【社説】朝鮮学校の子どもたちを守る対策を講じよ

 「在日特権を許さない市民の会」など幾つかの右翼団体のメンバー50人余りが今月14日と16日、京都にある在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)系の小学校前に押し掛け、拡声器で「朝鮮人は夜道に気をつけろ」「朝鮮学校を壊そう」などのスローガンを浴びせた。昨年12月4日には、学校側が行事の準備を行っていた公園に現れ、スピーカーの線を切ったり、器具などをたたき割ったりして殺伐とした雰囲気とし、その場にいた子どもたちを泣かせた。何人かの生徒は、帰宅時間になっても家に帰れなかったという。

 日本では朝鮮学校の生徒に対する事件が過去10年で大幅に増えた。日本社会が急激に右傾化した上に、北朝鮮政権の愚かな行動が相次いだため、その被害が朝鮮学校の子どもたちに降りかかっている。北朝鮮による日本人拉致事件が毎日のようにメディアで報じられ、北朝鮮が核実験やミサイル発射を行ったときには、朝鮮学校の生徒に対する暴行事件が1日平均2件発生した。今回も、極右勢力は生徒たちを「スパイの子ども」と言い立て、子どもたちの心を深く傷つけ、恐怖に震えさせている。

 朝鮮学校の小・中学生は、学校で「祖国学習」を受けているため、一般の生徒より計1505時間多く学校で過ごしている。金日成(キム・イルソン)一家3代世襲体制下での朝鮮学校教育が「祖国学習」を通じて何を教えているか分からないが、学校では金一族への崇拝を強要され、学校外ではあらゆる侮辱を味わう、朝鮮学校の子どもたちがただかわいそうでならない。

 日本社会は、在日韓国人・朝鮮人学校がなぜ日本に来たのかを忘れている。自分たちの祖先が朝鮮人を徴用で、徴兵で、軍属で北海道の炭坑や太平洋の戦場に連れていった。そうして連行された朝鮮人の3世・4世がまさに朝鮮学校の生徒たちだ。そうした視点から見ると、日本の右翼の行動はまるで、犯罪者の子孫が被害者の子孫の前に現れ、脅迫に没頭しているのと同じだ。幸いなのは、こうした極右勢力の暴力におびえている朝鮮学校の生徒たちに対し、日本の良心ある市民らが慰めの手紙や励ましの贈り物を送り続けているということだ。

 こうした事態を人ごとだと思ってはならない。在日本大韓民国民団(民団)と朝鮮総連の垣根が低くなったことで、民団側の人たちも母国語教育のため、朝鮮学校に子どもを送る場合が多い。今回問題となった学校に電話で尋ねてみると、「児童134人のうち民団系の子どもたちが大半で、今はそうした統計が必要ないほど区分が無意味になった」と話した。韓国政府も「朝鮮学校引き受け案」など、心に傷を負った朝鮮人の子どもたちを保護する対策を講じる必要がある。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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