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[社説]新たな地平へ 地域の文化を見直したい '10変革の時2010年が明けた。正月に日本を脱出する海外組の一方で、帰郷してゆったりと時間を過ごす人も多いだろう。 ひと昔前のふるさとは、子どもたちの声であふれていた。かつての村落共同体では、人々が汗を流し合って稲を植え、屋根をふき、井戸を替え、道をつくった。子どもたちはみんなムラの子だった。 人と人、ムラとムラが結びつき、お互いを支えた。それは地域に住む住民自身による「自治」のかたちの一つであり、地域の祭りはそのシンボルだったといえるだろう。 同じ価値観を共有することで保たれてきた集落のきずなは、民主化と高度経済成長期以後の過疎、少子高齢化の中で解体していく。人間関係が希薄化し、「個」がいっそう「孤」化する地域に、新たなつながりのかたちや価値観が求められている。だが、それは私たちの目にまだはっきりと見えてはいない。 分権から主権に 昨年の政権交代は、日本の政治史の画期となる大きな出来事といえるだろう。その鳩山政権が五つの約束の一つに掲げたのが「地域主権」だった。 明治以来続いた中央集権体制を抜本的に改め、「地域主権国家」へと転換する。中央政府は国レベルの仕事に専念し、地方政府は地域の実情にあった行政サービスを提供できるようにする―。昨年の衆院選マニフェスト(政権公約)に民主党はそう明記した。 鳩山政権は昨年末、地域主権戦略会議を発足させて改革の工程表を示した。直轄事業負担金の廃止などを盛り込んだ「地域主権戦略大綱」を今夏に策定し、地方自治法を抜本改正して新たに「地方政府基本法」を制定するというのが骨子だ。 「分権」から「主権」へと一歩踏み込んだことは、地方にとって歓迎できる。だが、地方が自由に使える税財源の充実をどう進めていくかなど細部への道筋はこれからだ。地方と協議しながら、国と地方がどう役割分担するかという国のかたちもまた、はっきりと像を結んではいない。 二つの「祭り」 あらためて、わたしたちのふるさとをもう一度見つめてみたい。 今年、岡山、香川県で二つのイベントが開かれる。第25回を迎える国民文化祭の岡山開催と、備讃瀬戸を会場に行われる瀬戸内国際芸術祭。キーワードは「文化」だ。 備讃地域は、古代から人とモノが行き交う動脈であり、多種多様な文化のゆりかごでもあった。 国民文化祭・おかやま2010は、10月30日から11月7日まで県内の286会場で伝統芸能、音楽、舞踊、文芸、演劇など95事業が繰り広げられる。地域の歴史をめぐり、人と人をつなぎ、全国から世界、未来へと「のびる」文化の回廊―がテーマになる。 瀬戸内国際芸術祭は7月19日から10月31日まで、現代アートの島として年間34万人超を集める香川県の直島や、岡山市の犬島など七つの島を主会場に開かれる。そこにある自然や暮らしを生かしながら、新たな要素と融合・調和させて新しい価値を創造する持続可能な再生プロジェクトを目指すという。 小さなつぶやき 住民総出で神楽の準備に忙しい吉備高原の集落で、長老がつぶやいた言葉が耳に残っている。「神楽して、金使うて、それで満足かと言われるかもしれんけど、地区がまとまる。『いきり(勢い)』が出るんじゃ」。 今にも消え入りそうな小さな集落の話だが、受け継いできた伝統と、暮らしてきた土地への誇りがそこにはある。 高度経済成長の果実をみんなで分け合う時代の終焉(しゅうえん)は、自民党政権の終わりが証明したともいえる。速度を増す少子高齢化時代の中で、成長神話に代わる「豊かさ」や「生活の質」とは何かの問いが、国にも私たちの地域にもあらためて問い掛けられている。 文化はその問いを解く鍵の一つになりうるだろう。国と地域の役割分担、地方の自立の在り方を考えるためにも、私たちをはぐくんできた地域の文化に目を向けたい。 【詳しくは山陽新聞紙面をご覧ください。】
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