●小宮、田原に続いて鳥越俊太郎、みのもんた、林家正蔵もリスト入り
鳩山内閣で評判の“事業仕分け”がテレビ界でも行われている。昨年末、小宮悦子が12年もキャスターを務めた「スーパーJチャンネル」(テレビ朝日)からの降板が決まったが、すべてこの“事業仕分け”作業の一環だったという。
「番組プロデューサーが幹部の前で制作費の妥当性を訴えるのですが、幹部が重視するのは視聴率と出演ギャラ。つまりコストパフォーマンス(CP)が見合っているかが徹底的にチェックされます。物言いが付けば制作費を削らなければならない」(事情通)
テレ朝は情報番組のテコ入れを春の編成で大々的に行う。注目はキャスターの面々だ。
「田原総一朗が『サンデープロジェクト』を降板するのも仕分けされた結果です。また、視聴率とギャラを徹底的に比較して危ないといわれているのが鳥越俊太郎。現状維持なのは『報道ステーション』で、古舘伊知郎はギャラは高いけど視聴率を取っているというのが理由です」(関係者)
キー局下位が指定席のTBSでは「総力報道!THE NEWS」の小林麻耶は春以降局内で引き取り手はない。視聴率が低迷している「みのもんたの朝ズバッ!」や「ひるおび!」の恵俊彰も仕分けの対象という。
フジテレビは「スパイスTVどーも☆キニナル!」の林家正蔵がリスト入り。
こんな仕分けに応じてもらった司会者が流れる先はBSだ。元フジの八木亜希子や徳光和夫はBSのレギュラーを持っているし、小宮もBS朝日の枠が用意されているといわれている。ギャラは地上波の3分の1以下ということだが。
ただし、これらムダの排除のみを訴える“仕分け”に対して、「テレビがますますツマらなくなる」と老舗制作会社の幹部が警告を発する。
「クリエーティブな現場ですべてを足し算、引き算で考えるのはむちゃな話です。現場が萎縮(いしゅく)してしまう。テレビの魅力はCPで測れない面白さだから、民主党のマネをして仕分けなんて始めたらそれこそ自殺行為です」
それでも、いらないキャスター、番組があるのは確かだ。
(日刊ゲンダイ2010年1月14日掲載)