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小沢氏聴取へ/またしても裏切られるとは(1月8日付)
小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」が2004年の土地取引に充てた資金の流れをめぐり、東京地検特捜部は小沢氏本人から任意で事情を聴く方針を固めた。小沢氏は応じる意向という。どのような説明をするか注目されるが、政権党の「最高権力者」聴取であり、通常国会での予算案審議への影響は避けられそうにない。
西松建設の献金と知りながら、ダミーの政治団体を寄付者にし陸山会の収支報告書などに虚偽記載したとして昨年3月、政治資金規正法違反で公設秘書を逮捕・起訴した際、検察は小沢氏の聴取を見送った。規正法上の監督責任を問えないと判断したとされるが、政権をうかがう野党第1党の党首を相手に慎重に構えたことも否定できない。
だが今回は状況が違う。陸山会の土地購入に充てられた4億円をはじめ計8億円以上の出し入れを収支報告書に記載しなかった規正法違反の疑いが持たれている元秘書の石川知裕衆院議員らの聴取から、購入の指示や資金調達で小沢氏本人の関与が浮かび上がった。
しかも、単なる「不記載」で片付けるにはカネの流れがあまりにも不可解、不透明で、検察が小沢氏の説明が不可欠と判断したのは当然だ。捜査を尽くしてほしい。小沢氏には、検察に、そして国民に対し、丁寧に説明することを求めたい。
西松事件で公設秘書が逮捕された時、小沢氏は自らの政治資金について「すべて法にのっとって報告しオープンにしている」と胸を張り、透明性を強調した。その上で、寄付者も献金額もちゃんと記載しているのに、本当の寄付者ではないと「こじつけたような理由」で摘発したと検察批判を展開した。では、土地購入資金はどうなのか。
石川氏は検察に、購入資金の入出金を収支報告書に記載しなかったことを認めている。「単純ミス」だそうで小沢氏側から出たコメントもそうなっている。しかし土地購入に絡むカネの流れはとても単純といえるものではない。どう見てもカネの出所を隠そうとしたとしか思えない。
さらに石川氏は関係者に「小沢氏と直接、電話やメモでやりとりすることもあった」と話していたという。具体的にどんなやりとりをしたのか。そして、最も肝心なことだが、石川氏に渡した4億円はどういうカネなのか。建設会社が小沢氏側に1億円の裏献金を渡したとの疑惑まである。はっきりさせてほしい。
鳩山由紀夫首相の偽装献金問題もあり「政治とカネ」の問題が尾を引いている。小沢氏が語ることなしにそれが収束に向かうことはない。捜査はヤマ場を迎えたが、明確な説明責任を果たさなければ鳩山政権の信頼はさらに失墜しよう。その政治責任はあまりに重大である。
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