芦毛の馬体が大外から鮮やかに突き抜けた。5歳牝馬のメイショウベルーガが直線で牡馬のライバルたちをなで切り。重賞初Vをつかみとった。
「強かったですね。道中もリズムよく走れたし、直線に向いたときは全部かわせるんじゃないかと思いました」。池添謙一騎手は10日のGIIIシンザン記念(ガルボ)に次ぎ、2週連続重賞V。有馬記念をドリームジャーニーで制してからノリに乗る笑顔が弾けた。
最後方から直線でゴーサインを出すと、メンバー最速の上がり3ハロン34秒9の末脚で一気に前を飲み込んだ。ラスト200メートルで先頭に立ち、2着に3馬身差の圧勝劇だ。「抜け出すのが早すぎてフワフワしたけど、抜け出す脚は力強かった」と池添は納得の表情だ。
父の池添兼雄調教師とのタッグでは、06年GIIIファルコンSのタガノバスティーユ以来となる重賞5勝目。「鮮やかに勝ってくれましたね。この馬はどこかで勝てると思っていた」と池添師は目を細める。次走は未定も、牡馬相手の横綱相撲で天皇賞・春(5月2日、京都、GI、芝3200メートル)も選択肢に入ってきた。さらなる飛躍の春は、もうすぐそこだ。(渡部陽之助)