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アニサキス症に新治療法 気仙沼の医師 来月、学会で発表

1月18日6時12分配信 河北新報

 気仙沼市の離島の大島で大島医院を開いている山本馨医師(64)が、アニサキス症の新治療法の研究成果を2月6日、仙台市で開かれる日本消化器病学会東北支部例会で発表する。これまでの内視鏡手術に代わり、内服薬を処方する治療で患者の身体的、経済的負担を減らせる。山本医師は「20年間で200症例の治療を積み上げた。気仙沼方式として全国に発信したい」と話している。

 アニサキス症はサンマやサバなどの海水魚を生で食べたとき、アニサキス類の寄生虫を一緒に摂取することで起きる。急激な腹痛、嘔吐(おうと)などの症状が多く、重い場合はまれに死に至るケースもある。

 寄生虫が胃や小腸の粘膜に侵入する時の刺激によって発症するとされる。一般的な治療としては痛みを抑える抗コリン薬、炎症を抑えるステロイドを投与後、内視鏡で虫を摘出する内視鏡手術が採用されている。

 山本医師は長年の治療経験から「アニサキス症は虫が出す有毒な分泌物が原因のアレルギー症状」と考え、じんましん治療と同じ抗アレルギー剤をステロイドとともに投与する方法を試みた。

 大島医院でも2007年の赴任以来、年間約10人を診察し、虫が患部から消えることを確かめた。この方法で治療した症例は大島赴任以前も含めて200以上に及び、患者はすべて短期間で症状が改善したという。

 抗アレルギー剤を投与する方法は体への負担が少ない。外来治療で済み、医療費も従来の10分の1に抑えられる。

 この治療を始めたのは20年前に北海道の勤務地で、「アニサキス症はアレルギーのある型」との論文を目にしたのがきっかけ。昔の医師もじんましん療法を行っていたことが分かった。

 山本医師は「内科療法でも十分に虫が排出されることを示す」と指摘。新治療法の本格的な研究がアニサキス症予防につながることに期待を寄せている。

最終更新:1月18日6時12分

河北新報

 

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