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国政展望

2010年1月4日

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マニフェスト競い合え

 昨年夏の衆院選を受けて政治の潮目が大きく変わった。底流にあるのはマニフェスト(政権公約)だ。これまでも各党は選挙公約を掲げていたが、有権者の関心を十分引きつけられなかった。政権選択を懸けた衆院選と鳩山由紀夫首相の政権運営では、「マニフェスト元年」といえるほど耳目を集めた。

 今年は参院選が行われ、鳩山政権に対する最初の審判が下される。与党はどこまで実績を挙げられるのか、野党はどのような対立軸を提示できるのか。マニフェスト選挙定着への試金石とも位置付けられよう。

 政権交代を果たした民主党への期待はなお高い。日本世論調査会が昨年12月に実施した調査によると、「今選挙があるとしたら民主党に投票する」の回答は50%となり、自民党の21%を上回った。マニフェスト実行への期待の表れと考えられる。

 一方で、参院選で重視する点は「マニフェストの内容」を挙げる人が最も多かった。昨年の衆院選比例代表では「政権交代の是非」だったことからも、世論の関心は政権選択からマニフェストへ移っている。各党はこの流れをすくい取り、政策を構築しなければならない。

 新年度予算案では、ガソリン税の暫定税率廃止や高速道路無料化などの主要マニフェストが見送られた。有権者が寛容な姿勢を示しているのは、「公約は必ず果たすべきもの」との意識がまだ薄いためではないか。予算審議では、鳩山首相が指導力を発揮してマニフェストの今後の実現性について説明を尽くすべきだ。甘えは許されない。

 下野した自民党は、政権復帰への一手が見いだせず、手詰まり感が強い。失策を期待するだけでは政権交代の選択肢として頼りない。ましてや、数の論理で離合集散をもくろむ手法は過去のものとなっている。マニフェストを掲げて堂々と論戦に挑むべきだろう。

 経済状況は不透明で、二番底ともなれば暮らしの安心・安全を脅かす事態が想定される。外交や環境など早急に取り組むべき課題も山積している。針路を誤らないためにもマニフェストの役割が重みを増すだろう。

 衆院選では一票のダイナミズムに有権者の多くが目覚めた。一歩踏み込んで、有権者一人一人との“契約”ととらえたい。マニフェストの定着は民主主義の成熟にほかならない。



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