突撃取材や辛口コメントでお茶の間を沸かせたミッキーさんが逝った。
ミッキーさんのレギュラーラジオ番組5本すべての代役を務めた長男でラジオパーソナリティーのマット安川(37)はこの日、ラジオ日本「ミッキー安川のオレンジマンデー」(月曜後11・30)の生放送に出演し、沈んだ声でリスナーに詳細を報告した。
それによると、ミッキーさんは先月20日に風邪で別のラジオ番組を欠席。23日のディナーショーには出演予定だったが、さらに体調を悪化させ、意識もうろうに。救急車で病院に搬送された。
検査で肺炎と診断され、医師に「もって3、4日」と家族に死を覚悟するよう告げられた。ミッキーさんは強靱な精神力で病と闘い、2度訪れた“峠”を乗り越えたが、この日、3度目は乗り越えることができず、妻の昌子さん、マット、長女に看取られ、静かに息を引き取ったという。
ミッキーさん抜きで行われた23日のショー後、駆けつけたスタッフに「皆様にお礼状を…頼むな」と告げたのが最期の言葉だった。臨終に立ち会ったマットは「本当に見たこともない、いい達成感のある顔をしていました」と振り返った。
生前のミッキーさんは俳優、司会などマルチに活動。東京12チャンネル(現テレビ東京)の人気番組「TVフォーカス」では、事件現場へすぐに直行して取材する名物リポーターとして活躍し、“取材のミッキー”と呼ばれた。なかでも有名なのが、ロス疑惑事件で渦中の人となった故三浦和義さんを執拗な取材で怒らせ、バケツで水をかけられたエピソード。
ほかにも、ヤミ金融の杉山グループ会長に取材で詰め寄り、「金が欲しいんだろ!」と札束を投げつけられたり、酒席で口論になった力道山さんに白いキャデラックで追いかけ回されたりするなど、“武勇伝”は数多い。
番組後、会見したマットは「父にはいろんな肩書きがあったけど、職業が“ミッキー安川”だったと思う。いろんな人に気を使った人なので気を使わずに眠ってほしい」と天国に呼びかけた。
最近も、ラジオ番組で政治家や評論家相手に毒舌を繰り広げていたミッキーさん。あの声は、もう聴けない−。