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病院耐震化率/揺れに耐える院内整備急げ(1月9日付)
県内病院のうち、施設内のすべての建物が、震度6強以上の大規模地震に対する耐震安全性の基準を満たしていたのは43.5%と、全国ワースト3の低さだったことが、厚生労働省の調査で明らかになった。
地域が被害を被れば医療機関は救急診療などの拠点にもなるが、県内の災害拠点病院や救命救急センター8病院のうち、すべての基準を満たしていたのは4病院だけだった。
受診中や入院中に病院が大きな地震に襲われれば、患者は体調がままならないだけに不安も募ろう。宮城県沖などに地震の巣があることを考えると、耐震化の遅れは好ましくない。未整備の病院は耐震化に早く踏み出してもらいたい。
調査は昨年1月から8月にかけ、都道府県を通して実施。全国約8600病院から回答があった。本県では調査当時の県内全145病院のうち、138病院から回答があった。
県内では、すべての建物が耐震安全性基準を満たしていたのは60病院にすぎなかった。「一部の建物で耐震基準を満たしている」は54病院(39.1%)、一方で、「すべての建物に耐震性がない」も2病院あった。これらの病院のうち「震度6強程度で倒壊・崩壊する危険性が高い建物がある」と回答したのが3病院あった。また、「建物の耐震性が不明」としたのも22病院あった。
全国でも耐震基準を満たしていたのは、56.2%にとどまった。また、約600施設ある全国の災害拠点病院や救命救急センターのうち、基準を満たさない建物は35.5%と、4割近くあった。
気象庁によると、今回の調査で想定された震度のうち6強では、傾いたり倒れたりする耐震性の低い木造建築物が多くなり、大規模な地滑りなどが起きることがあるとする。
最近では、2008年6月の岩手・宮城内陸部地震、07年7月の新潟県中越沖地震、同3月の能登半島地震がある。いずれも震災の記憶が新しいだけに、病院の耐震化率の低さはやはり心もとない。病院の施設が地震で被害を受ければ、負傷者の手当てにも支障が出ることになるのだから、地震対策にも力を入れてもらいたい。
病院ばかりでなく、自治体が地域防災計画で防災拠点に指定する小中学校や庁舎など公共施設の耐震化率も伸びない。総務省消防庁が昨年9月に発表した08年度末時点での調査結果では、本県の防災拠点4062棟のうち、耐震化率は57.7%。全国の65.8%よりも低かった。
犠牲者が6000人を超した阪神大震災から17日で15年。県や市町村などでつくる県耐震化・リフォーム等推進協議会のアンケート調査では、本県で大地震が起こると思っている県民は全体のわずか37%。地域や家庭でも震災への備えを怠れない。
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