2010.1.18 19:04
冒頭から風雲急を告げそうな通常国会で、政府・民主党は「国民の命を守る政治を行う」(鳩山由紀夫首相)として、平成22年度予算案などの早期成立を訴えている。しかし、小沢一郎幹事長ら民主党首脳の野党時代の発言を振り返ると、予算審議よりも自民党政権の「政治とカネ」の問題追及を優先するという現在の路線とは真逆の立場をとっていた。それだけに、過去の発言との整合性が問われている。
「言うまでもなく、民主主義は政治家に対する国民の信頼があってこそ成り立つ」
現在、「政治とカネ」をめぐる問題の渦中にある小沢幹事長は、3年前の通常国会で、こう訴えていた。
平成19年1月29日の衆院本会議で党代表として代表質問に立った小沢氏は、安倍内閣の佐田玄一郎行政改革担当相が政治資金の不正経理問題で辞任したことや、松岡利勝農水相の事務所費問題を挙げ、「安倍晋三首相は任命権者として説明を果たしていない」と追及した。
小沢氏は問題の解明がなければ「国会でまともな論戦を始めることができない」とも指摘し、予算審議を“人質”に徹底抗戦の構えを見せた。
小沢氏は17年前の自著「日本改造計画」の中では、「政治家が政治資金で私腹を肥やしたり、公正であるべき政策決定がカネでゆがめられているのではないかと疑念を持たれている。(中略)政治資金規正法違反者に対する罰則を強化し、政治腐敗防止制度を確立すべきである」とも指摘していた。