中国新聞オンライン
中国新聞 購読・試読のお申し込み
サイト内検索

小沢氏側に強制捜査 「4億円」の徹底解明を '10/1/15

 小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入問題をめぐり、東京地検特捜部は関係先の強制捜査に踏み切った。

 地検は元秘書の石川知裕衆院議員を任意で再聴取。家宅捜索は陸山会や小沢氏、石川氏の事務所などのほかに大手ゼネコンの鹿島本社にも及んだ。

 捜査の焦点は、秘書寮用地を購入した原資4億円の出所である。小沢氏は「国民に誤解を与えた」と陳謝しながらも「法に触れるようなことをしたつもりはない」と強調。会見でも「捜査中」を理由に質問には一切答えなかった。何が誤解なのか説明すべきだ。

 陸山会の会計事務担当だった石川氏は、地検に対し、小沢氏から個人資金4億円を受け取って購入資金に充てたが、単純ミスで収支報告書に記載しなかった―と説明しているという。

 だが、さまざまな疑問が浮かび上がっている。小沢氏側は、陸山会の定期預金を担保にし、金融機関から融資を受けたと説明した。ところが、土地代金の支払いが済んだ後に融資を組んでいた。さらに、小沢氏の個人預金が複数の口座を経由して陸山会の特定口座に集約され、複雑で不自然な資金移動を繰り返していた。

 4億円はいったいどういうカネだったのか。地検は小沢氏の個人資金を隠すためのダミーとみて、ゼネコンも対象にした異例の大規模捜索をしたようだ。

 鹿島は、小沢氏の地元・岩手県で胆沢ダムの工事を受注。その下請けの水谷建設(三重県桑名市)の関係者は「参入目的で現金5千万円を秘書の石川氏に渡した」と供述しているという。土地購入時期とも重なる。

 小沢氏の政治資金をめぐっては、西松建設の巨額献金事件で公設秘書の大久保隆規被告が政治資金規正法違反に問われて公判中だ。検察側は、岩手県では小沢氏の事務所が公共事業での影響力を背景に政治資金を集めてきた、としている。

 地検は小沢氏に参考人聴取を要請しているが、応じていない。こうした非協力的な対応が強制捜査の背景にあるようだ。疑問を明らかにするためには聴取が欠かせない。最大の実力者であるからこそ、謙虚な姿勢が望まれる。

 政治資金について小沢氏は「すべてオープンにしている」と主張しているが、不透明さは増すばかりだ。共同通信の世論調査では、小沢氏が説明不足と感じる国民は85%に上った。説明責任を果たさない限り、国民の理解は得られないことを肝に銘じてほしい。

 18日から始まる通常国会では、鳩山由紀夫首相と小沢幹事長の「カネの問題」が焦点の一つとなる。自民党は小沢氏の辞職勧告決議案の提出を検討するなど徹底追及の構えだ。気になるのは、民主党の中から疑惑解明の声が大きくならないことである。捜査の進展によっては、幹事長の進退問題にもなる可能性があろう。自浄能力がなければ、政権交代をした党に対する期待もしぼんでしまう。




MenuTopBackNextLast
安全安心