「女性が女性であるだけの理由で社会生活上、我慢を強いられるいわれはない」との理念で、男女共同参画社会基本法が1999年に制定されてから10年以上になる。だが、現状はまだ理念に程遠いと言わざるをえない。
本紙加盟の日本世論調査会が昨年12月に行った全国調査で「望ましい働き方」を聞いたところ、夫婦とも仕事を持ち、家事・育児を分かち合う生き方を63%が支持したにもかかわらず、「男女の地位は平等か」の問いでは否定的な回答が多かった。
「男性優遇」の理由として「社会通念やしきたり」を挙げた回答者が過半数を占めた。特に女性からの指摘が目立った。
だが、一昔前にいわれた「夫は仕事、妻は家事・育児」的な通念は共働き世帯が増えた今日通用しない。家庭、職場を含めた社会全体で因習を打破していくことがあらためて求められている。
女性が増えてほしい職業の設問では、上位に国会議員(45%)と医師(42%)が挙げられた。
女性首相実現の可能性についても20年以内に誕生すると考える人がほぼ半数に上る。
ただ指摘しておきたいのは女性首相誕生の第一歩となる女性国会議員の比率だ。国会議員間の国際交流などを進める列国議会同盟のまとめでは、衆議院に当たる議会の女性議員比率で日本は187カ国中96位。先進国の中で最下位である。女性が進出できる土壌づくりを一層進めなければならない。
就いてほしい職業の上位にランクされた医師では、仕事を継続していけるシステムづくりが不可欠になる。医師不足に悩む医療現場では結婚・出産を機に職場を離れた女性医師や看護師の活用が求められているだけに、なおさらだ。
少子化の進展などから働き手が少なくなる社会の中で、医療現場に代表されるように女性の果たす役割は今後ますます増大する。
男女共同参画社会基本法は前文で「男女が性別にかかわりなく責任を分かち合い、その個性と能力を十分に発揮できる社会の実現」を唱え、21世紀の最重要課題と位置付けている。
クリアすべき問題は多いが、まずは国民一人一人の意識変革が重要だ。同時に、国をはじめとする行政側は女性が働きやすい環境整備に最大限の力を注いでほしい。
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