政策買いシナリオに暗い影、物色の外需シフト鮮明も
水野 文也記者
[東京 18日 ロイター] 通常国会が召集され本来なら政策買いへの期待が高まるところが、民主党の小沢一郎幹事長の政治資金問題によってそのシナリオに暗い影が差している。
マニフェストの柱である「子ども手当」が現実に支給されるようになれば、GDPに押し上げ効果をもたらすと想定され、マーケットでは予算の早期成立に期待感が高まっているものの、2009年度2次補正予算案や2010年度予算案、関連法案の成立が遅れれば、失望の声が広がりやすい。物色面で内需関連株が伸び悩み、外需関連株へのシフトが鮮明になるとの見方も出ている。
今年に入って「子ども手当」に関する注目度が上がり始めると同時に、延長の方向が示されたエコポイント制度やエコカー購入補助制度も買い材料として再浮上するとみていた市場関係者が少なくない。
国内総生産(GDP)における実質個人消費が09年4─6月、7─9月と連続して前期比でプラスを記録し「前政権が実施した定額給付金など個人消費刺激策の効果に個人消費は支えられた」(野村証券・シニアエコノミストの木内登英氏)という点に注目が集まり出しているためだ。
実際、麻生太郎政権が昨年実施した定額給付金は、どん底だった消費を上向かせた効果があったとみる市場関係者が多く、消費関連など内需系銘柄が持ち直すきっかけとなった経緯がある。15日に内閣府が公表した「定額給付金に関連した消費等に関する調査」では、経済効果は当初政府が見込んでいた約8000億円は下回ったものの、約6300億円の効果をもたらし、子ども手当の支給に当てはめた場合、消費を刺激する一定の効果が期待できる内容となった。
この調査結果によると、定額給付金が消費として支出された割合は、100%とする世帯が50.0%となった半面、0%とする世帯は26.9%であった。1世帯あたりの平均は64.5%に達したという。
さらに、定額給付金がどのような商品・サービスを購入するために支出されたのかをみると、教養娯楽が37.6%、食料が11.7%、家具・家事用品が10.0%、被服及び履物が8.6%、交通・通信が8.3%となるなど、し好性の高い分野に支出が多かったと推定できる。 続く...