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社説

新年の誓い/不況や大雪に打ち勝って

2010年01月06日 00:27
 そろそろ正月気分は抜かねばならないか。県や各市町村、多くの企業で既に通常の業務が始まり、新しい年の本格的なスタートを切った。それぞれのトップが年頭にあたり抱負を述べている。共通するのは「逆境をはね返し、希望ある年に」との思いのようだ。県民一人一人も期すところがあるだろう。先を見据え、何事にも打ち勝つ心構えでいたい。

 富山県に限らず、地方財政、地方経済を取り巻く環境は厳しい。「先見性を持って挑戦する年にしよう」と決意を述べたのは石井知事である。企業にとっても生き残りに向けた挑戦、めまぐるしく変わる経済情勢への柔軟な対応が命題となっている。

 日本経済にはデフレが重くのしかかり、景気回復への道のりは平たんではなさそうである。一昨年暮れに出現した年越し派遣村はこの国が抱える問題を如実に突きつけ、政治を大きく変えるきっかけともなった。あれから1年がたったが、状況が改善されたとはとても言えない。

 この年末年始は同じ派遣村が設けられることこそなかったが、東京都の「公設派遣村」は宿泊者が想定を大きく上回り、今後もしばらくは都が臨時宿泊施設を用意することになった。県内でも年末に富山市のハローワーク富山に設けられた緊急の職業相談窓口に大勢の人が訪れたという。こうした動きを見る限り、この1年は明るい予感ばかりではない。

 通常国会は今月18日に召集される見通しとなった。「政治とカネ」の問題がくすぶり大揺れになるとの見方もあるが、政権運営がふらついてばかりいるわけにはいくまい。「政治不況」が深刻とならぬよう、鳩山内閣は経済立て直しへ明確な対処方針を示してほしい。すべてが選挙中心では救われない人が多いことも肝に銘じるべきだ。

 県内は大雪に見舞われた年末年始でもあった。正月らしいとも言えようが、除雪作業にうんざりした人は多かっただろう。暖冬少雪との予報があっても、いったん強い寒気が流れ込めば一晩で驚くほど降り積もることをあらためて思い起こさせた。

 県内はきのうから再び荒れ模様の天候となっている。雪に対処する力は弱まっていないだろうか。圧雪、凍結した道路での運転もその一つである。まとまった積雪があるたびに各地でスリップ事故が多発し、けが人が出ているようだ。高速道路では速度規制を守らない無謀な運転が目立つという。慎重さを忘れてはならない。

 毎年起きている屋根雪下ろしなど除雪中の事故にも十分に注意したい。一人暮らしなどをする高齢者には、誰かが常に声を掛けるようにしておきたいものだ。

 痛ましい住宅火災も続いた。年末には立山町で一晩に2件の火災があり、計3人が亡くなった。年明けにも富山市で民家を半焼し1人が死亡している。暖房器具が欠かせない時期であり、誰もが取り扱いには注意している。しかし、念には念を入れよである。尊い人命や大切な家財を守るために、あらためて火の元の管理を徹底したい。

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