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■ 秋田のニュース:社説

社説:藤井財務相辞任 政権への打撃が大きい

 鳩山政権が激しく揺れている。内閣の重鎮で、財政通でもある藤井裕久財務相の辞任が決まったのだ。後任には菅直人副総理兼国家戦略担当相を起用、仙谷由人行政刷新担当相が国家戦略担当相を兼務する。

 藤井氏は辞任の理由に「過労による体調不良」を挙げた。12月28日から静養と検査のため入院し、それ以降、公務を休んでいた。就任してわずか4カ月足らずだが、77歳と高齢である。結局、激務に耐えられる状態ではなかったことになる。

 しかし、それはあくまで表向きの理由であるとの指摘がある。予算をめぐり小沢一郎民主党幹事長や菅氏との確執があったと、まことしやかにささやかされているのだ。

 例えば2010年度予算編成で民主党が重点要望を提出した際、官邸を訪れた小沢氏は「政治主導になっていない」などと政府の予算編成の在り方に不快感を示した。藤井氏がメンツをつぶされた格好になったことは確かである。

 この事態が政権に与える影響は相当大きいととらえるべきだ。藤井氏は昨年の衆院選前にいったん政界からの引退を表明したものの、当時民主党代表だった鳩山由紀夫首相に引き留められ、出馬に至った経緯がある。鳩山首相にとって、欠くことのできない指南役だった。

 非自民連立政権の細川、羽田両内閣で大蔵大臣を務めており、民主党では経済、財政運営の経験が最も豊富な政治家と言っていい。米国のガイトナー財務長官とは、内需主導により世界経済回復を目指す方向で連携するなど、対外的にも一定の存在感を示していたとされる。

 それにしても、あまりにも時期が悪い。鳩山政権になって初の通常国会の開会予定が、18日と目前に迫っているのだ。鳩山政権は藤井氏辞任に伴う混乱が生じないよう、急いで態勢を整える必要がある。いささかも国政を停滞させることがあってはならない。

 何しろ、子ども手当や農家への戸別所得補償をはじめとする目玉政策、デフレから脱却するための経済対策の是非など、10年度予算案や09年度第2次補正予算案には、与野党で真剣に議論を深めなければならないテーマが山積している。

 さらに、たとえ国会を乗り切ったとしても、その後も道のりは険しさを増す。10年度予算では新規国債発行額が過去最高の44兆円に上り、国と地方の借金は計862兆円にも達する見通しなのである。

 これ以上借金を膨らませてはならない。しかしマニフェスト(政権公約)に掲げた政策も、決しておろそかにはできない。税収減は深刻で、財源確保の見通しも不透明だ。

 綱渡りのかじ取りが、これからさらに厳しさを増すことは間違いない。それだけに、鳩山首相の指導力がますます問われることになる。

(2010/01/07 09:36 更新)

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