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社説

成人の日/失敗恐れず困難に挑もう 

 あすは「成人の日」。兵庫県内ではことし、約5万8千人が成人式を迎える。大半の市町は、10日か11日に式典を開く。新成人たちを、心から祝福したい。

 昨年8月の県西、北部豪雨で大きな被害を受けた佐用町は一足早く、3日に式典を開催し、新成人代表が「町の復興とまちづくりに寄与できるよう努力したい」と誓いの言葉を述べた。若い力と発想を、まちの再生にぜひ生かしてほしい。

 全国で昨年中に20歳となったのは127万人。うち125万人が「平成」生まれである。昭和が1週間で終わり、平成に変わった1989年は、激動の年だった。

 ベルリンの壁崩壊や天安門事件があり、日本では消費税が導入された。合計特殊出生率が過去最低になった「1・57ショック」の年でもある。実際、ことしの新成人は前年より6万人減り、ピークだった70年のほぼ半分だ。今後も減少傾向は続く。

 その平成生まれが、これからの日本を支えていく。当時バブル景気にあった社会は今、先行き不透明だ。社会保障の負担も重くなっていくだろう。多難な時代が待ち受けていることは間違いない。

 「五体不満足」の著者乙武洋匡さんは以前、自らの経験を踏まえ「試行錯誤し、立ち向かった末の失敗には、大きな学びが詰まっているはずだ。失敗があるからこそ、僕らは成長できる」と、本紙で新成人にエールを送っていた。この先、予想される困難に果敢に挑んでいってほしい。

 この「成人」の定義をめぐる議論が、ことしは本格化しそうだ。法制審議会が昨年、民法で定めた成人年齢について「18歳に引き下げるのが適当」と千葉景子法相に答申した。憲法改正のための国民投票法は、5月の施行までに成人年齢や選挙権年齢を見直すことを求めている。

 民主党も先の衆院選で、成人年齢の18歳への引き下げを政策集に盛り込んだ。

 海外では、米国の多くの州や英国、中国など18歳成人が主流だが、日本では引き下げへの懸念や反対がまだ根強い。

 大切なのは、当事者がどう考えているかだ。大人の仲間入りをする新成人には、どんどん意見を述べてほしい。

 もちろん何事においても、主張するからには責任が伴うことを忘れてはならない。これが大人社会のルールだ。ただ、縮こまることはない。これからの社会を切り開き、担っていくのは、新しい時代に生まれたみなさんなのだから。

(2010/01/10 09:16)

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