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■ 秋田のニュース:社説

社説:鳩山外交 求められるしたたかさ

 果たしてどこへ向かうのか。鳩山政権の外交は、不安を抱えたまま停滞している印象がぬぐえない。

 最大の要因は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題だ。県外、あるいは国外へ移すのか、それとも2006年に日米両政府で合意したキャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市辺野古)への移設計画を進めるのかで揺れているのだ。

 鳩山由紀夫首相のこれまでの発言を聞く限りでは、迷いながらも、やはり県外、国外移設に比重を置いているように受け取れる。負担軽減を訴える沖縄県民との約束を果たすとの方向である。

 しかし、そうだとすれば政権発足後、米国にその意思が揺るぎないものであることを真っ先に、しかも明確に伝えておくべきだった。少なくともその真意が伝わっていたら、これほど迷走することはなかった。今更ながら、そう思えてならない。

 岡田克也外相や社民党党首の福島瑞穂少子化担当相をはじめ、閣僚からはさまざまな意見が出されている。その結果、いくつかの候補地が浮かんでは、消えた。さらに与党3党で協議を進めるというが、本当に沖縄県民のためになる結論を導き出せるかは不透明だ。

 もちろん最後は鳩山首相がどう決断するかにかかる。「5月までに新しい移設先を含めて決定したい」と明言し、米国にもその旨を伝えたというから、もう先送りは許されない。

 さらに、今年は日米安全保障条約改定50周年の節目にも当たる。日米同盟の成果や問題点などを一つ一つ検証しながら、両国がこれからどんな関係を目指すべきかについて議論を深める絶好の機会である。

 そのためにはオバマ大統領との信頼関係の構築が大前提となる。普天間問題は、今後の日米関係の行方を占う試金石ともいえよう。

 もう一方の軸である日中関係は、今のところ安定しているように見える。しかし東シナ海のガス田問題や中国製ギョーザ中毒事件などの懸案は、いまだ具体的な進展をみていない。

 さらに中国は今年、日本に代わって第2の経済大国となる見込みだ。力関係の変化は、経済活動をはじめ、さまざまな面であつれきを生む可能性をはらむ。それを最小限にとどめる努力が欠かせない。

 鳩山首相は「お互いの立場の違いを乗り越えられるような外交、違いを認め合える関係が友愛だ」と述べている。そうした友好姿勢を否定はしない。しかし利害が絡む場面では、何よりしたたかさが求められる。

 さらに重視しなければならないのは北朝鮮の問題だ。昨年は2度目の核実験や相次ぐミサイル発射などで国際社会を脅かした。拉致問題も依然、こう着したままだ。一日も早い問題解決に向け、実行力ある鳩山外交の構築が待たれる。

(2010/01/05 09:32 更新)

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