ワゴン車に向かう仲間の男。この後、トランクからバンドを取り出した=大阪市浪速区、駐車場運営会社提供
精算機にバンドを巻き付けようとする男=大阪市浪速区、駐車場運営会社提供
精算機に巻いたバンドを固定する男=大阪市浪速区、駐車場運営会社提供
精算機が盗まれ土台だけが残った=大阪市浪速区、駐車場運営会社提供
これまで精算機荒らしは、現場で工具を使って中から現金を抜き出すなどの手法が大半だった。府警幹部は「現場にとどまる時間を短くするために、大きな音が出て目立つリスクも顧みない非常に荒っぽい手口だ」と話す。
被害は1件あたり約3万〜約40万円で、累計は約200万円。業界関係者によると、神戸市内の駐車場などからも被害の報告があるという。
納入先の駐車場で数台の被害があったという精算機メーカーによると、重さ200キロを超える大型でなく、スリムな型の精算機に被害が多い。メーカーの社長は「少しでも駐車スペースを多く取れるよう、4年ほど前からスリム型が人気になった。犯人グループはそこに目をつけたのだろう」と話す。
府警は、被害が多発している地域を中心に、コインパーキングを重点的に巡回するなどして警戒を強めている。だが、犯行時間が短いことや、経費を抑えるために防犯カメラを設置していない駐車場も多いことなどから、有力な目撃証言や手がかりはつかめていないという。
業界では大手精算機メーカーが昨年12月14日、「こまめに現金を取り出すように」と注意を呼びかけるファクスを駐車場運営会社に送った。大阪市内のある警備会社は、顧客の駐車場運営会社に防犯カメラの設置を求めている。
だが、ある業界関係者は「精算機を覆うプロテクターをつけるなどの対策もあるが、防犯に経費をかけるのは割に合わないと考える経営者は少なくない」と話す。(市原研吾)