掛け、駅伝を盛り上げてほしい。
|
|