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■ 秋田のニュース:社説

社説:冬の伝統行事 地域見詰め直す契機に

 今年も県内の冬の伝統行事が本番に突入した。いずれの小正月行事や祭りも、地域発展を願う先人たちの思いを現在に伝える貴重な文化的財産である。少子高齢化に直面する中、地域一体となって伝統行事の継承に取り組み、厳しい秋田の冬を熱い心で乗り切る糧としたい。

 県内には、個性きらめくさまざまな冬の行事が存在する。15日には北秋田市綴子で今年の稲の作柄を占う雪中田植え、秋田市仁井田では火振りかまくらなどが行われ、住民らが雪の中で厳かに五穀豊穣や無病息災を祈願した。今後、2月中旬まで横手市のかまくら、湯沢市の犬っこまつり、美郷町六郷の竹うちなど本県を代表する伝統行事が続き、雪国を彩る。

 夏祭りに比べて祭り本来の素朴な形を残している冬祭りだが、最近は観光化への対応も活発化している。例えば横手市。韓国ドラマ「IRIS(アイリス)」のロケ地となった横手公園に2基のかまくらをつくって撮影時の風景を再現したほか、B級ご当地グルメの祭典「B—1グランプリ」以降の観光客増加を踏まえ今年は会期を4日間に延ばすなど意欲的だ。

 また、冬の伝統行事が国際交流の舞台に登場し始めたのも注目される点だろう。昨年は仙北市西木町に伝わる紙風船上げが台湾で開かれた「国際天燈祭り」に初参加して幻想的なムードを演出した。さらに、今月下旬には横手市のかまくらが初めての「海外出前」で韓国・ソウルにつくられる。地域限定だった冬の行事の新たな可能性を開く動きととらえたい。

 こうした観光とリンクさせた地域振興への取り組みはもちろん結構なことだが、同時に重要なのは継承基盤の強化である。少子高齢化や若者流出、核家族化の進行など複雑な要因が絡み合って、継承に黄信号がともっている県内の伝統行事は増加傾向にある。

 あす17日に行われる秋田市広面の太平山三吉神社のぼんでん祭りに関して言えば、ぼんでんが町内を進む時に披露する三吉節を唄える人が最近はめっきり少なくなったという嘆きが聞かれる。男鹿のなまはげでは、実施した集落の割合が10年前は78%だったのに、近年は60%前後に低下している。このほかにも開催に要する人員確保に苦慮している地域は多く、継承への機運をいかにして盛り上げていくかが課題といえよう。

 一度途絶えた伝統行事を復活させるには、それこそ多大なエネルギーを要する。何よりも途絶えた場合の住民の冬の「寒さ」は倍増するに違いない。

 幸い、進行するグローバル化への反動として地域のアイデンティティーを見詰め直す動きが強まっている。こうした状況を追い風に、伝統行事に関する啓発活動に力を入れたい。特に次代を担う子どもたちにとって、伝統行事は古里への誇りをはぐくむ大切な要素でもある。

(2010/01/16 11:06 更新)

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