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社説

青少年と携帯電話/ルール徹底へ連携強化を

2010年01月15日 01:06
 青少年を対象に、携帯電話の正しい利用方法の啓発を行う北陸携帯電話販売店協会が昨年12月に設立され、活動を開始した。ネットいじめや犯罪被害など、青少年と携帯電話をめぐる状況が社会問題化している中で、購入者と直接顔を合わせる販売店側も動き出したことは好ましいことだ。関係団体・機関と連携し活動を盛り上げ、子どもたちがトラブルに巻き込まれることがなくなるよう望む。

 青少年と携帯電話をめぐる最近の主な動きをみると、昨年1月に文部科学省が小中学校への持ち込み原則禁止を通知、同4月にはインターネット上の有害サイトから子どもを守る「青少年インターネット環境整備法(インターネット対策法)」が施行された。隣の石川県では、小中学生に携帯電話を持たせない「保護者の努力義務」を盛り込んだ「いしかわ子ども総合条例」改正案が同6月に可決され、今年1月から施行された。

 これらの動きを受けて、北陸3県の携帯電話販売会社が意見交換会を重ね、「携帯電話に関する情報発信と適正利用の啓発活動」を目的に協会を発足させた。携帯電話会社の系列を超えた業界団体の結成は全国初だという。

 協会にはKDDI(au)、ソフトバンクモバイル系の販売会社22社が参加、店舗数は110店に上り、富山、石川、福井の北陸3県の4割強を占める。NTTドコモ系は「活動状況をみてから判断したい」(NTTドコモ北陸支社)と当初からの参加を見送った。

 協会は啓発広報活動の一環として、昨年12月下旬から、「親子のケータイ・ルール」というポスターを制作し、会員店舗に掲示しているほか、A4判のチラシを来店者に配布している。

 「危険なサイトにアクセスしないように、フィルタリングを利用します」「インターネット掲示板やメールで、相手を傷つけることはしません」などの項目をルールとして明記し、子どもと保護者が署名するようになっている。

 協会はこのほか、本年度事業として、有害サイトなどの携帯ネットパトロールや、青少年有害コンテンツの調査・研究なども行う予定。

 文科省が一昨年12月時点で実施した初の利用実態調査では、携帯電話を所有しているのは小6が25%、中2が46%、高2が96%。「インターネットを使えない機種や設定にしているか、フィルタリングを使っている」のは、小6で63%、中2で43%、高2が16%となっている。

 県内では全小中学校が、携帯電話を原則持ち込み禁止としている。県教育委員会は昨年9月、ネットトラブルの未然防止や早期対応に活用してもらうため、富山ネットトラブル情報サイト「ネットあんしん富山」を開設した。対処法、相談窓口、保護者への説明といった項目があり、開始約1カ月で1千件を超えるアクセスがあったという。

 小中学生に携帯電話を全く持たせないことは現状を考えても不可能に近い。正しい使い方の周知活動を社会全体で広め、使用ルールが子どもたちにとっての「常識」として定着することが必要だ。

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