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2010年 1月18日(月)

小沢氏疑惑と国会

政権運営厳しい事態に

 政権交代をしても国会の論戦は結局、「政治とカネ」の問題に覆われるのか。これでは政治の「変革」に期待した国民は失望するばかりだろう。

 18日の通常国会召集を目前にして小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体をめぐる政治資金収支報告虚偽記載事件で同党の現職議員が逮捕された。小沢氏は民主党大会で捜査を批判し、幹事長として検察当局と対決していく考えを表明したが、自民党など野党は小沢氏の責任を厳しく追及する構えだ。国会は冒頭から与野党激突の展開となるだろう。

 厳しい経済情勢への対応や日米関係を中心とする外交政策など、与野党が議論すべき課題は山積している。「政治とカネ」で貴重な時間を費やされるのは情けないの一言に尽きる。

 鳩山由紀夫首相(党代表)は大会で2009年度第2次補正予算と10年度予算の早期成立の必要性を強調した。だが、こうした事態を招いたのは鳩山首相と小沢幹事長という「民主党ツートップ」がともに自身の政治資金問題を問われ、国会召集までに十分な説明を尽くしてこなかったためだ。両氏の責任は重い。

 通常国会では国民が納得する説明をし、本来取り組むべき課題を議論できる状況を早期につくる責務がある。

 政権交代後初めての党大会で、民主党は「『国民の生活が第一』の政策を着実に実行する」との2010年度活動方針を決定。政策推進の基盤を安定させるため夏の参院選での単独過半数獲得を目標に掲げた。鳩山首相は政権交代に込められた国民の期待に応え、「変革にまい進する」と強調した。

 だが鳩山首相が同時に「政治倫理の確立という使命も求められる」と述べた通り、政策の実行には、政府への国民の信頼が根底になければならない。

 政府、与党は通常国会でまず09年度補正予算を成立させ、続いて10年度予算の年度内成立を目指す。だが与党が描く通りの国会運営は難しいだろう。10年度予算が年度内に成立しなければ、景気情勢に与える影響は大きい。そうした事態を避けるために取るべき対応は決まっている。国会という公の場に自らが出て説明し、信頼回復に努めることだ。

 鳩山首相には予算委員会や党首討論など発言の場は多い。閣僚でない小沢幹事長にも参考人招致に応じたり、政治倫理審査会に出席するなど説明の機会がある。その姿勢を示せるかが最も肝心なポイントだ。

 政府、与党は通常国会に、官僚の答弁を禁止する国会法改正案や、副大臣や政務官を増員し、国家戦略室を「局」に格上げする政治主導確立の関連法案などを提出する方針だ。永住外国人への地方選挙権付与法案の提出も検討している。いずれも与野党で十分な議論が必要となる重要法案ばかりと言える。

 「政治主導」は民主党が掲げる看板であり、これらの法案は小沢氏が主張してきたものでもある。成立が遅れれば、政府の体制が整わず、昨年末のような政策決定の迷走が繰り返される事態にもなりかねない。

 通常国会にどう臨み、政治主導の体制をどう構築していくのか。鳩山首相と小沢幹事長を筆頭に民主党の責任と真価が問われ、それが参院選の情勢にも結び付くだろう。

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