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国民読書年 読めば世界が広がる(1月12日付)

 ことし2010年は「国民読書年」だ。活字離れを深刻に受け止め、読書への関心を取り戻そうと、08年6月に衆参両院で決議された。自治体が新成人に本を贈るなど、全国でさまざまな催しが企画されている。本はわれわれの想像力を刺激し、世界を広げてくれる。この機会に本と親しむ時間を増やしたい。


 かつて本が最大の楽しみだった時代には、書店に文学全集が並び、国内作家では夏目漱石、芥川龍之介、谷崎潤一郎らが国民的人気作家として好んで読まれた。外国作家ではヘミングウェー、シェークスピア、ゲーテ、トルストイ、ドストエフスキーらの作品が、学生にとっては必読の書であった。


 ところが、テレビドラマや映画、漫画などが全盛となり、活字文化は次第にしぼんでいった。大学では文学部の学生が少なくなり、書店では文学書よりもビジネス関連の実用書がなどが棚を占めるようになった。


 活字文化は身に付けても、すぐに経済的効果があるわけではない。どちらかといえば無駄に近いものである。しかし、長い人生で考えると、楽しみや喜びを倍にし、悲しみをやわらげる効果がある。夏目漱石や太宰治の主人公の苦難や悲しみを経験することが、実人生の悲しい出来事の予防薬となる。


 小説や随筆を通してさまざまな成長物語に接したり、さまざまな感情を追体験することは、子どもや若者の精神形成において必要なことだ。国民読書年が若者の活字離れを食い止めるスタートの年になればうれしい。


 昨年7月、出版文化産業振興財団(JPIC)が国民読書年に向けて中学、高校生1239人と成人1550人を対象に「現代人の読書実態調査」を行った。それによると1カ月に読む冊数は、1冊が29%と最多。次は0冊の23%だった。半数以上が1冊読むか読まないかというのは情けない。週に1冊、月4冊は読むようにしたい。


 世代別に見ると、1カ月間でもっとも読書量が少ないのは30代だった。働き盛りで仕事が忙しいことは想像できるが、読書は未来の自分への投資である。もっとも吸収力旺盛な時だからこそ、時間をつくり出して本を自分の血と肉にしてほしい。


 「読書しない理由」で成人のトップは「仕事、家事、勉強が忙しくて読む時間がない」の38%だった。これは理解できる。しかし、中高生で「本を読まなくても不便はない」が半数以上でトップなのにはがく然とする。確かに不便はないだろうが、若い時には自分を磨く意欲がもっと必要ではないだろうか。


 JPICはことし、千葉県袖ヶ浦市など4カ所の自治体の成人式で新成人に1冊の本を贈る運動を行った。「20歳の20冊」と題し、ファッションモデルの杏さん、俳優の児玉清さんら6人が若者の道しるべとなる本を選んだ。佐藤多佳子「しゃべれどもしゃべれども」、福岡伸一「生物と無生物のあいだ」、藤沢周平「蝉しぐれ」などだ。


 本と幸福な出合いをすれば、読書は習慣になる。読書を強制すると本嫌いになる。根気よく本と接する機会をつくっていきたい。本を読めば親子や友人との会話の話題も広がる。(園田 寛)

【最近の論説】
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