これまで何度となくプロとアマの最大の違いはグリップにあるという
お話をしてきましたが、まだ理解していただけない部分が多いようなので
今回は写真でご説明したいと思います。
まず左の写真は現エンゼルスの松井選手の高校時代の打撃フォーム。
そして次がヤンキース時代のフォーム。注目すべきは左手の親指です。
星稜高校時代のグリップを見てみると、親指が中指の上に重なって
いますが、ヤンキース時代の写真を見ると親指は中指と重なって
いません。それどころか人差し指とも重なっていません。
松井選手は巨人に入団した直後に現在の握り方に修正されていたの
です。そしてこの握り方こそフィンガーグリップと呼ばれる正しい
握り方なのです。
それではもう一枚。今度はマリナーズのイチロー選手です。この写真も
注目は左手の親指です。親指の先端はどの指とも重なっていないのが
わかると思います。イチロー選手もきちんとフィンガーグリップが
できていますね。
それどころかフィンガーグリップはプロ選手の基本中の基本。これが
できなければプロとは呼べません。
プロのいいところは真似をしなさい、と言われるのにフィンガー
グリップだけはなかなか真似をしません。そこまで気づいていないのが
正しいのかもしれません。同時にフィンガーグリップが正しい握り方で
あると同時に非常に難しい握りでもあるのです。
フィンガーグリップで握るためには指先でギュッと握らなければ
ならないのですが、思っている以上に力が必要です。しかし必要以上に
力が入ると今度はスイングスピードが鈍ります。
それを解決するためにメジャーリーガーは
プロヒッターを使うようになったのです。
プロヒッターを使うと誰でも楽に自然にフィンガーグリップで握る
ことができるようになります。メジャーリーグでは半数近くの選手が
プロヒッターを使っていると言われていますが、そのほとんどは30歳
未満の選手ばかり。逆に言えばベテラン選手は使っていません。
それはプロヒッターという商品が登場したのが最近だからです。
ベテラン選手はプロヒッターを使わないでフィンガーグリップで握る
技術を持っているから必要としません。しかし若い選手たちは簡単に
フィンガーグリップで握る事のできるプロヒッターの有効性を知って
いるのでプロヒッターを使うのです。
プロヒッターを使う、使わないは別にしてもフィンガーグリップだけは
しっかりと身につけるべきだと思います。フィンガーグリップに直す
だけでもスイングスピードのアップ、バットコントロールの向上に
つながりますから。プロとアマチュアの違いは実はこんなところに
あったのです。