ゲームプログラマの恋愛工学と金儲け

某外資系大手ゲームメーカーチーフプログラマが、主に「恋愛工学」と、金を産む最先端技術を暴露する。

外資系ゲームプログラマが予測する。グランツーリスモ5に何があった?

 自身のブログにおて2度目の炎上を招いたウッカりゲームプログラマ、モリサコです。皆さんこんばんは。2度の炎上を経て、なんと日々のユニークアクセス数平均の桁が変わる程にご覧頂いている方が増えた。身の引き締まる思いですが、ますます毒を吐いていくつもりです。

 まずは少々雑談であるのだが、我々の「公式な」情報網について少しだけ雰囲気をお伝えしよう。
以下、単純なハードウェア販売台数の話ではない。メーカーとして各社が持っている各社なりの売り上げ高や、ユーザーの視線分析法に基づいた、俺と俺の組織が割り出しているデータの話である事を前置かせて頂こう。
 国内では360買い控えや売却が本当に多いな。海外では本当に強い360なのは勿論なのだけれども、最近は棲み分けが進んでいるという事なのであろう。PS3は海外において弱いという感もないのだが、360程の勢いはない。反面国内も順調だ。
Wiiは世界各国相手に相変わらずまんべんなく強い。DSもな。PSPは偏りが見え始めているかな。国内では強いのだけれどもな。

 まああんまり過剰に隠す必要も無い程度には業界において当たり前の事ではあるのだが、こういった情報を通常我々はとある機関を通じて「買って」いる。企業としては大した金額では無いのだが、個人レベルからするとビックリする程の金額は出している。まあ、毎月軽自動車一台買っている様な金額では一応あるな。
 世界中のソフトやハードの売り上げなんかのかなり込み入った情報がそれこそ問屋レベルから落ちてくるわけだ。ごまかし一切無しの「1本単位」まで正確な情報があるのだ。
 これよりも精度の酷く低い、だけれども安い情報等が流れ流れて個人大手速報サイトなんかに辿り着くわけではあるが、近年はその安い情報にも妙に説得力が有るところが面白いな。



 1月7日でのエントリー「一言雑談。」において、PS3期待作「グランツーリスモ5」について、とある情報が入ったと臭わせて久しい。

 先日、3月の発売が電撃的に決まり、そしてまたいきなりの延期が発表されたGT5である。3月発売は少なくともウチ組織における情報網では読めなかったのではあるが、それ以前に俺個人のチャンネルには気になる情報が入っていた。

 これを軽くエントリーしようと思っていたのだ。
 まあ該当blogエントリーにて記していた通り、そう大した話でもないのかなと紹介は保留していた。このエントリーの段階において得ていた情報から整理しよう。

一応念を押しておくが機密違反になる様な事では無い。これらの情報は上記の通り俺の組織とは一切関係なく、完全に俺の個人チャンネルであり、噂レベルの話だと割り切って欲しい。少なくとも守秘義務の完全なる守備範囲外だ。モラルの問題はあるけれどもな。

 1月7日時点で俺のチャンネルに入ってきていた情報、それはこんな感じだ。

 何年にも渡って発売が延期されているGT5。その理由はその噂以前に明らかである。要するにGT5ホイホイなのだ。サードパーティーに充分な力が付くまでは、安易にGT5を発売してしまってはユーザーさんの未来の楽しみが無くなってしまう。ここは断言して良い気もするのだが、SCEはほぼ確実に意図的にGT5発売を抑えている。

 その上で、俺のこの推理を裏付ける様な話が入ってきた。

一つ、まずGT5は既にデバッグも含め開発は完了しているのかもしれない。しかもかなり早い段階で。SCEが外部デバッグ会社を使う筈もないので、これが本当ならば内部からのリークかもしれない。スタッフ多そうだからなぁ。話題として魅力が無いので世間には広まらなかったのであろうが、俺の大切な情報源かつ親友である、とある外国人ゲームジャーナリストからの情報だ。ヤツは本当に凄い。ほんと、どっからそんな話持ってくるんだよって話が多い。勿論俺とはギリギリのラインで情報取引している。俺も出せるギリギリまで出してるな・・・。

 そしてこれは序盤ネタなのであるが、1月7日の時点でこの彼から得た情報はもう一つ。こちらが大事だ。
「もしかしたら春頃に出してくるかもしれないが、恐らくは年内一杯ひっぱるであろう。」もの凄く簡単に要約すれば、大凡この様な内容だ。
ここまでの自分なりに得たパーツパーツそれぞれ関連のない情報でも、それを噛み砕いていけば、なるほどSCEではこの二択勢力が争っているのが良く判る。今回の延期でそれがハッキリした。要するに、今GT5を放ってしまっては空白期間が出来てしまうのであろう。という事は反面、年内のどこか来年なのかは判らないがGT5が出た時点からは充実したラインナップがあるのかもしれないな。そこまではGT5出る出る営業を続けなければならない。もうこれは仕方が無いか。

 1月7日に得た情報から、大凡ほぼ予想通りの展開になってきている。
これはつまり、GT5がそれほどまでに凄まじい大作である事を意味している可能性が高いであろう。もはや開発終了、クオリティ云々の問題ではない。GT5は純然たる営業ツールとして使われすぎているな。

 まあ、こういうのって開発者は可哀想だな。。。その素晴らしい自信作を早くユーザーさんに遊んで貰いたいのにな。。。
 でもまあ許してやって下さい。メーカーにも悪は無い。競争激しいマーケットにおいて生き残っていくためには、こういう小ずるい事も必要になってくるわな。

 

 先日の体験版(?)、フェアレディZが延々とサーキットを走れるタイムアタック版なのか何だか知らないが、あの無料のGT5体験版。

 あの酷いクオリティに騙されるなよミンナ?
俺は、プレイしながら笑ってしまったわ。むしろ涙が出てきそうな気持ちであった。

GT5があんなワケねーだろ!w
あれは政治的な理由で開発者が無理な要望を上から呑まされた、一発投げ捨てビルドである点は明らかだ。やっているこっちも苦笑いだ。ステアリング操作しながら涙が出そうであったわ。「GT5チームの皆さん、オツカレッッス!!!」とかそんな気持ちだわ。。
 本当に、開発者が開発に注いだ力、これがそのままユーザーさんに届く時代になれば良いのにな。。。

 資本主義社会は、やはり酷くままならない。。。
(と言って別に共産主義者でも無いけれどな。)

 

(Jan-18 2:28 以下に別途テキストメモまで貼られていた、お恥ずかしい^^;) 

 

業界人として、「一般」PS3ユーザーさんへ。真剣に素でフォローする

 以前のエントリー「ゲームプログラマ偽ライブ中継コメント返信マラソン、その2」において下記の様に綴ってみたところ、大手個人ゲーム速報サイトに載り沢山の人の目に止まった様だ。

 これにより2ちゃん等においては、どうやら俺が「アンチPS3で360信者」とかいう全くワケの判らない事になっている様だが、始めは2ちゃんの板「ゲハ」で常時見られるハードウェア罵り合い論争に巻き込まれているだけなのであろうと楽観し、余り気にはしていなかった。


 しかし本日。
今日は時間が在ったので100以上のコメントをどうにか全てじっくり読む事が出来た。今週は流し読みしか出来ていなかったものでモヤモヤしていたのだ。
 その上で頂いたコメントをじっくり読んでみれば、「貴方の態度は純粋なPS3ファンを傷つけている」との解釈に至る幾つかのご意見を確認しハッと我に返った。

なるほど、本当にそうだな。パッと読めば確かにPS3と一般PS3ユーザーさんを全否定している様にしか見えないな。。
これは俺の書き方が悪かった。これは申し訳無かった。


さて、
自分の文章であるが、一度該当部分を引用してみよう。

----->
しかしPS3ってのは「遣り甲斐のあるハード」ではありません。単純に生産性におとる面倒くさいだけのハードなのです。これは断言しますし世界中のプログラマが感じている事でありましょう。当たり前の事が当たり前に出来ないのです。
 俺個人もこういうクセのあるハードウェアは元来嫌いではありません。ありませんが限度がありますね。結局はこのエゴの固まりを楽しいとは思えませんでした。一応、この難物を制する為のスキルストックは俺個人は元より俺の組織も制したと言って良いでしょう。なんともつまならない行程でありましたが、こいつはもういいのです。判ったので。今ではもう360の足を引っ張らない様に世界中が動いている事でしょう。生まれたときから足枷なのですね。残念なハードなのです。
<-----

 このblogの元々の性質や俺がいつも書いていること、加えて引用部分の文面から暗に伝わるであろうと軽く考えていたが、思いっきり言葉が足りなかった様だ。
どこか「業界人向けblog」気取りになっていたのであろうな。ごめんなさい。

 これは、PS3の性能をコキおろしているのでは決して無い。
むしろ、「秘めたポテンシャル」という意味においては、PS3は現行文句なく最強機であろう。

 ただしそれを完全に引き出すためにはアムロ並のパイロットが必要とされているのではある。そういう話だ。
開発者として、ハードウェアの構成のされ方や、開発環境や開発の複雑さ、あの記事は我々が我々目線に立った際に感じられる、生産性が犠牲になりかねないアーキテクチャについて言及しているのであって、PS3という商品の価値の高さにはなんら異論は無い。
というか、このblogではそういった開発者目線での記事しか存在しない筈だ
PS3を購入したユーザーさん達がガッカリする様な事を書くつもりはなかったし、PS3ユーザーさん達がガッカリする必要など何処にもない。それは以下の段落において記したよ。
 前回は単純に技術者としての開発効率の話を、同業者向けに軽く数行書いたつもりではあったのだが、配慮に激しく欠けているな。これは本当に反省しています。ごめんなさい。

 この立場を公言した上でblogを書いている以上、特定のハードウェアを極端にネガティブ扱いする事は有り得ない。開発者の信条として作りやすい、作りづらい、勘弁してくれ、こんな本音は変わらずに並べていくつもりではあるが、それは勿論「貴方」の持っているハードウェアの「価値」を否定しているのでは決して無い。あくまでも我々の気苦労などの話を面白おかしく書いているのだと思って欲しい。
 我々にどれほど気苦労があったとしても、それがどうにか商品として形になり、ユーザーさん達の手元に届いたその時に、みなの不利益にならない様努力しているのは俺だけでは勿論なく業界皆同じだ。
 俺は業界人としてその過程における気苦労裏話等を、ゲームファンのみんなのプレイの傍らに、裏話としてもう一個楽しんで頂ければ嬉しいのだ。
同時に、業界人の皆さんにも共感や反論などを引き出せればという形で、話題を提供出来ればこれも嬉しい。


 前項にて各機種批判&未来予想を書くなどと宣っていたのは、ユーザーさんを傷つけているとのコメントを見落としていたからであり、これは一度自粛しよう。
俺がハードウェアを批判している時には、必ずその対象はその開発効率や設計思想に対してであり、「その機種の価値」では決して無い。
 「PS3での開発が楽しめない」と書いた事も、PS3の性能が低くてつまらないのではなく、効率が悪くなる要素があり開発者の効率として勘弁して欲しいという話題にこれまでも特化してきているつもりだ。
PS3の価値の高さは変わらない。PS3ユーザーさんは、PS3ユーザーである事をそのまま誇りに思ってもらいたい。今後においては、PS3惨敗なんていう極端なシナリオもまず有り得ない。(単一機種が勝者となってしまった場合の悲劇、これはもう一個エントリー組もうかな)
当blogの記事の半分を占めるであろうか、全段落後者の業界人仲間に対するツィート感覚に分類される記事であるのだ。

 我々にとっては仕事であるので、効率が良かろう悪かろうがもちろんキッチリやっていくのは当たり前だ。そんな事情に関わらず、開発過程におけるイチ技術者の心情はどうあれ、我々はこれからもPS3に意欲的だ。業界的にも360とのシェア争いは激しくなっていくであろうが、PS3から撤退するなんて事をジャッジ出来る会社はそうは居ない。
 そして、我々の開発工程の一部が楽しかろう楽しくなかろうが、ユーザーさんの元に手を抜いたモノが届く様な事は決して無い。
ほんと、このblogはイチ開発者の呟きであると思って貰えれば幸いだ。


 ふぅ。


 しかし、2ちゃん等では散々叩かれている様であるが、俺が360信者だとかの話は本当にバカバカしいな。
今回の炎上では元探しのつもりでちょと覗いたが、流石に2ちゃんのスレッド深部にまでは足を運んではいない(何か2つ位あった気がするが・・・)
まず、俺個人はどの機種の信者でも無いし、どの機種のアンチでも勿論ない。プライベートは元より、公人としてもだ。
いい大人がPS3最高!360最高!信者だのアンチだのに留まらず、ゴキブリだの豚だの、、、ホントどうなんだろうと思って苦笑いの上でスルーしていたが、業界人発言としてPS3ユーザーさんを傷つけてしまっている事に気が付かずヌクヌクと静観していた事は本当に申し訳無い。
生み出された作品の故郷がPS3であろうとWiiであろうと、作品そのものに罪も何も無いわな。

 俺は特定の機種が好きであるというよりも、ゲームそのものが好きなのだと思う。ぶっちゃけ、現在販売されている主要なゲーム機は全て持っている。当然だ。
PS3なんて2台あるぞ。新PS3薄型が美しすぎて寝室用に買い増ししたのだ。寝る前の、ベッドで「ぽっちゃりプリンセス」10分だけプレイが最近の日課だ。
機種問わず、好きなゲームが発売された時に、ハードを持っていないから出来ない、その様な趣味の機会損失を無くしたい為だ。業界人仲間でも全機種コンプリートは多く居る方ではないが、俺は「ゲーム」が好きなのだから仕方無い。っても、忙しい事もあり月間何本もソフトを買って遊べる程ではないのだけれどさ。


据え置き機3機種について個人的ランキングを作成してみよう。
ジャンル別に2種類設けてみた。


 「ユーザー目線」としての好み

3位は360だな。
単純に好みのゲームが少ないのが問題だな。俺は外資系だからといって洋ゲーを溺愛しているワケではない。洋ゲーも好きだけれどね。やっぱ日本人なのでプライベートで遊ぶゲームは国産がとても多い。
あと、すぐ壊れる。ホントこれは勘弁して欲しい。冷静に思いだしてみれば、俺なんてもう本体買い替えたの3台目なんですけど・・・。昨年、このblogを開始した途端に2代目が突然のレッドリング。呪われているのかこのblogはと思ったのだけれども、新しく買った3台目の360は150Wの新基盤なので少し期待している。
なんか、書いていたらハラが立ってきたのだが、壊れない事を期待させる様なハードって訴訟レベルだろどう考えても・・・。
念をおしますが、これはイチユーザーとしての感想であり、業界人として360の性能が低いとか価値が低い等と書いているのではありません。

2位はWii。
俺の部屋へはよく友人連中を呼んで呑んだくれるのだけれども、大抵カップルで来るのだ。そういった場面におけるこのWiiはパーティグッズとしてのスキルが本当に高い。この分野においては現状世界最高機であろう。
 Wiiスポーツを一人で遊んでいるわけではないけれども、ミンナで遊ぶと本当に本当に楽しいなコレは。

1位はまあPS3だわな。
俺は外資系だとは言っても洋ゲー一辺倒では無い点は明記した通り。やはり、趣味の合うゲームは国産が多いな。加えてガワもカッコ良いしな。我が家では2台のPS3が輝いている。これは所有感であると言えるな。持っているだけで嬉しいブランド設計については流石だな。



「 開発者として」の個人ランキングなども置いて見よう

3位は堂々のPS3
まず、なんなんだあのターゲットマシンは。デバッガ起動も毎回これ何してるんだよって程待たされるし、何回かに一回はそのまま部分フリーズするし。デカくてファンがモータードライブの様に五月蠅いあのデカイ箱はまあいいんだけれども、なんか色々不便すぎないか・・・?
しかもさ、ちょっとこれは業界のミンナに聞きたいんだけれども、あれ無線パッドで開発出来るの?結線しないとパッド認識しなくない?常識? 俺だけなのかナーと思うと恥ずかしくて部下にも聞けていないw でも部下はミンナ結線してるんだよな。ミンナ同じ気持ちなのかな^^;
まあ、重要な部分開発している時にパッド電池切れで思考が中断されるのもイヤなので、個人的に常時結線は基本なのだけれどもさ。
ヘテロ思想に関するコメントがあったが、俺だって勿論その路線には賛成だ。というかこれからのコンピューティングにはヘテロか量子コンピューターしか道はないであろう。それはいいんだ。ただ、そのもう一歩先へ踏み出そうとして、踏み出し方を間違えたPS3アーキテクチャには疑問が残る。殆ど全ての開発者を苦しませてまでSPUローカルストレージ256(実質128)なんていう足枷を残されては、PS3の加速に時間がかかっている事も仕方有るまい。ところで「モリサコはEdgeを知らない」なんてコメントもあったが、Edge使わずにSPUなんて逆に凄くないか?^^; Edge無ければやってられませんよ。正直Edgeのこれからの化け具合とPS3の真の覚醒はリンクしていると思う。

2位はWii
なんというか、任天堂の超ヌクモリティ。
メーカーサポート体制は完璧だ。あんまり多くは書けないのだけれども、まあ当たり障りの無い様にユーザーさんに伝えるとすれば、Wiiを開発している全メーカーが参加出来るBBSの様なものがあると思って欲しい(実際には違う。ガッツリ本当の事を書いてはいけないので)。ここの主催者は任天堂の技術部門のチームで、疑問質問に片っ端から答えていく。ホント瞬殺的に解決していくのだ。これを見た時にはマジで感動した。

1位やはり360
ハードウェアがシンプルだ。コメント欄で派手に叩かれていたが別に俺はDirectX信者でもUnix音痴でも無い。もっと単純な問題だ。
このアーキテクチャを見てみろ。「俯瞰で見て」作りやすそうだ思わないか?どこか派手に悩まなければいけない部分が一つでもあるか??(vFetchは面倒だけどさ)
何か実装で困りそうなケースが想像出来るか?フルHD4倍アンチなら、何回resolveすればいいんだ、、とかそのくらいだろう。フルHD4倍アンチなんてタイトルがあったら笑うがw
そして、開発用ターゲットマシンの応答がとても良い。まるでPC内に存在しているかの様な素直な反応だ。PIXとの相性も抜群で、フレーム辺り数百万にも上るレンダリングフェイズ内コマンド群の中から、問題点をすぐに見つけ出すことが出来る。
 そしてこれもコメントにて頂いた批判だが、俺はDirectX信者では別に無い。無いが、DirectXスキルは当然持っている。世のプログラマにも多い共通点であると思うが、この親和が強い武器である事はやはり明確であろう。

 

 別にさ。どの機種がいいとか悪いとかというのは無い。ある意味おいて俺は全ての機種が好きだ。このblogではあまり触れていないが、携帯機はもっと好きだ。
前回の炎上にて初めて2ちゃんの「ゲハ板」という存在を知り、結構色々と見て回ったものだ。プロフェッショナルも相当に混じっていて、なんと熱いBBSなのだろうかと興奮したわ。日本にもこんなところがあるのかなと。
だけれども。
PS3vs360! 自分が贔屓にするハードウェアがある事は良い。寧ろ当然か。お互いの贔屓ハードの良い点をアピールし合う方達のやりとりはエキサイティングに読みふけってしまった。
しかし、自分の贔屓ではないハードの悪い点を探し合っているユーザーさんの姿は悲しいな。俺の立場としてユーザーさんのどの面をも否定する事は永遠に無いが、なんかあーゆーのは悲しい。ので、見なくなってしまったな。

  俺は業界人とは発展的な喧嘩ならばいくらでもするが、ユーザーさんを巻き込んではいけない。今回はもの凄い反省点だ。

 

----- 以下、私信失礼します。


>まるまるさん

いつも好意的なコメントを下さり黎明期からの読者さんである「まるまるさん」の一言、これが今回のコメント見直しのキッカケとなり、改めて自分の業界人としてのウッカリに気づかされました。
ハッと思い返し今回の炎上コメントを全て読み直しました。

 世の一般ユーザーの皆さん同様に、大切な読者さんである「まるまる」さんをもガッカリさせてしまいましたね。ごめんなさい。
俺なりの見解は示してみました。是非また遊びに来て下さいね。^^

>しんさん

最近どうですかー??
ブログ第一号読者さんといっても過言では無い俺の友人さんですからねー。コメント欄がちょっと混雑気味でしたら、雑談メールでも下さいねー^^

 

 (Jan-17 11:09 なんかちょっと言い回しがおかしかった箇所修正)


平和主義な現代ゲームプログラマが、ボヤ騒動中の自分blogへ油を垂らしてみる

 blogが気になっていたので急いで覗けば2度目の炎上。これ昨日の出来事。ビックリしてコメント全読みしましたよ。相変わらず言いたい放題言われているがw、2chのスレの中で書かれている事ならともかく、実際にこのblogのコメント欄に投稿頂いた内容に区別はない。嬉しかったり苦笑いだったり色々あるが、等しく大切なコメントです。ほんとに有り難う。

 過疎る位なら燃やしてしまいたい派、そんな派があるのかどうかはともかく、blogは読んで頂いてナンボ。(with no アフィ
流石に今回は数百件規模のコメントを一気に頂いたのでマラソン返信は無理ですが、良い刺激になっています。

 時系列的にもその他の意味においても最優先である業界志望学生さんへの返答、前回エントリー「業界人職業ゲームプログラマとして、未来在る一人の若者へ返信
にて記したが、今週はちと大切なこのblogを覗いている時間がなかなか作れなかったので、そちらのエントリーを優先させて頂いた。

 しかし、凄いアクセス数だなぁ。
またゲハ板かと思ったが コメント欄頂いた投稿に丹念に目を通すも、、なんだと?
国民オフィシャルblog「オレ的」に取り上げられているというか、晒されているでは無ですか。

 素直に有り難う。


 「PS3がクズ」、別に此処まで言っているつもりはあまり無いのだけれども、2ch系ユーザーさんからの激しい突撃もある様だし、次回のエントリーは「3機種の未来or末路」この可能性系でいこう。具体的には何度も書いているのだけれどもな・・・。
まあ、まとめ的に。


筆が乗るのは良いのだが、せっかく地道に書きためたその他のストック原稿はいつアップ出来るのやら・・・

 

 

業界人職業ゲームプログラマとして、未来在る一人の若者へ返信

 とある業界志望学生さんからの辛辣な相談事を頂いた。今週は少し時間が取れなかったので時間がかかってしまったが、俺なりの、と言うか俺のblogっぽい返答として一つエントリーを置かせて頂く。

 

 直接メールにてご質問頂いた、匿名希望さん。
何度かのやりとりの後、下記部分のみ引用及びエントリー化の許可を頂いたので、まずはご覧頂きたい。

----->
それでも、今もゲーム学校の仲間とは本当には気持ちが合いません。みんなのレベルが低いというのではなく、みんなおなじように同じ難しい勉強を協力しながら頑張ってます。
それは本当にそうなのですけれども、彼女との付き合いもとても大切だと考えています。それが課題制作のさまたげになっていることは理解しているつもりなのですが、上手にできません。僕レベルですが仲間内では技術に自信はあるつもりです。率いていくつもりです。ですが自分のやるべき課題がある時に限って難しい個人的な事態が起こったりもし、判断を誤る事が多いです。
出来れば一人で課題を作りたいと思う事すらあるのですが、それは身勝手だと判っています。仲間と一緒に集中したくとも出来ない事があり難しいです。
○モリサコ中略
モリサコさんは恋愛を上手にされているみたいですが、それでも何か勉強に集中するコツはありますか?
<-------

 

この上で更にもう一つ、最近頂いた別件コメント欄からも引用しよう。

>恋愛工学(笑)ってなんスか?


通常スルーせざるを得ないこの様な走り書きコメントであるが、冒頭匿名希望さんへの俺なりの返答作りとして有用なので挙げさせて頂いた。

まあ、まずはこの走り書きコメント様。

>恋愛工学(笑)ってなんスか?

良い感じで喧嘩売られてるw
技術ネタばかりでもつまらないし、本質的なエントリーへ展開し易かったので買ってみた。プライスレス。

 hmm。「恋愛工学」。
本blogのメインタイトルを飾る重要な語句だな。俺もコレを翳す際には流石に微妙に迷った。寒いかナとなw

 言葉そのものの意味として挙げるならばまあ、俺の様な博愛主義者が自身の情緒障害者ップリを自覚しながらも、一つ一つの出会いをマルチスレッドで大切にしようという、至極プログラマ的な恋愛工程学術であります。
あー、自分で書いていて吹き出したわ。
 無秩序な女遊びのみの下半身奴隷役は20代のバカに任せますが、同じバカなりにもう少しだけ大人になった第二形体について工学ぶった話を展開しているんですよ。結局は俺も勿論おんなじバカなんですけれどもね。
 要するにさ、恋愛も人生の一部。好きな人の笑顔の為に色々やれる事あんだろーとか言いつつ、その笑顔と一緒に自分も楽しめ。と、この様にスカしているのです。
 下半身主義を盲目的に翳す動物からはせめて卒業し、目の前の恋愛を大切にしようとしているエゴの話ですね。

 さて、煽りからはもう少しだけ発展させますが、本題としてゲームプログラマの恋愛事情について少し私見を。

 日本に限らないのだけれども、プログラマには内向的な方が多いな。以下はまあ俺個人の感じ方だと思うのだけれども、どんなに技術を突き詰めてもさ、恋愛がなかったら俺はやってらんないなー。原動力とまでは言わないけれども人生を一辺倒に展開する事は合理的では無いと俺は思う。
 恋愛うんぬんを抜きにしたとしてももう少し噛み砕いて、社交性へのアプローチすらも全うに行えない人間が酷く多いのも実際に事実なんだよな。24時間ゲーム技術の事を考えるのは20代の早い段階までに終わらせておくべきだ。そこを間違えてしまうと本当に大変なのだ。自分の人生の時間のほぼ全てを費やした結果培った技術であろうとも、もしもそのままのスタンスで30代にもなってくるとなれば、それだけでは社会的な武器には決してなり得ない。社交性0で無精でワケ分かんない格好をしている人間を対外的な立場や、統括的な場所に置くことなんて出来ないよ。「永遠の研究開発部平社員」これが末路なんだよ・・・。こんなんは欧米圏にも沢山居るけどな。

 むしろ外国人の部下からよく相談を受ける。国で人を区別するつもりは元来毛頭ない。あくまでも傾向としての話だが、彼等は自分達を所謂geekだと表現する。外国語としての「geek」、これを他人に称されている彼等の事情は、日本人が「オタク」と称されるのとはやや異なる。蔑みの意味の本質が異なるのだ。端的に表現するならば、より示威的であると言えるであろう。
日本人オタクさん達には思い切りの素晴らしい消費を顧みない現実があり、これはつまり産業の活性化だ。日本オタクさんのこの面は現実に世界のメーカーから注視されており、この激しい消費人口を各国が狙っている事は勿論明らかなのではあるが、日本のオタクさん達が産み出すクォリティーがあまりにも高すぎてと言うか崇高過ぎて世界中が手出しできない現状なのだ。これは、ある意味においては独占禁止法に触れる程の極端な事態であるにも関わらず、世界中のどの法を持ってしてもこれを裁けない。これは日本の「ユーザーさん達の」の勝利なのだ。(メーカーではない)

 俺や俺の組織においてはそのジャンルの仕事には知識が浅い点、これは俺達の勉強不足なのでこれ以上知ったかぶりになる様な物言いは控えるが、ともかく、産業として順調であったとしてもゲームプログラマとしてそれだけに特化していてはならないのではなかろうか。日々の生活が楽しく明るくなければ、人々を楽しませる発想なぞ生まれ様もない。機械的に綺麗なシェーダーを書けるだけでは、「ゲームを作っている」とは言えないであろう。

 ゲームプログラマとは元来、脳内にあるモヤモヤとしたこの楽しそうなアイディア!これを何よりも自分が遊びたいからゲームを作る。そして出来ればユーザーさんにも楽しさお裾分け。
言い過ぎでもなんでも良いが、このベースが無い人間は、単に職業量産プログラマである。彼等に工夫を期待することは出来ないのだ。「おもしろいゲームアイディア」とは、プランナーとプログラマー、その他の全てのセクションの努力の相互作用によって生み出されていくものだ。

 技術を磨く事はとても大切だ。しかしこれを「必須事項」と捉え、自分を無理に雁字搦めにする必要は全く無い。我々ゲームプログラマという職業はある意味においては特殊極まりないと言って良いであろう。「遊ぶ事を正しく感じる」こんな事を至上命題にされている職業はあまり存在しない。簡単に見えるからこそ難しい

しかし、如何に職業レベルの崇高さを語ってみたところで、実際に文字通り楽しめなければどうしようもないであろう。

ゲームプログラマを志す諸君。皆さんの心の中にあるそれぞれの形で良い。
是非とも、人生を各々の描く形で楽しんでくれ。
俺は「恋愛」という形を楽しんでいるのだ。それがゲームを生み出す原動力になっている。これは勿論「俺の」例に過ぎないが、皆さんは皆さんの形を見つけて出して欲しい。
それでこそユーザーさんに楽しんでもらえるアイディアが生まれてくるのだ。
まず自分が「楽しさ」の本質を知らなければならないぞ。

「苦しく長い難解な勉強」、大切なフェイズでは勿論ある。
が、これを超えた先に初めて「創造」が待っているのだ。
頑張って欲しい。


 冒頭、匿名希望さん。
貴方の事象に対し、「コレ」という返答はなかなか難しい。
若い方なのでありましょう。未来も自分形成もこれからの方ですね。
どうしろこうしろとは言えません。
「その場合はこうしなさい」。そんな、それっぽい事でお茶を濁したくはなかったもので、どうしても抽象的なエントリーになっていまいました。
その代りと言ってはなんですが、個人的な経験則を元に話題の食指となりそうな幾つかの触手を持って返答と返させて頂きました。
参考にして頂ければ幸いです。

まずは強い信念を築くことです。ある程度は柔軟でも構いませんので、まずはやるべき事にある程度の優先順位を定めてみては如何でしょうか。

 


あまりお役に立てていなく、ごめんなさいね。



ゲームプログラマ偽ライブ中継コメント返信マラソン、その5

ゲームプログラマ偽ライブ中継コメント返信マラソン、その5

マラソン更新中につき、前振りは割愛しております。
宜しければ、前項「ゲームプログラマ偽ライブ中継コメント返信マラソン、開幕」をご覧下さい。


 前項にてスポーツクラブへ暴れに行くと言い残したまま、すっかり行方不明になっていたモリサコです。皆様、こんにちは。いやホント遅筆で申し訳ありません。

 少し書きたいネタも溜まってきておりますモノで、まだ全て返信しきれておりませんが本エントリーを持ちましてコメント返信マラソンは一旦閉幕とさせて頂きますね。
沢山のコメント、本当にいつも有り難う御座います。


うーぱーるーぱーさん
------>以下、引用
改めて、あけましておめでとうございます。
この時期だと3月、4月発売の開発が大詰めに入ったところでしょうか?
お疲れ様です。
<------

 プラットホームにもよるのですけれども、プラットホームホルダーへの納品は発売の1ヶ月半~2ヶ月前位になるでしょう。ここからホルダーが最終デバッグを行い、大抵は修正必須バグが出て再提出、量産、発売という流れですね。
しかしくだんのGT5はホルダー内作でありますから事情が異なります。ロケットランチャー撃ち放題といったところでしょう。生産ライン割り込みなんざお手の物。下手をすれば2週間前納品なんて裏技も平気で繰り出します。よって、恐らくは3月に入る頃まで調整しているでしょうね。まあ、この時期の開発を「調整」と表現することはつまり、「バグが取れねぇorz」に同義ではありますが。

 

Tさん
------>以下、引用
以前はコメント返しありがとうございました。
読ませていただいているこちらとしては凄く楽しいのですがこんなにぶっちゃけてしまって大丈夫なんでしょうか…(汗)
それと質問なのですが任天堂の次世代機の話は以前出ましたがMSとSCEの次世代機の話ももう出てきているんですか?
もし出てないならモリサコさんは次世代ではどのような方向に向かうと考えていますか?
<------

 寧ろ、まだまだ全然ぶっちゃけ足りませんよ? 帰国してからは国内でも情報収集する事が多くなりましたが、改めて見回してみても日本人開発者達は本当にあまり表に出てきていませんね。優秀な方達はとても多いのですから、もっともっとオープンになればと願ってやみません。
オープンである事と「毒を吐き散らす事」は違う?そういう事を言ったらビンタですよ。

 MSやSCEの次世代機、勿論開発は進んでおりますが正直に申しまして詳細な情報は持っておりません。プレステ4は恐らく方向性を大きく変えてくるでしょう。PS2からの流れでますますはっちゃけたPS3ですが流石に反省しているでしょうし、実際にそんな話も聞こえてきます。MSはまあ現代PCを追いかける形に変更はありませんし、それしか出来ないメーカーですからね。方向性は正しいと思うので、寧ろ下手な事をしてくれるなと願うばかりです。

 以前のエントリーにて取り上げた次世代Wiiネタですが、世間にもぼちぼち話題が漏れてきていますね。また自分のblogをうっかり炎上させるのもどうかと思いますので控えめに書きますが、ハイデフは最近ニュースサイト等で取り上げられている通り間違い在りません。(その後計画変更になっていなければ、ですが)

 ただまあ、ウチに関して言えばWii部門はもはや縮小極まっております。この辺りのネタに関しましては、近く「Wiiの終焉」的なエントリーを考えてみたいと思います。


 さて、本日もスポーツジムで暴れてきます!
まあルームランナーとプール程度なんですけれどもね。昨夜も呑みすぎ奈良漬けの体から酒を抜きたいだけなのに、無駄にスポーツ好きアピールとかして申し訳ありません。

 

 

ゲームプログラマ偽ライブ中継コメント返信マラソン、その4

マラソン更新中につき、前振りは割愛しております。
宜しければ、前項「ゲームプログラマ偽ライブ中継コメント返信マラソン、開幕」をご覧下さい。

 前項「だんだん暴走してきた」という言葉を最後に残し、結局暴走どころか寝落ちってどうなってんだ俺。流石にびっくりしたけれども、中断してしまってごめんなさい。再開します。
いやーしかし寝落ち・・・徹夜は慣れてるつもりなのだが、ワインボトル3本目を開けるのを留まった辺りから記憶が無いw


今は名無しさん
------>以下、引用
はじめまして。
ゲーム系の情報ブログからFF13のフレームレートのお話への記事リンクで飛んできて、
内容があまりに面白かったのでここまで一気読みしてきました。
熱しやすく冷めやすい性格なので多少乱雑ですが聞きたいことを早めに書かないと忘れちゃいそうなので書いておきます。
昨年の記事はFF13についてが多かったですが、同じ頃に発売された海外のビッグタイトル、Call of Duty: Modern Warfare 2に関しては取り上げるような面白いところ、不満点など無かったのでしょうか?
これはもしかして日本について考えるブログの方針だからスルーされているのかもしれませんが、海外で2009年期待外れゲームNo1になったりしてたようなので評価が気になります。
<------

 お察しの通り、海外産作品についてはスルーしている部分もあります。単に身内バレしたく無いという話ではあるのですけれどもね。
頂きましたコメントについて一つ言える事としましては、個人的にFPSは大好きなのですけれども、コンシューマー機におけるマウス事情には本当に一石投じたいところです。どんなに良い作品でもパッドでFPSは出来ませんw 照準がプルプルしちゃう間に、雑魚NPCから蜂の巣。あんまりだ。

 コンシューマーFPSマウス事情については実は書きかけのエントリーがあります。折りをみて脱稿しようと思いますね。

 

今は名無しさん(続き)
------>以下、引用
すいません連投で分割分です。
FF13のフレームレート関連で↓URLの日記
http://mihara.sub.jp/top/blog/sb203/log/eid10359.html
にてフレームレート低いと言う発言をしたのに対して袋叩きにあっていたのにこのブログは平気だったのが不思議。
上の話から無理やりゲーム業界の話しに繋げると、日記の人はシューテングゲーム(以下STG)の移植にかかわったりしているの人なのですが、STGって利益が薄く商品と趣味の間を漂いながら作られている感じがするのです。
効率や利益を会社やひいては業界の生き残りのためとはいえ求めておられるモリサコさん的にこういった弱小極細なジャンルってどう思われているのでしょうか?
<------

 ご紹介頂いたブログ拝見させて頂きました。「20フレームしか」という表現を不快に思った方がいらっしゃるみたいですね。やはり、ゲームジャンルや作品作りの方向性及びマーケティングを踏まえた上でコメントする事が重要であると思います。単なる素人1ユーザーとしてであるならば何でも良いのですけれど、くだんの方は業界人の様ですのでそこは突っ込まれてしまうかもしれませんね。

 この辺りのネタ未読の方の為に誘致を置かせて下さい。
現代ゲームプログラマが、FF13のフレームレートから業界事情をマジ語りする
宜しければ、併せてご覧頂ければと思います。

 シューティングゲームというジャンルは、遊ぶ事は勿論作る事も個人的には大好きであります。まあ遊ぶ方は下手くそですけれどもね。究極タイガーを1コインクリア出来た時には自分に酔いしれましたが、唯一奇跡の栄光ですw 最近の超弾幕なんてのはとても避けられる気がしません。着弾する前に心が折れますからね。「あ、だめだこれわw」ってレバーが硬直する。

 近年、シューティングゲームというジャンルにおきましては、その開発手法が見事な昇華を遂げています。大変に合理的に開発できる様になっている為、正しく理解出来ればその生産性は非常に高いのでありますが、いかんせんマーケットが少ない所が悲しいですね。弾幕や敵キャラのアルゴリズムなどは全て中間言語かXMLで量産出来ますし、殆どのモデルにウェイトを付ける必要が無いのでデザイナの行程も変わります。(恐竜のシューティングとかでしたら別ですが)
 ただ、これはあくまでも現代一般的なシューティングにおける開発手法でありまして、そもそも「現代一般的なシューティング」を凌ぐ新しい遊びを提供出来ていない事こそが、マーケットの縮小にも繋がっています。偉そうな事を書いておいて申し訳ありませんが、俺や俺の組織においてもこの状況を打破できる様なアイディアは未だ在りません。我々にとっての今後の課題でしょうね。

 

今は名無しさん(続き)
------>以下、引用
まさかの3分割(汗
最後の質問で、FF13を傑作だと絶賛されておられましたが、ゲームを買った人の中にはこれはつまらないなぁと思った人もいるかと思います。(自分は未プレイなので何も言えないのですが)
逆にデモンズソウル(こちらも未プレイ(汗))は国内のマニアやら海外のゲーム情報サイト等に絶賛されているようですが、今の所売上総数は少ない。
こういった面白いという人の割合が高いが売れていないゲームと、分母の違いが有るのかもしれませんが不満度も有るが売れているゲーム。
もしもデモンズソウルのようなタイプのゲームの方が好みという場合に、モリサコさんの言うゲーム業界での企業の生き残りと開発の効率化、売上や利益についての考えなどが日本の開発側に広まった場合そう言った少ない人間が楽しい!と思えるようなゲームというものが作られなくなり、絶滅してしまうのではないか?と言う考えが頭によぎりました。そう言った少ない人間が確かに楽しい!と思える今後どうなっていくのかについて考えを教えていただけるとありがたいです。
<------

 デモンズソウル。これは個人的にはハマりました。「古き良き新しさ」の光る、なんとも辛口のゲームでしたが予約して買いましたねこれは。初プレイ10分で封印決定してみたり、でももう一度だけやってみようかな・・・。そんな気持ちにさせてくれる傑作ですね。元来、ゲームとはそういったものでありましたね。

 仰る通り、合理化を徹底的に追求し過ぎてしまう事は、同時に娯楽産業としての衰退を招きかねません。「遊び」を創造するという事は理屈だけではありませんからね。時には冒険的な、時には無駄としか思えない様な事にでも挑戦していかなければなりません。それは事実でありましょう。反面、現代の様に開発の規模がとても大きくなってきている以上、合理性を無視すればそもそもまともに開発も出来ないでしょう。資金や資源も無視することは出来ません。大切なのはバランス感覚ですね。

 我々は対価を頂いて遊びを提供している立場です。ただ、提供しているとは言え結局はユーザーさんに方向性を導いて頂いていると解釈した方が良いのです。マーケットとしての反応が舵になるのであって、我々は原動力であるべきでしょう。
 強引な舵を取り続けていても何処にも到達できません。提案という形で操舵する事は重要ですが、その後の波に乗っていく事もまた同じ様に大切であると思います。

 くだんの「デモンズソウル」、これは提案としての操舵、その後の波乗りが綺麗に収まったライディングでありましょう。
 裏話ですが、ソニーや開発会社もここまでいけるとは踏んでいなかった様ですね。まあ初ロット数等を見れば一目瞭然なのですが、彼等にとってみれば嬉しい悲鳴といったところでしょう。実際、開発も酷く難航している様な噂もありましたが、報われて何よりです。

 今後の業界にとっても良い例になりました。デモンズは販売数的にはともあれ、成功例と言って良いでしょう。こういった冒険的なプロジェクトが成功を収める事、これは例え自社ではなくとも嬉しい事であるのです。

 今後、ゲームというものは大きく変わっていく筈であります。
余り公には出来ないのですが(もうベラベラ喋っている人もいますが。俺か)、まず価格は大幅に調整されるでしょうね。現代の様に「完全ワンパッケージ売り切り7000円」という商品形態にテコが入ります。この値段設定は高すぎますからね。値段で機会損失してしまう事はもう許されません。
 よって、「最小パッケージ3500円」+ネットにて追加コンテンツ発売。この様に推移していくと睨んでいます。MMO系等ではコンシューマーでも無料ダウンロード系が出てくるでしょう。またminisに代表される様なミニコンテンツも増えるでしょう。ミニコンテンツ内で遊びを感じて頂き、その延長上にあるパッケージ版への誘致なども良いアイディアでしょう。

 これらはあくまでも、「創造した遊び」を感じて頂く為の間口調整ですね。
現代は本当に無機質に狭いのです。

 これに伴い、中古屋等は壊滅の憂き目にあうでしょう。
正直申しまして、我々にとって中古屋はあまり歓迎できる相手ではありません。中古屋に売り飛ばされてしまうゲームを作っている方が悪いという二元論には一旦背を向けますが、マーケットが奪われている事は現実です。実際、業界中が中古屋潰しに躍起になっている所です。PSP-GOなんてのはその先駆者ですね。良いハードなんですけれども、まあ討伐隊第一陣であると思って下さい。しかしその後が宜しくない上にGO買った人を放置し過ぎていますからね。あれではいけません。

 


 さて、本日はこれよりスポーツジムで暴れてまいります。
今週は少々運動不足でしたので、体がムズムズしますよ。

 ご訪問、有り難う御座いますね。

 

 

ゲームプログラマ偽ライブ中継コメント返信マラソン、その3

マラソン更新中につき、前振りは割愛しております。
宜しければ、前項「ゲームプログラマ偽ライブ中継コメント返信マラソン、開幕」をご覧下さい。


 マラソンの途中ですが謝辞を一つ。コメントを頂くという事は本当に嬉しい。最近は本当に毎日毎日ここへ書くネタを考えているが、仮にたった一人でも読者さんが楽しみにしていてくれていると思うと本当に苦では無いのだ。寧ろ本当に楽しいのである。
改めて皆様、有り難う。多謝である。

 さて、一つ一つのコメントに気持ちを入れすぎているw
このままでは3日後になっても追いつかないではないか。そういう計算は速いと自負するが、プログラマを語る資格は無いって言うな。一応O型だが人間として欠陥品だな俺は。嬉しいんだからしょうがないだろw


 ホントに少しだが、ホントについてきてくれている読者さんがいるので
無駄口叩いていないで、少しペースを上げてみる。

------>以下、引用  774さん
けましておめでとうございます。
今年もブログを拝見させて頂きますね。
少し前に知り合いに聞いたのですが、
「FF7当時はネタバレや流出対策で開発室がハワイにあり、 そこで缶詰になって制作していた」 と聞きました。
現在ネットもありますし、情報流出やスタッフのポロリ発言等もあると思いますが、
制作側としては海外で制作するコストを支払ってでも流出回避したいのでしょうか。
また、海外で開発したためにかかったコストもやはり製品価格に反映されるのでしょうか?
(そもそも開発室まるごと海外に出してしまえばそこまで追加コストはかからないのかもしれませんが。)<------


 セガの地下開発室は実際に本当の話ですが、FFのそんな話もありましたね。なんというか、それが本当ならばそれそのものに疑問は感じないんですよね。ある意味においては寧ろ最高の経営方針だと思います。まあ、これは俺が海外在住歴が長く、海外生活がすきであるからかもしれませんが、あくまでも「ある意味において」ではあります。

 えっとですね、、、個人的に予想するならばそれは「多分」噂です。
本当に開発室がハワイにあったかどうかは知りません。ごめんなさい。感覚的には嘘くさいナーと。

論点は意図です。

 セキュリティ的な意味でチームを監禁するならば別に国内でも良いでしょう。コストの桁が違うFFチームであるからという点も微妙です。そもそも、そんな非人道的な話は世界中でも聞いたことが無いですしね。もしもそれが本当ならば、単に開発効率向上を餌にした、希望者限定のボーナスでしょう。よく知りません。憶測ですよ。当時の俺なら喜んで行きますがね。

 本当の論点は、「情報流出」でありましょう。
これは本当に大変な事になってきている事象を、特に若い子達が派手にすっとぼけています。例えばあるコードをライセンス確認せずに知らぬ間に勝手にプロジェクトに組み込まれ責任者も捕捉出来ずリリースされてしまえば、下手をすれば会社が飛びます。


 今回のマラソン更新その1でも触れましたが、情報の扱いがグダグダになっているのです。 元コメントさんの情報の通りであるのかどうかは俺には判りませんが、その隠蔽の為に本当に開発室を海外に移したのであるならば、断言しましょう。バカそのものですね。その人物のツリーに所属するスタッフが可哀想でなりません。注力する点を間違えています。
我々の業界に従事する人間へ特に求められるスキルは、まあ第一に「合理的な思考」でありましょう。「ここを右折するよりも」、そういった疑問の固まりである形が理想的な空想感覚であると俺は考えます。
しかし。ハワイに開発室を移転させる数学的な損失を、ブレーキランプ5回点滅アイシテル感覚で帳尻を強要させられるスタッフはたまったもんではありません。


「神がかった閃き」と、「神がかっちゃった」は違うのであります。

 

 だんだん暴走してきた。

 


 

ゲームプログラマ偽ライブ中継コメント返信マラソン、その2

マラソン更新中につき、前振りは割愛しております。
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------>以下、引用
 半人前プランナ さん
  お疲れ様です。興味深い。
ちょっと質問です!
確かにマルチが主流であり、単一機種特化が冒険的要素が膨らむ事をパブリッシャーは承知しリスクを回避してます。しかし、一部ディベロッパーはコスト的に一機種に特化せざるを得なかったり、ユーザーに一機種に特化させたゲーム体験を運びたいという気持ちがあります。
そういった場合パブリッシャー側が、そういったディベロッパーの事情を汲んでマルチ化の準備を用意すべきでしょうか?それとも、ディベロッパー側が諸々の事情を押し殺して、マルチ化すべきでしょうか。
ケースバイケースは置いといて、モリサコさんが考える理想論を良ければ教えていただきたいです。
次世代機ゲーム開発におけるディベロッパーとパブリッシャーのベストな付き合い方、みたいな。
<------


 いつも有り難う御座います。貴方から頂くコメントはエントリーヒントとしてとても助けになっています。

 我々開発者は本質的には元来機種特化を望んでいます。研究開発を如何に楽しむのか、こういった面がベースにありますからね。「難しいハード」ってのは弄くり倒してみたいんです。しかしPS3ってのは「遣り甲斐のあるハード」ではありません。単純に生産性におとる面倒くさいだけのハードなのです。これは断言しますし世界中のプログラマが感じている事でありましょう。当たり前の事が当たり前に出来ないのです。

 俺個人もこういうクセのあるハードウェアは元来嫌いではありません。ありませんが限度がありますね。結局はこのエゴの固まりを楽しいとは思えませんでした。一応、この難物を制する為のスキルストックは俺個人は元より俺の組織も制したと言って良いでしょう。なんともつまならない行程でありましたが、こいつはもういいのです。判ったので。今ではもう360の足を引っ張らない様に世界中が動いている事でしょう。生まれたときから足枷なのですね。残念なハードなのです。


 しかし現代のマーケットにおいて、そんな事情における言い訳は愚の骨頂でありましょう。貴方の仰る様に機種特化100%オーバー注力の作品、これを我々も作りたいことこの上ありません。ですが、現状これはマーケティング的に理論破綻しています。今それをやっているはチームには確かに一部成功例も見受けられますが、大半は単にマーケティングチームを含めたメーカー全体の勉強不足により墜ちています。失礼ですが、日本の中小ゲームメーカーは殆どがこのパターンに当て嵌まります。各国どこのユーザーも殆ど目を向けていませんしね。(まあ、プログラマというよりもデザイナなのですけれどね)
 俺個人は別に日本マーケットに立ち上がって貰わなければならない理由はなく、相場師よろしく現時点での需要に着いて行くだけではあります。が、自身日本人ではありますので、感情的には寂しい状況です。

 ご質問の理想論に返答させて頂くとするならば、利権の統一。これにつきますね。
この資本主義主体の地球においてはまず絶対に実現しませんが、プログラマ的に夢を語ります。ハードウェアはDOS/Vの様に仕様を統一してしまうべきでありましょう。プログラマが徹夜しなくてもマルチ環境が出来上がります。ソフトウェアによって最低動作保障ハードを指定するのもナンセンスですが、現状よりは良いでしょう。これによりソフトウェアの生産性は目にみえて向上するでしょう。ヒット作も生まれやすくなりながら、安い佳作達、そうおった市場活性化ゲーム達も充分に商業性立場を得られるでしょう。コストが違いますからね。
 こんな夢世界はともあれ、結局今俺達がやっている事の労力の数十パーセントはマルチ互換性維持であるのです。いくら元来その様に設計していたとしても全機種統一コードを走らせるには本当に注力します。
ちなみに、これを安易に批判する人間はそれだけでエセでありましょう。断言します。

 長くなりましたが、結論から言えばデベロッパに求められる本当に必要な点は引き出しの多さです。「マルチの準備をしておくべきか」。このまったりとした感覚が既に命取りになるかもしれません。きつい言葉で申し訳ありません。
「マルチの選択肢もいつでも提供出来る」、ある程度力のあるデベロッパ各社におきましてはこの程度の引き出しは既に十分に見受けられます。本当に商業として成り立つ案件はその2歩先へと動いているのです
例えば、「マルチは当たり前なので予算には取り入れません。更にHavok予算を節約されるのであれば部分的に制限はありますが当社物理エンジンを無償で提供します。」
現代においてはこの位言えて初めて商業性が生まれます。もうそういう世の中であると言って良いでしょう。
 パブリッシャー側であるのならば尚更ですね。卸元がハードルを下げている様では結局未来はありません。勿論目の前の生産性や需要がありますが、理想論としての波に飲まれず、誰よりも先に現実的な着地点を見極める事はとても重要であると考えます。

 

 ほんと、失礼でごめんなさい。
「本音」として嘘は書きたくなかったので、失礼な物言いになってしまいました。

 

 

ゲームプログラマ偽ライブ中継コメント返信マラソン、その1

マラソン更新中につき、前振りは割愛しております。
宜しければ、前項「ゲームプログラマ偽ライブ中継コメント返信マラソン、開幕」をご覧下さい。


 開幕エントリーをアップした途端にメールを頂いてビビッた。
こんなblogで偽ライブ中継なんざ誰も見て居ないのは知っているのだが、自身の高揚感を表現してみた結果ではあった。
ところが「終わりまで監視します!」のメールが!
やべえ。燃えてきた。つか、お茶を濁せなくなってきたw
あと何時間か頑張ってみる。ありがとうありがとう。
(しかし、何故コメントにくれないのだw さては恥ずかしがり屋さんだな?)


 さて、ここまでは大筋を昼間iPhoneで書いていた内容なので投稿は早い。


みけさん>

------>以下、引用
開発現場の方がどのような事を考えているのか知ることができ、コメントも参考になるばかりで、いつも読ませていただいています。
ところでなのですが、ご面倒でなければ、進路という観点でのゲームプログラマーについて伺いたいなあと思います。
というのは、自分は物理学科の学生なのですが、以前よりゲームプログラミングに興味があり、現在とある(ゲームソフトではないのですが)ソフトウェアの障害修正のアルバイトと、独学でDirectXとOpenGLについて勉強していて、ゲームプログラマーに憧れのような感情を持っています。
ですが、やはり現場の方からしたら専門学校で勉強した人のほうが即戦力になり、自分のようなほとんど関わりのない人間では門前払いなのかなと思い、もし面倒でなければ一言頂きたいなと思った次第です。
<------

 学生さんからのご質問は特に歓迎です。俺の愛してやまないこの業界において、これから主役になっていく方達ですからね。
 みけさんの状況を踏まえた上で冒頭からバッサリといきいましょう。
年間、外国人も含め何十人と面接している俺のファイナルアンサーです。つか即答ですね。

 コメント頂いた情報に限って言えば、ここまではまったく問題在りません。むしろ好印象ですね。ご自身のプレゼンも上手です。まず、前置きとしての「自分は物理学科の学生なのですが」のくだりがあり、この後にまでクドクドとゲーム業界への憧れめいた話を展開していません。言い訳がましい要素が無く、純粋にゲーム業界を希望している事が判り且つ、単に憧れているだけではなく自習にも余念が無い点が明確です。もしもウチで面接されていると仮定するならば、後は人間的な面だけですね。物理学科というスキルもとても好印象です。どの様な事を勉強されているのか、少し伺いたい気持ちです。

 ゲーム専門学校、近年は色々と質が低い点も少なからずある点が現状です。良い人も居ます。が、良くない人も沢山いるのです。
我々の組織におきましても、まあ日本に限定した話にしますが、ゲーム学校からは毎年沢山の面接希望を頂いております。正直、90%以上は書類で落としてしまうんです。面接しきれないんですよね。

 そもそも現代ゲーム技術におきましては、ゲーム専門学校上がりだとはいえ新卒が入社後即戦力になるなんて事はあり得ません。めっちゃめちゃマレに見るもの凄く良くできる子でさえも、コーディングルールやチーム協調等に対する意識において、通常壊滅的に勉強不足です(批判しているのではありません)。
そこからは我々も足並みを揃えて彼等を伸ばしていくのです。最も重要なのはこのフェイズにおいて如何に力を発揮してもらえるかであり、入り口ではありません。
寧ろ、ここが判っていないソフトメーカーなんかには就職してはいけません。何年も何年も給料上がらず残業だけはウナギ上りの会社に未来なんて無いんです。みけさんには可能性を感じますので敢えて言いますが、自分を落す様な会社にはこっちから用は無い、その位の気概を元にご自分をプレゼンして良いでしょう。
 それから、これからのマーケットにおきましては出来れば外資系が強いと確信しています。外資も日本開発支部を持っている事が多いので、そこを狙うと良いでしょう。ただ、外資は通常新卒に無駄に厳しい所があります。「人間を見る」というスキルに拘りを持っています。例えば、ウチは喫煙者は当たり前に採りません。日本では余り見ない習慣ですが、日本だけが遅れているのです。反面、外資に乗っかれば貴方の努力次第で給料はうなぎ上りです。日本ゲームプログラマで年収1000万越えはなかなか見ませんが、我々からすれば本当に本当に馬鹿馬鹿しい程の金額です。力を伸ばし、ご自身を正しく評価されたいのであれば、現状外資以外に道はありません。日本ゲームメーカーは本当にプログラマという職業を判っていません。もう、本当に暴挙なんです。よくミンナやっているなと不思議なくらいです。。。

 とは言え、いきなり外資はハードルが高いでありましょう。そこで俺からの提案です。貴方の年齢は存じませんが、3~4年はともかく技術を吸収して下さい。「死ぬ気で」です。俺にも誰にもそういったフェイズがあるんです。「本気度」で勝負して下さい。
それから外資の門を叩きましょう。基本的に外資に年齢制限はありません。(そういう制限をすると、国外では法的に問題になるのです)

 その際に少し注意点を。
どこかの国内メーカーに入り良い先輩に恵まれる事を祈ります。その上で、例えば自分達のコーディングがとても上手くいった。ここまでは良い。
それらのコードを、USBメディアに入れて勝手に持ち帰ったりは決してなさらない様にして下さい。「たとえ一行でも」です。最近の若い子はこの辺りの危機感に欠けています。みけさんがそういう人物ではないとは流石に暗に判りますが、念のための忠告です。一例ですが、我々はこういう人物を容赦なく解雇しています。
良い技術というものは「メディアでコピー」するのではなく、「脳を使ってコピー」して下さい社内で優れた実装に出会えたならば、それを脳内にコピーするのです。メディアにコピーすればそれはただの横領ですし、そもそもそんなスタンスの人間には結局身につきません。そうではなく帰宅してご自宅のPCで「思い出しながら」自分なりに再実装し実験してみる事は犯罪でも何でもありません。
その経験の積み重ねが貴方を更に高い地位へ導くでしょう。
忘れないで下さい。勉強に近道はありません。


 個人的にはみけさんは業界入りするべき方だと思いますので、更にもう少しネタバレしますね。
 まず貴方は4月の面接ラッシュに乗っかってしまっては損をするかもしれません。大量の「なんとなくゲーム業界就職したい組」に紛れてしまうリスクがありますね。この時期は各社面接が忙しすぎて辟易しています。見る目も曇ってくるでしょう。
もしも本年度の卒業予定であれば、動くべきは「今」ですね。個人で面接を申し込んで構いません。どんな会社でも公開連絡先はありますので、「メール」で熱い想いをぶつけて下さい。メールである点が重要ですよ。電話ではいけません。メールという媒体は、貴方の熱い想いを社内担当者に振り分ける手間がとても少ない故、「こんなメールが来たのですけれどどうですか?」こういった形で社内責任者達へ配信し易いのです。決して電話で面接希望を伝えてはなりません。下手をすれば代理の担当者が良く判らず×を出してきます。そこで終わりです。


 貴方の業界入りを楽しみにしています。
社をまたぐコラボレーションになるかもしれませんが、いつかご一緒にチームを組めたら良いですね。
頑張って下さいね!

ゲームプログラマ偽ライブ中継コメント返信マラソン、開幕

 金曜日だというのに彼女達の誘いを先週から断り続けていたら、ライトニングがキレ気味に泣き言を言ってきた。間違えた、彼女:Bだ。
髪型殆ど一緒で顔もなんか似ているその感じで、「じゃあ次いつ会えるの?」とか言うな。FF13プレイ感がぶれてくるじゃないか。また間違えた。会いたくなってくるじゃねーか。
 単に仕事の都合で時間が読めなかったのと、忘年会やら新年会ラッシュで呑み疲れているだけなのではあるが、結局は普通に帰宅しワイン呑みながらblogの更新をはじめたのだ。なんかちょっと酷いな。反省する事にしてみる。

 全く関係無いのだが、みなさんPCのログイン情報等はどうされていますか?自動でログイン等してあると色々と宜しくない場面もあるでしょう。職場は勿論の事です。その職場の人間の信用に問題はなくとも、減価償却されれば早々に廃棄になりますし、これらが誰の手に渡るのか判らない。俺の組織では、担当者目視確認付きで業者へHDD物理破壊依頼を出していますよ。こんな世の中ですからね・・・。情報管理には気をつけましょうね。
 俺は個人PCでも気をぬけなくて。この部屋には本命彼女しか呼びませんが、自分のPCを結構勝手に使わせたりしているので対策が不十分であってはなりません。一応PCのプロですのでまあその辺りはお手の物ですし、そもそも人の財布を盗み見する様な方とはお付き合いを控えますが、何事にも偶然の要素はありますからね。
 ちなみに、俺の携帯電話も対策バッチリなのですよ。どの彼女と会うときにも普通に見える所に置いておけますし、「ちょっとテトリスでもやってて」等と端末ごと渡して離席する事も問題ありません。複数持ちでもありません。(iPhoneはありますが)
その一台に彼女全員とのやりとりが入っているし、片端から消しているわけでも無いのだ。こういった話題に興味の無い方にはちょっと不思議ではないですか?^^;
まあぜんぜん大した事ではないのですけれどもあまりネットには乗せたくもない話なので、この辺りの対策が必要な博愛主義の同士の方はメールにてお問い合わせ下さい。


 さて、今回も前振りがくだらな過ぎる。最近疑問に感じる様になってくる程の体たらくではあるのだが、ますます加速していきたい一心だ。恋愛関係で近くガッツリとエントリーを組むつもりなのではあるが、きっとアクセス数がだだ下がるのであろうなw
まあ、そうなったらなったで、「はちま起稿」とか「オレ的」とかにまたコメント沢山するさ。
また間違えた。楽しんで頂ける方が少しでも居てくれれば、頑張れるよ。


 さあ、悪ふざけは本当にこの辺りにしよう。
今回は、またもや溜まりに溜まってしまった沢山の有り難いコメント群へ返信させて頂く。明日の日中はスポーツジムでへこたれるまで運動する程度の予定しかないので、今夜は力尽きるまでマラソンコメント返信のつもりだ。個人的に長丁場のスタートでテンションが騰がっている。ワインも旨い

 GT5のネタまで届けば良いのですが、まあ大した話ではないし発売まで少し間もあるので寝かせる可能性が。

 さて、始めていこう。
但し、一応は推敲しながらなので速度は非常に遅い。

 

 

一言雑談。

 こんなエントリー誰も読みたくは無いでしょうがごめんなさい。
強調文字も文章整形も、推敲すら無い走り書きです。

 コメント欄、否定肯定といった次元では無くこんなにも反応頂けていることそのものが嬉しいもので、「生きていますよ」感覚で一本エントリー置いてしまいます。これはもう伝言ですね。以下、走り書き失礼します。

 「全てのコメント」、本当に全て有り難く拝見させて頂いています。
基本的には全て返答させて頂きたいと思っています。

 特に、学生さんで業界志望されている「みけ」さん。こういった方からのご質問は出来る限り最優先にて返答させて頂きます。頂き・・ます。言い訳ですが時間がなく不本意に流れてしまっている事もあるかと思いますが、そういう気持ちです。^^;
俺の意見で宜しければ、エントリー上かもしくはコメント欄にて返信させて頂きますね。

 ストック原稿が溜まりすぎています。ほんとうですよ^^;
推敲しているヒマがないもので言い訳っぽいのですが、今朝あるエントリーをアップしようとしたらGT5のちょっと突っ込んだ情報が入ったもので、それに関して以前から持っている(ちょっとした)毒を吐こうとこの2時間ストック原稿を脇において新しいエントリー組んでいました。タイムアップ気味に下書きで終わっちゃいましたが、明日には・・・たぶん・・・


 ところで、世の中はblog沢山ありますよね。
世間にはこんなにも沢山の良質なブロガーさんがいらっしゃる中、向かい風に立ち向かう様に起ち上げた本ブログ。日陰ブログでそっと書く位ならば、俺の性格上においてはやる意味が無いので、かなり攻撃的な物言いを展開していますが・・・・すみません、素です。反省はしていませんし、これからも加速させていきたいと思います。

 あと、年明けのある日、有り難いご質問というかご意見をgmailにて頂きました。
****さん>
>アフィででも良いのでオススメの技術本などあったら教えてくださいー

ブログ転載許可を頂いた際に匿名ご希望との事でしたのでお名前は伏せました。全文引用しようと思ったのですが、メール内の本ネタは又別エントリーとさせて頂きますね。

えと、まずは部分返答。

アフィとかは一切やりませんねーってのは置いておいて、
あんまり本で勉強した事無いのですよね。
海外にはコードを添付出来るかなり盛り上がっている技術BBSなんかもあります。URLは敢えて貼りません。検索力と、情報収集力、選別力を鍛えるきっかけになれればと思います。まあ、少しは読んだ本もあるのでタイミングみて紹介しますね。その時は本の名前だけ書くのでググって下さいな。


 ところで、ほんと雑談的に話が進んでいます。本blog初めての一人twittering。w
 アフィ広告とかをblog本編覆い尽くす様にベッタベタ貼ってあるblog、凄く多いですよね。

 自分が本当に頑張って生み出した本文、
 本当に一番読んで貰いたい本文から、アフィなんかに目を逸らさせてどうするんだろう・・・。勿体無い・・・。

 まあ否定はしませんが、価値観の違いなのかなとは思います。
 ちなみに本blogの細かい隙間に顔を出す広告は、livedoorの無料アカウントなので勝手に出ちゃうらしいんです。ごめんなさい。
どうやら有料にすれば全部消せるらしいので、近々ちゃんと調べてみようと思ってます。
シンプルが一番ですよねー。


 「一言雑談」とか宣っているにも関わらず、全然一言じゃねー。
筆が止まらない症候群は今年も悪化しております。こんな奇特なblogに足を運んで下さる皆様、俺の病みっぷりへこれからもお付き合い頂ければ嬉しいです。
まあでも、今回はほんと一切文章見直さずにアップします。マジでメール感覚です。お目汚しごめんなさい・・

 つかヤバい寝ないと。
 それでは、たまにはこんな日記blogも許して下さいな。
おやすみなさい。

 

 

沸き溢れる前世代プログラマ達は、たった一人で3人の足を止める

 年末からずっとプライベートがハードスケジュール過ぎて、近く「一日完全引きこもりプラン」を激しく検討中のモリサコです。
皆さん、明けましておめでとう。
本年もよろしくお願いしますね。

 年越しはまあ毎年恒例になりつつあるのだが、俺のマンションへ悪友ら大勢呼んでまったりと10時間でも呑むのだ。勿論俺のお手製料理尽くしであるのでその写メでもアップしてみたい気持ちはあるのだが、ここへご訪問頂いている読者さん達はそんな日常blogを読みに来ているワケではないであろうし、何より最低に寒いので割愛する。

 この男女混合懇意のプライベート友人連中に関してはよく意外に思われるのだが、ゲーム業界関係者は居ないのだ。ゲームプログラマがどんな仕事なのかも知っては居ないので反応が楽しい。そもそもあまりゲームもしない連中なので先日はFFのムービーを大画面で見せたら綺麗過ぎて絶叫していた。自分が生み出したゲームでも無いのに何故か嬉しくなる瞬間だw。
これは良いプライスレス。


 さて。
年明け早々ではあるがいつも通り毒を吐いてみたいと思う。皆様、俺の魂の吐血にしばしお付き合い頂ければ幸いだ。

 以前のエントリー、「ゲーム業界に蔓延るサンプルプログラマ達の罪過」においても語らせて頂いた内容ではあるのだが、今回はこれをもう少し掘り下げてみたい。

 近年においてはネットインフラの進歩も目まぐるしい。我々世代の人間が過去に夢見たSF社会が高いクォリティーにて実現されていると表現しても決して過言では無いのではなかろうか。まさに成熟の域に達した情報化社会と言って良いであろう。
 大抵の情報は今も目の前に広く横たわっておりこの情報の海を渡る術を持つ事、これは現代ゲームプログラマとして最早至上命題では勿論あるのだが、しかし、渡り方を誤れば大変に不幸な結果を招くことになるのだ。

 情報の海を渡る為の英語力、こういったエントリーも以前に記した。興味を持たれた方は以前のエントリー「現代ゲームプログラマのサブウェポンたる英語」を参照頂きたいが、が今回は別のアプローチだ。 敢えて表現するならば「情報の海からの取捨選択」といった所か。これは最早国を超えて世界中のプログラマ達が陥り易い罠ではあるのだが、今回は本当にバッサリと斬り捨てさせて頂こう。

 これだけ世界に広く情報が溢れている現代において、それがいとも簡単に手に入る状況というものは実は決して良い事ばかりではないのだ。ゲームプログラマというコミュニティーに限定して表現するならばこれが実は深刻な問題である。我々ゲームプログラマという職業は、まあ偉そうに書くつもりは無いが実際問題として常に新しいスキルを吸収していかねばならない。これは宿命であると言って良いであろう。貪欲なマーケットの中で勝ち抜いていくための責務であるが、この仕組みそのものに不平不満を並べるつもりはさらさら無い。我々が選択した道であるからな。それは良いのだ。
 この重い責務を十分に消化していくためにはあらゆる手段を講じる必要がある点は言うまでも無く、また、その一環としてのネット情報の活用も必須事項ではあるし大変有効なツールである点もまた異論は無い。

 寧ろ、情報が溢れすぎているのだ。

 手に届く情報から盲目的に捌いていくプログラマ。これをタイプAと称しよう。ここへカテゴライズされたゲームプログラマは凡人タイプである。自身に課せられた命題を消化するためにこの地球規模ネットワークを上手に利用しているとはギリギリ言えるのであるが、やや性急に過ぎる。いつもそこそこのコーディングをしてはくれるのだが、リードという到達点には何故か何時までも辿り着けない人間達だ。出世できない理由、これを往々にしていつまでも気がつけない傾向がある点が特徴だ。ネットを利用しているつもりが、逆に踊らされてしまっているのだな。もしも貴方の部下にその様なタイプの人物がいるのであれば、「情報の一次利用」こういったキーワードを主軸に更なる勉強を施してみると良いであろう。

 手に届く情報から脳内キューに仕込んでいくタイプ。これをタイプBと称しよう。
彼等はネットで良い情報を仕入れることが出来たとしても、それを元に骨髄反射的に実装へ移行したりは決してしない。自身が求める解決策へどんなにダイレクトに接続される情報ではあっても、一度脳内キューへ保存する事を忘れない。次の次を見据えた「念のためリサーチ」を怠らない点が特徴だ。その上で更に脳内スレッドを組み替え、検証フェイズへと入っていくのだ。これは一見すれば瞬発力に欠ける手法ではあるのだが、自分が商業プログラマであるという責任感に基づいた自覚を正しく出来る様になる頃には、これが結果的にベストの選択枝であると体が感じる様になっていくのだ。

 しかし、タイプBは更にタイプB1、タイプB2に分類される。

 前者タイプB1はキューに積むまでは良いのだが、脳内検証フェイズへ入るタイミングが遅い。「調べる事」そのものに愉悦を感じだしている点が特徴だ。タイプB1は本当に始末に負えない。今回のエントリー「旧世代プログラマ」とはこの彼等の事を指すのである。
タイプAは寧ろ未来のある若者である場合が多い。彼等は組織にとっての財産へと育つ過程を歩んでいるだけなのである場合も多く、そのケースであるのならば実質なんら問題はない。
しかしタイプB1は違う。自分の立ち位置を到達点であると思い込んで止まない。寧ろ病んでいる。この手法を曲がりなりにも、いや曲がりながらだが運用しているという事はそれなりの立場になっている可能性も高いのだ。そして、その「それなりの立場」のプログラマがこうもスキル運用方法を曲げているとなった場合、ツリーに所属する何人かが巻き添えを食っているのだ。これが抽象的に表現するならば「3人が足止めをくっている」という事態へと化膿していくわけだ。

 判りやすい例を挙げてみよう。
例えば、チーム全体にてあるゲームの開発に物理エンジンが必要になった。そういう結論が出たとしよう。まあこの判断過程には触れないが、とにかくそう決まりそうなのだとしよう。しかし実装実績が無い例を例えているわけなので、当然この少し前のタイムスケールで担当プログラマやリードプログラマは情報収集に動いているのだ。
ここで開口一番「じゃーHavokで予算検討して下さい」と発言するプログラマがタイプAだ。もうギャグだが彼等はまだ勉強中なのだ。許してやって欲しい。
詳細リサーチの為に3日時間を下さい」と自分にリミットをキッチリ区切れる人間がタイプB2だ。3日後に答えを出さなければ同様にギャグではあるが、理論的なリサーチ結果と共に期日を守れる人間は、その後のチーム運用においても、人選として十分に頼もしい。

 タイプB1は凄まじい。
 ミーティングでは「調査します」とだけ述べた上で、一週間経っても各ミドルウェアの利点やなんかを延々と述べるだけで断言をしない。責任の伴う決定を下さなければならない場面では決して断定をしないのだ。全体の流れがなんとなく統一される様に材料は出すが決定は全体の雰囲気に合わせる形をキープする。その上、自分に馴染まなかった情報は決して選択させない様に見かけ上の悪材料を散布する事も忘れないという念の入りようだ。
しかも。しかもである。あわよくばコストの桁が2つ記憶喪失したかの様に独自実装の話なんかを持ち出してくる。「ちょっと、自分でもスクラッチからやってみたい感じもする」ただ、それだけの為にだ。
この人間がタイプB1だ。こういう人間は、もうこの時点でチーム全体の足を引っ張っている事にすら気が付いていない。

 彼等は頭でっかちなのであって馬鹿なのではない。馬鹿だとまでは言わない。が、要するに知識欲が先行し過ぎていて運用やコストに対する言及が消失してしまっている。俗に言う「サンプルプログラマ」の誕生だ。
彼等は部分部分の綺麗な表現シェーダーなんて書かせたら本当に上手い。実行コストの低い速いコードをあっという間に実装してくれるが、大抵コードは見づらく、フレームワークに組み込み辛く、フレームワーク側で既に用意されている機能的な広義なテンプレートなんかも使わず、ほぼ同じ動作をする名前の違う自前こだわりクラスなんかとセットで提出してくるのだ。
もう、ほんとギャグだ。


 プログラマと一口に表現したとしても、こういった主軸となる幾つかの傾向にわかれる現実がある。デザイナやプランナは自身と数十ヶ月を共にするプログラマを良く見極めなければならないぞ。特にタイプB1が主要な立場になってしまったケースを担当される方、早々に上司に相談するべきだ。なんなら、このblogをコピペするでもなんでも良いので、判断材料として提出してもらって構わない。
ユーザーも含め皆の幸せの為に、タイプB1へ手綱を握らせては決してならない。部分コーディングにはとても力を発揮するのだから、適材適所を心がけて欲しい。


 本blogにおいては何度も何度も書いている事なのだが、これからのジェネラルなゲームマーケットにおいて最も重要な点は生産性だ。
俺も一介の人間である故、これがファイナルアンサーであると断言しているわけでは勿論無いのだけれども、俺は自身の経験に基づいた上で現在その様に確信している。

 この確信とその実現運用における弊害となる事象をこれからもことごとく晒していきたいと強く決意したところで、これを新年一発目のエントリーとさせて頂こう。年明けと言う事でまずは「軽く」吠えさせて頂いた。

 

 さて、あんまりにも反応の薄い恋愛ネタだが、これからも文頭文末にはどんどんと散りばめていくw 一応blogタイトルでもあるしもうヤケだw
 というか、そういった話題への特化エントリーも組みたいのだけれども、最近頂くコメントについては熱心な業界の方が多いのでちょっと躊躇してしまっている。「馬鹿話かぁ、スルーで」になっちゃうのがちょっとだけ怖い小心な俺。でもそろそろ資産運用編とか恋愛ガチ運用編も書きますよ。気長にお付き合い頂ければ嬉しいです。

 相場に関しては、俺は株しかやらないので今の所年末年始休暇中の気楽なノーポジ。100%「円」運用です。毎年こんな感じ。


 恋愛はちょっと動いてきた。
こんなに色んな事書いていても、たった一通の年賀状メールで一喜一憂しているモリサコです。

 これからも見捨てないで。

 

 

外資系現代プログラマは少し想う。来年もみんな頑張ろうな。

iPhoneより更新です。
もういろいろと忙しすぎて3日家に帰っていないモリサコです。みなさんこんばんは。
本年最後の更新となるかとは思いますが、ご訪問頂いた皆様。本当にありがとうです!来年はもっともっとリアル現場ネタを元に展開させて頂きます。

年明けには、「アーキテクトさん」彼から頂いたコメントを主軸にエントリーを組もうとたくらんでいます。コメント内容に嬉しさで泣きそうになりましたが、彼の語っている事がこのblogを包括してしまいそうな勢いです。このblog流に、年明け一発目として「現代プログラマの棲み分け」、この様なエントリーを予定させて頂きます。

 それでは皆様、良いお年を。


 ご訪問、本当にありがとうございますね^^
 来年も宜しく御願い致します!

現代ゲームプログラマが語る、複数機種が彩る現代マルチ事情

 2009年もいよいよ過ぎ去ろうとしている今、21世紀になってから早約10年。技術者の皆さん、俺はこの10年こそはめまぐるしい事この上無かったと考えているけれどもどうであろう。10年前を思いだしてくれ。実際にプログラミングというアプローチをもって、世代世代のハードウェアをドライブしている俺達には感じる部分があると思う。進歩に終わりは無いのだよな。この10年においてここまで指数関数的に育ったテクノロジーをもってしたとして、それさえも今や既に食傷気味だ。そうであろう。もう次の技術を求めている俺達はある意味において確実に病気ではあると言えるが、治りたくはない病気だな。

 ところでこのblogの趣向として、「ゲームプログラマとしての金儲け」といった要素も確かに掲げてはいる。時にコメント欄よりリクエストを頂くのだが、最近のエントリーはは技術一辺倒であった。
 ゲームプログラマという職業、特に日本においてはこれほどに不当な評価を下されている職業も珍しい。これを打破した上でゲームプログラマが資産を築く方法についてもそろそろ言及していきたい所だ。

以前のエントリー「ゲームプログラマにとっての、リアルに現実的な資産運用 (初級)」
においても触れた話題ではあるが、もう一度言おう。日本におけるゲームプログラマの待遇たるや散々なものだ。ありえない事だ。

 最近においては技術ネタへのコメントを沢山頂いているので、出来る限り答えてはいくつもりではあるが、本blogのぶっ壊れ方向性を思いだしてみたい所ではある。


 今後、少しこの辺りの話題を展開するつもりだ。


 その前に、大切な読者さん達のコメント全文返信はなんとか果たしたい。
その足がかりとしてまず本日は、前回エントリーにおいて引用させて頂いた「うーぱーるーぱー」さんの提議について見解を披露してみよう。


部分引用---->>
実際問題、マルチ化のために裂かなければならなかった労力ってどれ程だと思われますか?(あるいは、一般的にどのくらいのものになるか。ミドルウェアの効率化がどう影響するのか興味があります。)
その労力を本編製作に回せば、DQ9の延期もあったことですし、十分序盤の目玉になるような広めのマップを置けたように思うんです。
まぁ、メタルギア4が予想外に売り上げを伸ばせなかったことなど時勢もあったのかもしれませんが、個人的にはもうワンランク上の出来を狙えたように思ってしまうんですよね<<----


 なるほど。これも確かにユーザーさんには気になる事象であろう。

 この話題に関しては一貫したファイナルアンサーという形では答えづらいのではあるが、俺が重視している「合理性」「生産性」という視点を主軸に返答させて頂こう。

 まず、「マルチ化の為に割かなければならない労力」という議題に触れてみよう。
ここには大いなる誤解がある。我々は通常、マルチ化の為に労力を割いてはいないと言って良い。強いて言えば機種特化への労力の方が遙かに大きいのだ。90%のドライブにて全機種運用する技術は相当にこなれたスタジオでなければ達成できない。言葉だけではなく、近年のアーキテクチャの足並みを整える為に優れた世界のプログラマの大半は大変な設計力を求められている。
もはや、単一アーキテクチャに拘っている技術者など存在しないのだ。
勿論「勝ち組技術者の中には」という意味だが、ソニーやマイクロソフト等の様なファーストパーソンにおける不幸な技術者は除く。


 ファイナルアンサー的に表現するのであれば、「マルチ化」の為に労力を割いているのではなく、元来マルチでなければマーケティングそのものがままならないのである。マルチ以外の選択枝を考えていないのだ。これは勿論メーカーにもよるではあろう。しかし我々の組織においては、「機種特化」などというプロジェクトはファーストボードミーティング(役員会議)で却下される。そんなプレゼンをした人間の評価も怪しくなるのだ。


 視点を変えてみよう。

 うーぱーるーぱーさん仰る様に、機種に特化したエンジンでゲームをドライブすれば確かに表現力は段違いに上がる。しかし、マーケティング部門の人間達も俺達と同じ様に人生をかけてゲームを売っている。PS3だけで作れれば、360だけで作れれば、こういった技術者達の気持ちはとても良く判るが、こういった偏りは寧ろ生産性に害をもたらすのだ。


マルチ。なるほど、これはたしかに大変な作業ではある。
しかし、単一機種をある程度こなすのなんざ実は大した作業では無いのだ。各社流石にサンプルを配布している。これをなぞればまあ、最低限ゲームっぽいものは作れるであろう。ファミ通で6点未満とかのふざけたゲームはみんなコレだ。学生上がりがプラットフォームホルダーのサンプルを改造して作っている様なゲームに、7千円も払っているユーザーが逆に異常ではある。


話を戻すが、マルチの為に手を抜いているのでは無いのだ。
むしろ、単一機種特化の方が冒険的要素が膨らむ事を大抵のメーカーは知っている。これを知らないメーカーが派手に自爆しているわけだ。
マルチとする事で、総合パフォーマンスを平均的に運用しているのだ。これは人月や労力の話でもあるが、なによりもユーザーの利益を最優先している結果である。


 我々が我々の中で解決しなければならない点について、ユーザーさんがこの様に言及してくれることは元来不本意としなければならない。本当はさ。
だけれども、閉鎖的であった我々の技術がこうして話題に上る事は少し嬉しい。

どこか不謹慎なのかも知れないが、こういった業界に対する疑問こそが将来の技術者の糧となるのであろう。
俺自信がそうであった様にな。

 

 

さて、今夜は横で彼女DLLの4人目Dがウタウタしているわけだがさっきから偉いつっこまれている。基本寝てるんだが時々起きる。先日の白人女性と違い、こいつにバレたら色々とやばい。やばいのに良く書いてるなおれ。燃える。


また起きてきた。

年内にもう一本エントリーしたいと想います。なるべく。





外資系ゲームプログラマの忘年会事情と、コメント欄への技術ねたマジレス(その2)

直近エントリー「外資系ゲームプログラマの忘年会事情と、コメント欄への技術ねたマジレス(その1)」の続きです。

 

 Sitaさん>
引用---->>
とてもおもしろい記事でした~。
FFみたいなゲームだと素直に表現力を取ればいいから、ある意味幸せなケースですよね。レースゲームとかアクションで「FPSを追求して画面映えしないもの」だと確実に売れなくなりますからねぇ…。
体験版配信が一般的になればマーケティング的なグラ重視主義も多少は薄れていくのかなー…
<<----

 ご訪問有り難う御座いますね。
「グラフィック重視」という到達点は、文字通りそれ以下へ落すことは出来ないんですよね。ユーザーさんにとっては例えば「上がった生活水準は誰も落すことは出来ない」といった寓話に例えられるのですが、一度見た品質はユーザーさんは忘れません。
 勿論、一度提供した品質を我々も忘れてはなりません。
 結果、技術の進歩に逃げ道は無いのでありましょう。我々はだからこそ挑戦する価値のある仕事として生涯を捧げています。ちょっとかっこつけすぎですけれどね。でも事実なんですよ。みんなそうです。

FF13は対抗メーカーとしても良作だと認めざるを得ません。楽しい。
ですが勿論、我々の業界の今後の作品にもご是非期待下さいね。^^

 

うーぱーるーぱーさん>

いつもコメント有り難う御座いますね!
(ところで、メール返信したんですよ?届いていませんか?泣きますよ?w)
引用---->>
ライトさんはツンデレかわ……ゲフンゲフン
一昨日、こちらはFF13をとりあえず一周終えたところなんですが、ちょっと気になったことが。 実際問題、マルチ化のために裂かなければならなかった労力ってどれ程だと思われますか?(あるいは、一般的にどのくらいのものになるか。ミドルウェアの効率化がどう影響するのか興味があります。) その労力を本編製作に回せば、DQ9の延期もあったことですし、十分序盤の目玉になるような広めのマップを置けたように思うんです。
まぁ、メタルギア4が予想外に売り上げを伸ばせなかったことなど時勢もあったのかもしれませんが、個人的にはもうワンランク上の出来を狙えたように思ってしまうんですよね。
<<----

ライトニングはツンデレげふんげふん。。
なぬ!もうクリアですかちくしょうwこっちは全然進んでいません。俺個人がゲームへたくそなのでちくしょう。9章のボスどうすればいいんだw いや、ちゃんと楽しんでます^^;


 「マルチ化」についての弊害。

 なるほど。これは確かに皆さん気になっている所だと思います。
草稿あるあると言っておきながらコメント欄のタイムリーな話題に弱いモリサコではありますが、どうも有り難う御座います。次回のエントリーとさせて頂きます。

 

 

外資系ゲームプログラマの忘年会事情と、コメント欄への技術ねたマジレス(その1)

 いちいちタイトルに「外資系」だの「現代ゲームプログラマ」だの付けている点に引かれている方も多いであろう。自分でも結構微妙だ。
んでも巷にわんさか溢れるblog群の中でなんか個性的な事はしていきたいので、これからもミンナには引いてもらう。すんません

 師走、年の瀬、皆様如何お過ごしでしょうか。毎年この時期はそうなのですが、忘年会やら何やらで忙殺寸前のモリサコです。皆様こんばんは。

 前回のエントリーから一週間。奈良漬けとはこういう状態を表すのでありましょう。酒好きと言うか、旨い食べ物と旨い酒を肴に人と時を交える事が生涯至福の俺ではありますが、流石にこうも続くとHPバーが赤くピカピカ自己主張してきます。そろそろオプティマ変えないと死んでしまうといった所なのです。

 沢山のコメント、どうも有り難う御座います。全て有り難く読ませて頂いております。
昨今は年末ゆえの多忙時期にて、嬉しいコメントを頂いておりながら新しいエントリーを組めずゴメンナサイ。移動中、思い立ったアイディアを元にノートPCで色々と旬ネタ原稿ストックしてはいますので、推敲出来次第またアップ致しますね。是非読んで頂けたらと思いながらネタ出ししております。正直楽しい。

 ですがまず今回は、コメント返信という形で一つエントリーとさせて頂きますね。

 

戦闘が面白すぎる件 さん>
引用---->>
これを考えた奴こそ真の天才ですな(´・ω・`)b
<<----


 FF13の戦闘システムについてのコメントですね。有り難う御座います。
 好みもあるのでしょうけれども、オレ的にも大好きなシステムですねー。FF10も好きだったのですが、流れを組んでいる様に感じます。「こまけーこたぁ、いいんだよ!」って感じで大筋をリアルタイムにガチャガチャと忙しく指揮している感覚が楽しいですね。

 その感想に基づきまして、プログラマとしての経験上一つハッキリと言える事があります。
これは、プランナというよりもチーム全体の成果物であると断言して良いでしょう。この爽快感。このマッチング。カメラ。全てが実装前に仕様として確定していたとは流石に考えられません。論理だけで設計するには無理があるほどの高い完成度です。プランナーの原案が有り、デザイナからのブラッシュアップ案があり、プログラマからの冒険的なコーディングアプローチがあった筈であります。その全ての要素が高度に融合されなければ、こういった完成度には通常至りません。どこか偶然の要素で面白くなっている感もありますが、その解釈を着地点としてしまう人間は開発者素人と言って良いでしょう。原案からの発展過程においてはブレストを経た偶然的要素もあったでしょうが、それだけではここまでの昇華に至る事は出来ません。チームが一丸となって模索した成果物なのでしょうね。遊んでいて本当に楽しい。ちょっと尊敬しています。


通りすがりのアーキテクトさん>

少し古めのエントリ-、11月27日「現代ゲームプログラマが、批判満載コメント欄へ真摯にマジレスする(1)」へコメント頂きました。

引用---->>
このエントリ見て理解できずにとりあえず反論する老害がボトルネックなんだよなー。 ロケット飛ばすほど難しい話をしてるわけでもないのだが、既成概念の範疇を超えると全力でブレーキかける老害に屈すると組織的な壊滅を招く。それが日本。
逆に技術ってのは年々、楽になる一方(一般的には高度になりすぎると思われてるけど、基本、若手が一瞬で理解していけるほど簡易化、洗練化され続けてる)ので、老害が邪魔しなければ、日本の競争力はいつでも復興すると思うし、その時に資本力やマーケティングのバランスがあるかが大きな課題かと思う。
なので、このエントリ見て「?」な人は安心して滅して欲しい。
<<----

 「通りすがりのアーキテクトさん」。ちと乗っかります。
「ロケット飛ばすほど難しい話をしているわけでもない」なるほど的確な表現ですね。参考になります。強いて補正するならば「業界人にとってみれば」という接頭節を入れたい所ですが全く同意です。該当エントリーでは相当に噛み砕いたつもりでありました。汲み取ってくれて有り難う。

 コメント頂いた内容を要約させて頂くと、「技術の進歩がもたらすものは、生産性の向上を常にもたらす」と、まずは「端的」に解釈して良いですかね。その前提の元ではありますが、同様に全く同感です。簡易化、合理化、洗練を経た生産性向上。俺や俺の組織が最も重要に捉えている事です。「アイディア」や「キャッチーな映像」というものは、あくまでもこの土台の上に乗って初めて機能するものであると考えます。

前衛的な意見を頂いて、一つ思い出しました。このblogでここまで言うつもりは無かったのですが、帰国後に大半の日本技術者へ共通に感じた事の一つ「否定から入るコミュニティー感覚」がとても多い点を今でも感じます。慎重である事は大切なのですけれども、自分とは感覚が根本的に違いますね。また一つエントリー組めそうなネタを頂きました。いや、マジでありがとうw

 このエントリー辺りから、あんまり強い口調は叩かれるんだなと人工無能AIチャットソフトの様に萎んでいた俺ですが、こんな風に同意頂けると(同意文ですよね?^^;)お陰様でまたパワーゲージがマックスになりました。心強い。メル友になりたい位だ。
ストックしている毒吐き草稿を推敲してぶちまけたいと思います。ありがとう。


 コメント欄に返信するのと違い、推敲しながらなので多少時間がかかっていますが、ここまでを一旦エントリーとして上げてしまいますね。
引き続きコメント返信させて頂きますね。全コメント返信を目指します。


 さて、冒頭と終わりに駄文を挟まないと気が済まない俺の戯れ言日記を。
一年で一番恐れるべきクリスマスイブは何とか乗り切りました。
当日は本命->彼女DLL:Bのコンボのまさかのダブルイタリアン。で、後は翌日に回したのだけれどもDLL:Bに当日予定時間を変えてくれないか電話をした時にあんまり悪いので、彼女の都合の良い場所まで俺がタクシーで迎えに行く旨話したのだ。
その時にヤツが放った一言。
「あ、助かる!」

横にホープが居るのか!?とニヤけた。

FFネタばっかですまん!
全然進んでないぞチクショー!

現代ゲームプログラマが、FF13のフレームレートから業界事情をマジ語りする

 ここ2週間の埋め合わせとはいえこう毎日代わる代わるイタリアンデートに付き合わされていては幾ら何でも忙しない。前回からあんまりFFが進まないつかプレイする時間が無い。。。ストーリーを忘れてしまうよ!
コツコツなんとか4章までいきました。楽しい。ライトニングが彼女DLL:Bに似ていて本人にしか見えなくなってきた。なんか性格もちょっと似てるし。ヤツはPS3持っていないのでこの事は知らない。もう一度言うが俺はMじゃない。

 その上、これだけ呑み食いしていては太ってしまう。俺は結構太り易い体質なのだ。
運動や筋トレは大好きなので色々と頑張りながら常にベスト体重から1~2段下の体脂肪率を20年保っているが、それでも油断するとすぐに2kgくらい増える。
忘年会シーズンなんて大嫌いだ。嘘だ、大好きだ。

  前回のFFネタエントリー「外資系現代ゲームプログラマが、国産代表作FF13でお茶吹いた」において、興味深いコメントを頂いたので一件エントリーを組んでみた。
無記名の方からのコメントでしたが、エントリー作りのヒントになりました。有り難う。


 前回、まだ序盤ではあるがその時点までに判断できる事に限って言えば、FF13は総合的に大変な傑作であるという褒め褒めエントリーに対し、以下の様なコメントを頂いた。

 くだんのコメントだ。

>4. 2009年12月19日 13:31
>リアルタイムシーンの
>フレームレートの低さは気にならなかったんですか?


 なるほど。
これは確かに提供者としての意識をお伝えしておくべき内容だ。

 フレームレートという表現だけが先行している感があるが、通常、あくまでも「良質なゲームにおいての通常」は、フレームレートと引き替えに画像クオリティが高まっているという事を認識しなければならない。単に技術不足なメーカーが処理落ちしまくっているゲームを作っている事とは異なり、ここはトレードオフの問題なのだ

 我々プログラマは、開発の早い段階においてチーム全体にある決定を迫る。「フレームレート維持」か、「雑誌掲載受けを重視するか」。
タイトルにより千差万別であるが、まあ大まかに言えばこの様な内容だ。

 レースゲームを担当しているチームなのであれば、答えは自ずから前者になるであろう。チーム全体がそう思う筈だ。我々プログラマ側からの設問はあくまでも形式的な物になるであろう。フレームレートガタガタのレースゲームなんざプレイ出来たモンではない。
 アクションゲームならば事情はやや微妙だ。競合作品との瞬間静止画での競争力の為に常時30フレを選択するタイトルが大半を占めるであろう。
しかしFPS等はこれを許さないユーザーも多い。

 フレームレートを落した方がより多くのリソースをレンダリング出来る点は言わずもがなであるが、ともあれ低フレームレートは雑誌向けの静止画などにおいて大変に有利だ。広報スキルが激しく売り上げを左右する現代ゲームにおいて、高フレームレート維持をプログラマの意地だけで選択出来る時代ではない。
大半はまず政治であり、そのゲームジャンルの方向性であり、最後にプログラマのマンパワーが発揮される。どの選択枝においても我々プログラマの仕事は変わりはない。最善のパフォーマンスを目指すのみだ。

 勿論、ジャンルによってチューニングの方法は異なる。
ここは少し、プログラマのパフォーマンスチューニング事情にも触れてみよう

 所謂無双系であるのならば、まずはデザイナ陣へ高度にマテリアル最適化を促した上で、姿勢行列パレットの更新のみで次々と何百体ものスキンモデルを描画出来る様にエンジンをカスタマイズするであろう。各個体の姿勢行列は当然ダブルバッファだ。恐らく100本以上にもなるボーン行列の更新は別のコアの仕事となり、描画パケットとしてキックしていく仕事とは分ける事になる。ここに物理系のエンジンが介入するならばトリプルバッファも視野に入れる。
レースゲームであればスキン系のシェーダー起動を最小の優先に落とし、まずは地形情報に特化した設計となるわけだ。動的ロード及びマテリアルソートは当然。かなりの遠方までレンダリングしなければならない以上、手前から不透明物を描画。全体描画フェイズのかなり早い段階でシーンZ値を確定し、ピクセルシェーダーの起動回数を大幅に制限する事になるであろう。

 この様に、フレームレートの決定にはまずはジャンルによって様々な実装方法があり、デザイナの求めるリソース量が有り、何よりも政治的広報的な理由があるのだ。


 FF13を見てみよう。

 なるほど確かにプリレンダのムービーは腰を抜かす程に美しい。
しかし、リアルタイムのシーンへの移行後はフレームレートが落ちている。


 hmm。だから何だというのだ?


 いいか?良く聞くんだ。
RPGなのにここでFF13が強引にフレームレート維持方針を採っていたならばどうなっていたのか、それを超リアルかつ超マメにシミュレートして差し上げよう


 まず、制作されたムービーがあり、リアルタイムシーン班が動く。
現状のFF13ではプリレンダと相違無い程にモデルが素晴らしい。これはFF12辺りでもかなりの職人技であったが、更に昇華されている。一般の人には見分けがつかないのでは無いかという完成度だ。

 フレームレート絶対維持であるのならば、まずはここへ大幅な手が入る。ポリゴン数は3分の1。背景シーンは4分の1だ。PS3ではバーテックスシェーダーが使い物にならずSPUが代行している。SPUには他にも沢山の仕事があるため、まずはポリ数が削られていくのだ。

各種ポストエフェクトも大幅カット。
まずはトーンマッピング。平均輝度を求める為の全スクリーンピクセルシェーダー->半スクリーン->8分の1スクリーン->etc.平均輝度算出後の再度のフルスクリーンピクセルシェーダー。だいたいこれで合算3ミリ秒かかる。即カットだ。これにより色味に味も何もないPS2の様なクオリティへ落ちかける。

 シャドウ系も投影のみだ。キャスターは主人公達のみになり、レシーバーは背景のみになる。「主人公達の影だけが背景に落ちる。勿論主人公達自身の足や腕には影がおちない」という事態だ。所謂PS2だ。

 被写界深度系は単純な処理ではあるが、やはりフルスクリーンQuad走査だ。2ミリ秒程度か。渋々カットだ。ここで単にポリ数の多いPS2と化す。

 ポストエフェクトは残すところブルーム等がある。まあこれも数ミリかかるが幾ら何でも切れない。が、これしか残っていないためやたら係数を上げて、無駄にビカビカさせるしかない。HDRなんてやっていないけれど、やっているかの様に見せなければならない。もうピッカピカだ。道ばたに落ちている白いゴミ箱とかもビカビカに光る。
まぶしいゲームだ。
まさにPS2後期のゲームだ。

 ここまですれば全編においてフレームレートを維持したFF13が出来上がるであろう。超美麗なムービーの後に、イキナリ前時代へ立ち返った様なギャグとしか思えない素ポリのビカビカ光るローポリゴンシーン、だけれども「ヌルヌル動く」リアルタイムデモが流れる。


 こんなん、世界中が悲しいわ!w

 

 まあ面白おかしく書いてはみたのであって、少し大げさな点は申し訳無い。
要するにここまでとは言わないまでも、十分に優れたプログラマが担当しているプロジェクトにおいては、フレームレートだけに目を向けさせてしまった場合にはこういった悲劇が現実に起こりうるのだ。
この辺りはまさしくバランス感覚であるのだ。
静止画を綺麗に見せたい。しかしフレームレートは確かに高い方がユーザーは嬉しい。だからと言ってそれだけに注視していては販促で不利になる。

 この辺りのバランス感覚は各社のスキルであると言って良い。俺達も俺達なりの方策を持っているが、FF13が採った決断に何の不満点もありはしない。

ここまでのプレイで見たところ、最大で瞬間最低風速20フレ程度にまで落ちているかな。15は無い様に思うが詳細はともかく。

 ほんと、だから何なの?
プリレンダに迫るほど綺麗じゃん!
腰抜かすほど綺麗じゃん!
そもそもデモじゃん!
ライトニング超可愛いじゃん!

 

最後の一行は、俺の性的な戯言なので無視してくれ。
つーか、無視しろ。
お願いだ。

 

 

外資系現代ゲームプログラマが、国産代表作FF13でお茶吹いた

 帰国したばかりなのに彼女全員のデートの誘いを断り、足早に帰宅するゲームプログラマの鑑の様な俺。今日はFF発売日。ちゃんと届いていたぞGJヨドバシ。

 話題作なので予約していた訳だが、先程から我が家の52インチ最高峰テレビ&サラウンド大音量にて堪能している。
うん、すんごいなコレ。間違いなく世界レベルだ。スタッフ達の本気と心意気が伝わってくる様だ。本物のプロの仕事だ。


 「国産シネマティック」という意味を独自に昇華させている。海外ユーザーにコレを見せても確かに入れ食い状態では無いであろうが、日本人のツボを抑えまくっている。下手にグローバルに媚びず自分達の路線を大切に想ったのであろう。これはまさに正当な進化だ。

 最初に言っておくが、まだプレイ開始から1時間程度だ。
肯定も批判もその範囲である点には留意してほしい。


 俺は大好きだけれども、
主人公の美人キャラ、ライトニング(?)
彼女があれだけ派手に強く戦闘シーンのアイドルモーションがダンサブルな点でまず海外には否定要素だ。欧米ユーザーはリアリズムを好む傾向がある。


俺は大好きだけれども、、、
主人公の美人キャラ、ライトニング(?)
まだ物語の何を知っている訳でもないが、彼女の陰のある美的表情に説得力が見いだせていない。欧米ユーザーは現実感を好む傾向がある。


俺は大好きだけれども、、、、、、、
主人公の美人キャラ、ライトニング(?)

すまん。素敵過ぎる。
欧米ユーザーがナンボのもんじゃ知ったことか
俺が好きならそれでOK!
生まれて初めてCGに恋をしそうだw


ちなみに、彼女DLL:Bにちょっと似てる。。。アイツの株がまた更に上がり脳内本命合戦が揺れてきた・・・。参考エントリー。

更にちなみに、彼女DLL:Cは別れた。参考エントリー。

 

馬鹿話はともかく、この日本の誇るべき傑作について、プレイ一時間ながら感じた事をもう少し。
まず、体験版では死にそうであったカメラも改善されているし、操作感も良くなっている。体験版見た時には政治的なタイミングが悪すぎてスタッフぶち切れているんだろうなーという完成度ではあったが、あそこからここまでの短期間で、ここまで持ってきているとなると・・・・彼等の凄まじい死に物狂いの大変な状況が文字通り経験上目に見える様だ。
まずは何はともあれスタッフの皆さん、お疲れ様でした。いちユーザーとしてもゆっくりと楽しみたい。素晴らしい作品を有り難う。


 相変わらずデザイナー陣営の巨大さも伺える。
シーン毎にモーション班の癖が強く出過ぎている事から、もっともっと調整したかったのであろう無念さがとても良く伝わる。これはつまり、余りにも大人数が関わりすぎているのだ。マンパワーで乗り切らざるを得ない政治的事情は致し方ないが、調整の時間が取れていない無念さを感じるよ。気持ちはよく判る。俺達もよく見舞われる悩みだ。
が、これは悪い意味で言っているんじゃない。上からの圧力によりまた泣かされた現場の人達が居たのだなとしみじみ思うのだ。俺達現場はいつもそうだよな。もっともっと納得いくまで作りたかったし、もっともっと拘りたかったのだろうな。
これはまあ業界の人間にしか判らない事ではあるが、それでもうん。FF13モーションチームはそんな事情の中でも一級の作品に仕上げた。流石だ。


 それからプログラマとして少し。

 シェーダーチームがもの凄く良い仕事をしている。色々と工夫している。
まだチラ見程度ではあるのだが、「ここはどうやっているんだろう」と俺も思う箇所が少しあった。上手に調整しているなー。

 最高にGJな点はシーン管理だ。
ここを担当したプログラマは確実に天才だ。
まあ通常はリードプログラマなのであるが、この規模だとそれも判らない。

 うん。いちいちシームレスなのであるが、これは口で言うほど簡単な実装では無い。簡単ではない上に芸も細かい。例えば、イベント戦闘シーンの様にシーンモーション満載のバトルへシームレスに繋がり、その戦闘終わりにまたもや今度はストリーム台詞付きのシーンイベントがオーバーラップしてくるという懲り様だ。
ナメてんのか。クォリティー高すぎるだろw
時間もあまりない開発であっただろうに頑張り過ぎだろ。まさにGJ。
この辺りはやってみれば判るが、真に商業レベルで実装しようと想うならば相当な設計力を求められる。サンプルプログラマ連中には永遠にこなせないプロ足る仕事だ。


いやー書いた書いた。
まだプレイ始めて1時間ちょっとなのだけれども、久しぶりに国産パワーの凄まじさを感じたもので、この業界人目線での感覚覚めやらぬウチに読者の皆さんにお伝えしなければ!と、ついプレイ中断して(ポーズ画面のままw)書き殴ってしまった。
(なんて読者さん想いの俺!寧ろこの事実の方がGJじゃね?w)

 外資としての立場からは心理的に微妙だが、やはり日本メーカーは驚異だ。ウカウカしていられないなこれは。このゲームは自分が業界人という立場を忘れて楽しみたい、そんな新鮮な気持ちを頂いた。

俺達もそんなゲーム作りを思い出さなければいけないな。

 


コメント沢山有り難う御座いますね。
また近く拾っていきたいと思います。

 しんさん>
ただいま!

 


 

時差ボケゲームプログラマが語る、現代デバッグ術・・・は、眠いのでまた今度

 いよいよ一年で最も恐れなければならない「クリスマス」が近づいてきた。恐ろしい。気が気ではない。スケジューリングにおいて毎年理論的説明が破綻するのがこのクリスマスと俺の誕生日だ。無理がある季節なのだ。辛い。今年はどうしようかな。曜日も悪いし・・。
現状無策。このシーズンは頭が回らない。

 海外出張だと言ってもパスポートを見せろとせがむ女が今現在確実に二人いる。無理だ。この内の一人は先々週俺の会社の前で2時間待ちやがった。本命以外では一番気に入っているヤツだけに悲しい。もう切るしか無い。

 ここで無理矢理この危機感をゲームプログラムに例えるが、危機管理として俺は徹底的にassertを仕込む。オンスクリーンassertもとても有効だ。
 勢いでノウハウ出しちゃうが、色々なメソッドにどんどんとassertを仕込むんだミンナ。どうせリリース時にはノーコスト。活用するべきである。
 「ノウハウ」言ったからには更なるメリットがある。どんな機種でも、今現在「デバッガが起動されているか」そういったロジックをマクロかもしくはインライン関数がある筈だ。無いのであれば実装されるまで待て。最近ではPSPが環境変化でその機能が消えたな。
それはともかく、ソースコードに仕込んだassertメッセージを、exe再起動し画面に表示してやる事が重要だ。コンソールに出力して満足している様では、リードプログラマとして心もとないぞ。デバッグ会社を上手に活用する為には、assertメッセージを画面に出力しデバッガーへ認識させ、それを報告させる事が絶対に必要な機構だ。

 さて、、どんどんと話が逸れる。

 ところで、帰国した後にこのblogプチ炎上の元になった2ちゃんのスレッドを開いてみた。

「DAT落ち」

なんか逆に失礼だw
もっともっと反論は無いのか。誰かもっと喧嘩売ってこい。^^;


それで思いだしたと言うか忘れていたのだけれども、
以前に討論つきあってくれた「失業中のチーフ」さん。
もしまだ見てくれていたら、コメント下さい。
(俺の番だったんでしたっけ・・・)


さて、少しづつコメント拾って寝ます。:D

現代ゲームプログラマのサブウェポンたる英語

 日本に残した彼女DLL達がぶーぶー言っているのでそれぞれへの土産代、旅先での白人元カノ全日飲食代。洋服もアバクロ等は本国の方が遙かに安いのでこういう機会にかなり買い溜めているのだが、なんやかんや計算してみたら莫大な出費で吹いた。
 お久しぶりです。無事に帰国致しました。


 まずはのっけから相場トーク。国家規模のインサイダー恐るべし。
 先週出発日に発表されて気になったのだが、財務省発表の対内外証券状況が外国人買い越し6300億円超。狂ってるつかこれは少なくとも俺は見た事の無い数字だ。この時期、通常向こうの投資家はホリデーモードで薄商いが通例なのに、これは絶対に何かあるに違いないとメガバンク系買い金売り及びヘッジで225ETF売りを仕込んでから出発。
 今朝一番、「銀行の自己資本規制強化」に関するニュース。大型材料それ見た事か、やっぱりだ。三井住友ストップ高、UFJも買い気配で寄らず。他ヘッジ含め10時過ぎにこのポートフォリオは全て利益確定手仕舞い。今回の旅出費がゴミに思える。やはり外資のインサイダーたるや半端ではない。


 久しぶりのエントリーだが、上記の相場ネタも含め今回はやや「ゲーム業界」というカテゴリーからは離れ、いや業界を俯瞰で眺める様な感覚で書いてみたい。


 今回は、これからのゲーム業界で走り続けて行くための心強い味方になり得るであろう武器、英語について触れてみよう。以前のエントリー「ゲームプログラムと英語の親和」は単に言葉遊びではあるが、併せて参考にして頂ければと思う。


 輝かしけりゲーム業界黎明期においては、我が日本はその技術力、発想力において世界中の何処にも負けない独走態勢の圧倒的存在であった点は皆も疑わないかと思う。
挑戦的なゲームアイディアを次から次へと創出し、また海外からも積極的に堂々とパクった上で昇華させた。元来「オタク指向」に近いと言えるであろうコツコツ型の我々日本民族にとり、手に入れたその玩具は肌に合っていた。技術革新も目覚ましかった。日本人プログラマにとっても、地道なパフォーマンスチューニング等がきちんと作品上へ反映されるその玩具は取り組み甲斐のある物であった。

 反面、モグラ叩きでもしている方が楽しい様なアイディアへ「汚い綺麗」を語る以前のグラフィックスを載せ、バグ満載でマーケットへ送り込まれる海外産のゲームもまた溢れていた。
 これらを尻目に、我々日本ゲーム産業ではアイディアが技術の躍進を求め、編み出した技術がまたアイディアを創出していく。まさに輝けるスパイラルであった。

 振り返ってみれば、日本では「ファミコン」が一般家庭に深く深く浸透した事が始まりだ。これが、優れた技術者やプランナーを産み出す重要な土壌となった訳であるのだが、海外にはここまでスマッシュヒットしたハードが無い。やがて迎える黎明期において、この点で日本の開発陣にはアドバンテージがあったと言えるであろう。
 若い技術者の早期取り込み、ファミコン世代が培ったアイディアの土壌、緻密なドット絵魂を持ったデザイナーの出現。やがてスプライト機が終焉する迄の長い間、日本は技術的にゲーム市場を独占していた、とは言い過ぎだとしても、かなりのペースを保っていた筈だ。


 しかし時は移り変わる。

 緻密なアセンブリゲーム作成やドット絵職人の時代が終わり、ゲーム制作はやがて職人技よりも合理的設計力が求められる大容量、高性能時代へと変貌を遂げる。
合理性理論において海外陣営はひけを取らないどころか、いつまでもアセンブリ原始プログラミング思想から抜け出せない懐古シンドローム技術者が深刻な程にまで溢れた為に、この時代変換点でのスタートダッシュに大きく出遅れたのだ。

 勿論当時や現代の日本においても優れた技術者は沢山存在するのだが、母数が違う。これにより、優れた技術文献は英語ばかりという状況が生まれたと言えるであろう。


 実際に現代の日本においては、コンシューマ技術の中核等が話せるコミュニティーや、ソースコード付きのxnaアプリで沸くサイト群等が不足していると言えるであろう。実戦に耐える参考資料が欲しい場合には、やはり自分で海外に探しに行かなければならない。

 英語が実用レベルに至っていなければ資料へ辿り着くにも苦労するであろう。例え何かが見つかったとしても、純粋にその技術を吟味する前にもう一段壁がある事になる。これは大変効率が悪いと言わざるを得ない。


 そこで皆さんに英語習得を強くおすすめしたいのだ。
特に20代で技術もまだまだ勉強中という様な方は、もう今スグに始めなければならない程であろう。「若いほど脳が柔軟である」という通説が本当かどうかは知らないが、若い内に始めるに超したことは無い。
勿論、これはプログラマに限った事では無い。3D編集ソフトも高度化している現代だ。デザイナーが優れたプラグインを探すのにも大変有効であろう。


 これからの時代は、最先端技術に近い情報ほど英語資料しか見つからないといった傾向にますますなっていくであろう。「日本語に落ちてくる情報は世代落ちばかり」となった世の中で、ますますグローバル化するこの市場を勝ち抜くことは難しい。
この業界にて本気で生きていくつもりであるのならば、出来る限り早めに備えて置くことが必要だ。


 漠然と「英語を習得する」と言っても、何処から手を付けて良いのか判らない方も居るであろう。実際俺もそうであった。

 まずはっきりと認識しなくてはならない事があるが、「英語」と「英会話」とはもはや違う学問であるとでも捉えた方が良い。俺が「英語」と表現した際はあくまでも後者のみを指していると踏まえて欲しい。日本に蔓延る受験英語の様な物は全て忘れて構わない。最終的に英語の文献を読み解くにしても、まずは「正しい英語で会話が出来る」というステップが必要なのだ。

 日本の学校英語の様にいきなり分厚い文法本にメスを入れていく様な愚か極まりないやり方では、断言しよう、永遠に英語など身につかない。
日本語を学び始めた外国人に「てにをは」から勉強させる様な物であり、非効率を超えてもはや愚かだ。大切なのは「意志を少しでも伝えること」「少しでも相手の意志を理解すること」であり、言葉尻だの文法などはその成果物として得ていく物であろう。


 こういった事を踏まえ、まずは「英会話」を一定のレベルまで上げる事が重要だと思う。それも「短期間で集中的に」という事がとても重要だ。
英語に限らず語学という物は、スキルがある一定のレベルに達すると、そこから先は知識が自走していくのでインプットの窓口が格段に広がる。日常でも英語に触れられる環境を保ちさえすれば、映画や読書や外国人との会話から自然に知識を吸収していけるのだ。この段階にさえ入れば基本的に年中勉強しているという感覚は無くなり、代わって自然と知識が増えていく。

 俺自身も当時はかなり一生懸命勉強したものだ。1年程はかなり集中的にもがいた。2年目もペースは落とさなかったが効率はどんどんと高まっていった事をよく覚えている。それ以降は日常的な英語環境を保つ努力は続けているが、特にまとまって勉強したという事は無い。


 これからの時代は英語は重要な武器になる。
是非検討してみて欲しい。

そしてあわよくば、GDCでは現地で会おうじゃないか!

 

 

 

睡魔に耐えられる限り、溜まりに溜まったコメント欄へ全マジレスしてみる

沢山の訪問、コメント有り難う御座います。
2ちゃんの「ゲハ板」というカテゴリーに先日書いた次世代Wii記事が引用された様で、アクセスが急に増えて驚きました。

沢山ご指摘受けている様に「半分ゴシップ、半分本当」みたいなネタを安易に書いてはいけませんでしたね。
その点は反省しています。ごめんなさい。

だけれどもそれ以外の暴言には割とテンション騰がってますw
(ちなみに英語では「テンション」は「騰がる」モノではありません。)

色々叩かれていますが、批判等諸々大歓迎です。
blogは読んで頂いてナンボですからね。

さて、続きをレスしていきますね。
これからお礼書き込みしますがコメント頂いた皆さん、どうも有り難う御座います。
なるべくマメに更新しますので、よろしければまた遊びにいらして下さいね。

「ゲームの面白さ」を産み出す土台作り、プログラマからのアプローチ

 来週明けは少々休暇を取った事もあり、今週は結構な忙しさだ。DLL達もイベント待ちのワーカースレッドの様に放置せざるを得なく、すると俺自身もビタミンが取れない為脳内満足度が下がる。仕事は好きだが仕事ばかりはイヤだし、遊んでばかりでも仕事がしたくなる。八方美人なので、何かに長時間縛られると事が嫌いなのだ。この様な時にはその状態に対する反骨心の様な力で集中力も効率も高まるのだが、酷く疲労してしまう。

 さて、そんな時には楽しい事を考えてみたい。
「楽しい事」と問われた場合に我々が真っ先に口にしなければならない模範解答、それは勿論ゲームであるのだが、今回は提供者として考えなければならない「ゲームの楽しさ」について触れてみよう。

 書き始める前にまず、「ゲームの楽しさ」というとても抽象的な成果物、これについて正しく理解、創造し、マーケティングに載せていく事は尋常じゃなく難しいと言わざるを得ないであろう。勿論俺自身もファイナルアンサーなんてものは持ち合わせていない。であるからこそ、真剣に考え取り組む事が大切なのだ。
 故にこの広大なテーマに対しいきなりエントリーを組んでしまう事はいくらなんでも風呂敷の広げ過ぎであろう。

 よって、今回はゲームプログラマが考えるべき点、取り組むべき点を連ねてみたい。
前フリになりそうな以前のエントリー「ゲームプログラマ、デザイナ、プランナ、それぞれの距離感」辺りも併せて参照して頂ければ有り難い。

 そもそもマーケットで勝負出来る近代ゲーム制作というものは、プランナーが考案しプログラマーが実装するだけのものでは有り得無い。綺麗事を言う様だが、デザイナも含めたスタッフ全員が「面白くしよう」という志の元に、個人個人が自分に出来るアプローチを考え提案し続けていかなければならないと言えるであろう。
プログラマであるのならば、例えばスクリプト班がトライ&エラーし易い環境を提案実装する事も良いアイディアであろう。いきなりオンスクリーンレベルエディットまで載せろとは言わないが、オンスクリーンでのパラメーター調整程度なら実装も容易い筈だ。再読込無しで瞬時にレベルリスタート出来る事も大切だ。実装の初段階からゲームの最終形を真剣にイメージし、その上で設計を心がけていれば難しい事ではないのだ。

 大抵の開発機には実機の2倍程度のユーザー有効メモリを持っている。この領域の用途を各人が任意に選べる様にしておくと良いであろう。ソニー機にはディップスイッチがあるのでこれを、360等ではHDDへプロファイルを置くなどする実装が簡単で良いのではないか。俺はこの領域をファイルキャッシュに使う選択枝を常に用意している。勿論他の用途へ任意に切り替えられる機構とセットでだ。ファイルを司る何かしらの実装が裏で面倒見る形にするだけで良いであろう。
ゲームが進行していればレベルリスタートの際にどうしてもリソース再読込が発生するケースがあるが、その様な場合でも一瞬でリトライ出来る事の意義は、スクリプト班にとってもプログラマにとっても大変大きいと言えるであろう。

 マルチプラットフォームである事も、面白さを追求するためのコミットだと言える。
 とかく誤解されがちであるが、マルチは単純な商売上のメリットをもたらすだけでは無 いのだ。
 どの様な機種であっても、基本的にはWindows環境でビルドした結果をターゲットに転送した上で実行させる事になる。360やPSPはこの部分がそれほど苦にはならないが、苦にならないと言って快適でも無い。Wiiも似た感じだがこの機種辺りからターゲットのイニシャルがもたつき始める。PS3は最低だ。壊れたのかと思うほどに待たされた挙げ句、起動に失敗する事も多々ある。パッドを窓から投げ捨てたくなる事も希では無い。なんでソニーはいつもそうなんだ。
 この様に、どの機種を使っていてもターゲットとの常時連動は少なからず効率が犠牲になっている。無駄にしなくて良い時間が無駄になっているのだ。

 ここで、「作った結果がどの機種でも同じ様に動く」というマルチの強さが発揮されるのだ。アプリケーションチームもスクリプト班も基本的にWindows上でビルドしたWindows版にて制作を進めるのだ。速い早い速い。起動も種々ロードもアッという間だ。加えて必要以上に高価な機材を抱え続けている必要も無い為予算にも優しい。

 プログラマもスクリプト班も日に何度か実機確認すれば良い。勿論厳密な実機デバッグフェイズは必要であるが、通常の開発時においては大変に効率的なアプローチであると言えよう。


 さてここまで、あくまでも効率化についてしか語っていない様に見えるであろう。実際にその通りだ。だが、「面白さを追求する」という事はその前にまず「軽快に心地よく開発出来る」という前提が無ければならないと言えるであろう。
愚鈍な開発環境、数値を調整する度に再起動、一貫性のないデバッグ操作、洗練されていない環境下で面白さを追求する事など出来やしないのである。
短距離走を速く走る為のフォームを研究する前に、まずその重い靴を脱ぐべきだ。

 今回はとっかかりとして、まずはここまで書かせて頂いた。「ゲームの面白さ」という広大で難題な問題を取り上げる前段階として、我々プログラマが出来る、やるべき事について連ねてみたが如何であろうか。

 

 さて、まだ余りコメント拾えていなくてごめんなさい。

 以前のエントリーに記した通り今週末から休暇をとって米へ小旅行に。しかし白人女性の下りについて余りにも誤解されたしまった様なので、少し顛末を置いておこう。コメント有り難うございます。失礼しました(汗 

 くだんの女性は所謂元カノであり、口止めにメシを奢るというのは現地の友人グループへ、こんな息巻いたblogを書いている事をバラされたく無いからという事なのです。お恥ずかしい事です・・・。俺の貞操感の破損状況は彼女も以前から知っているので、そこは問題ありません。滞在中彼女の飲食は全て奢る事になってしまっているし、ラブリー云々の下りはまあそういう事もあるかもしれないけれど、基本は皆に久しぶりに会って呑んだくれる&洋服類買い物旅行な感じです。
今回は完全プライベートなので挨拶に顔は出すけれど仕事はないし、ゆっくり楽しんできます。

 

 

 

2ちゃんブラウザが快適過ぎて吹いた

コメント欄の書き込みを読んで初めて知ったのだけれども、「ゲハ板」というのがあるのか!
2ちゃんって、まとめサイトの笑える話系と株系程度しか見ないので知らなかったけれども、このカテゴリーは面白そうだ!なんかすげーコアな話題が溢れてる。日本にもこういうコミュがあったなんて意外だ。
色々見ていたが余りにも読み辛かったので、初めて2chブラウザというモノをインストールしてみたよ。ギコナビ。何この快適環境。流石この規模のネットワークだな。周辺ツールにも力入っていてマジで感心した。

 そんで、なんか急にアクセスが増えて変だなと思っていたのだが、スレッドがあって吹いた。言いたい放題言われてるw

 折角なのでこのスレッドから少しピックアップしてみよう。


 まずちょっと気になったので明言しておくが、Wii周辺守秘義務関連。
ぶっちゃけ俺の持っている情報は会社経由では無い。そもそも会社そのものにも全く情報来ていないからな。ほんとに情報欲しいんだけれどね。
で、あんまりにも出ないので組織的に全く関係の無い現地の友人プログラマから、交換条件で軽くゴシップ的に情報もらったんだ。具体的な内容では無かったけれども、本当ならとにかく笑える話だったのでエントリー組んでみたのだよ。それでも流石に具体的には書けないが。

 あと、ガジェットガジェットってなんだ?ガジェット通信か?
あそこには記事応募したけれど採用されなかったw 放置されプレイ中。

「アタシ的」は笑えるエピソードが。
まだ出来たてのblogなのでさ、アクセス数ちょっとずつでも増えればなと各所の記事に一言二言ちゃんとコメントしていた中のサイトの一つなのだけれども、相互リンクお願いしたんだよ。先ず自分の所にリンク張ってさ。
そしたらいつの間にか潰れてた。どうなってんだよw
もう相互リンク面倒だからいいやーと、自分トコのブックマーク放置していたわ。


 またなんか在ったら拾ってみよう。
いやしかし、ホントに失礼だな^^;

泣きながら書け。マルチ設計におけるPS3での最適化事情。

 マルチプラットフォームフレームワーク設計においてPS3での最適化事情について一件エントリーを組んでみよう。

 以前のエントリー「マルチプラットフォーム開発の現場の実情」において、PS3アーキテクチャについて散々吠えさせて頂いたが、コメント欄への質問に答えた上でもう一吠えさせて頂く。

alさん、コメント有り難う。
以下、引用です。

> al 2009年12月06日 22:04
>どうも始めまして。
>現在会社で始めてのPS3開発を行っている者です。
>
>全くもって記事とは関係ないことで恐縮なのですが、
>PS3を含めマルチに関することにお詳しいようなので質問したいことがあります。
>
>PS3アーキテクチャがとにかく開発しにくいということは周知の事実なのですが(ってかSPU)
>現在高速性のためにポインタがかかれているコード全てに対して、
>エイリアスのチェックをなくすために __restrict__修飾子を
>ポインタのコード全てに埋め込んでいるところなのですが
>正直なところこのようなコードは高速性と引き換えに
>可読性、移植性が損なわれてしまい個人的には書くべきではないと思っているのですが>、
>他のPS3デベロッパーも皆そのようなことをやっているのでしょうか?
>
>PS3という開発のためになんでそこまでしないといけないのかという気持ちでいっぱいです。
>時間がある時にでもお答えいただけると幸いです。

 正直言ってこれはチームが何を重視するのか、そういった問題だと思います。ご存じだとは思いますが、どんな機種でも最大性能でドライブさせる為には結局の所アプリ完全特化でエンジンを書いていくしかありません。ドライブゲームとRPGを同じ最適化理論では語れないのと同じ理由です。

 あくまでも俺個人の経験上の話ですが、設計理論美的化や最大効率追求、目先のパフォーマンスをひたすら追い求めているチームは失敗します。
 新人に与えても直ぐにモデル等が描画出来、そこから先もある程度自由にアプリを設計出来。その上でそこそこのパフォーマンスも出る。ここがまず第一の着地点でありましょう。
 アプリによってパフォーマンスチューニングを重視したい箇所は変わります。こういった方面へ手を入れられる様に、ユーザーカスタムシェーダーへの受け入れインターフェイスや、モジュール差し替えや上書きが簡単になっている事も良いアイディアでしょう。

 しかし、このスタンスに基づいたエンジンで作成されるゲームは、例えばPS3の事だけを考えてPS3に特化しまくった様なアプリと比較すれば、それは勿論厳密にパフォーマンス勝負では勝てません。
 しかし生産性では圧勝です。この辺りはメーカーとしてのスタンスに依存するでしょうが、我々は生産性を重視しています。こんな時代ですからね。。

 あくまでも俺個人の見解ですが、ライブラリ本体は勿論、アプリチームにまで restrict キーワードを強要する様な設計方針は取りません。
最も重要な生産性を犠牲にする位ならば、目先のパフォーマンスを拾わない点は十分に理にかなったコストとして割り切る事が出来るでしょう。その事が直接ユーザーの不利益になるとも思いません。

 また、リソース量をPS3に合わせて設計する事も検討する価値のある解決方法だと思います。性質上バーテックスシェーダーの肩代わりをさせられ続けているSPUに特化した演出も機種間では問題になるでしょう。水面表現等は如実に共通化し辛い部分ですね。
 もう一度結論ですが、あまりに縛りの多いコーディングルールの敷設は、それを行うコストとリターンをよく考えてから実行するべきだとは思います。

 

 さて、コメント返信終わり。
読んでくれている方と話す時には小心なオレ。言葉遣いが緊張しちゃうのだ。

 ホントもう世界中の現場ではalさんや俺の様にPS3への嘆きでいっぱいだ!
PPUスレッド2本ってどーゆー事だよ!あとはSPURSでチマチマお願いしますサーセンwってか?
あるある詐欺じゃねーか!節子それコアちゃう!!

 まあ360のタイリングも結構面倒くさいけれどな。EDRAMを32メガにしてくれるだけで世界中のプログラマが幸せだったのに。

 でもXBOX360とPS3はZバッファへのアクセスが簡単なのでそこは好きw
つーかWindowsDirectXにも結構文句在るぞ。なんでZテクスチャ作るのにWindows版だけマルチレンダーターゲット使う羽目になるんだよ面倒くさいなぁ・・・。まあデバイスドライバ経由するから仕方ないのは判るんだけれどもさ。。

 全機種で理論的に一致したコードを書ける日が来るのはいつだろう・・・。


 さ、吠えた吠えた。
今日は久しぶりに本命彼女DLLをロードするぞ。他のモジュールはスワップ状態で寝てろ。寝ててくれ今日は。頼む。最近君達ピンポイントで電話入れすぎ。エスパーか。


 最後になりますが、ここ数日急激にアクセスがあり驚いています。嬉しいです。
沢山のコメントも有り難う御座います!遅筆なもので申し訳無いのですが、質問っぽいものはなるべく拾って返信します。

 


 

ゲームプログラマとして出世するという事。成功するという事。

 前項で披露した俺の女関係失態と次世代Wiiネタについて
まず、次世代Wiiネタ真相について幾つかのコメントやメールを頂いたが、それはまあちょっと待ってくれ。その辺りは大手速報サイト等でも情報の片鱗は得られるであろうが、個人的に適当に見渡してみた所それらの一部はほぼ本物の情報であった。だが、今はその位で勘弁して欲しい。
 暴露エントリー置いておいてこんな言い方もなんだが、「今」全部書いたらこのブログが潰されてしまうw
 大切なこのブログを、その辺りに転がる安っぽい速ネタ競争サイトにはしたくはないし、そもそも俺が暴露したいのは業界に蔓延る悲しい現実だけなのだ。もちろん自分の所属するこの世界が良くなって欲しい故なのだ。
 任天堂の公式発表と同時に問題点をめっちゃめちゃ並べるつもりだ。それは悪じゃないからナ。但し、次世代Wiiと噂に聞くそれのスペック等が現時点から改善される可能性もかなりある。任天堂のハードウェア的センスは前項同様最早皆無だが、昔と違い今では世界一パーティーに優しいメーカーでもある。もう一度ハードウェアへ修正を入れる事を期待している。 俺のblogをチェックして頂いている皆さんへは、タイミングを見た上で現場からの現実をお届けしよう。

 さて、今日は初心に返って第一項からネタを抜粋してみた。

「ゲームプログラマとして出世するという事。成功するという事。」

 我々が属するこのゲーム業界、そしてその中枢を成すプログラマという立場を今日は「職業」として語ってみよう。

 以前にも触れたが、日本人として日本の組織に所属しているゲームプログラマの立場は、お世辞にも正しく評価されているとは言えないのが現状だ。また、我々外資の人間にもある意味において当て嵌まる事でもあるので、この場は等しく「ゲームプログラマ」と表現しよう。

 我々「ゲームプログラマ」とは勿論単なる処理フロー管理人では無い。柔軟な発想力、理論的思考、合理的な運用力、なるほど確かに求められるスキルは他の頭脳系職業と同じ言葉で表現する事が出来るが、その深さは比べられるものでは決して無い。
 「ゲーム」。これはとても曖昧な成果物だ。我々が属するこの世界は「上手に作れば100点」が貰える学校では無い。
ユーザーの目で、彼等の理屈抜きの感覚により容赦なく無慈悲に評価される、ある意味において純然たる「マーケット」なのだ。
医療系システム設計者がその運用効率に頭を抱えるなんて事とは、重さも含まれる意味も異なるのだ。

 この世界を選択した我々ゲームプログラマにおける遣り甲斐、職業としての価値、こんな事を感情的にクドクド説明しても意味が無い。何故ならばゲームプログラマがゲームプログラマの為に書いているブログであるからだ。
 今回のエントリーにおいて皆に伝えたい点はただ一つ。
「ゲームプログラマ」を生涯の職業として選択したのであるならば、出世しなければいずれ自身の存在価値までも奪われる、という事だ。「50歳でも60歳でもゲームを作れればいいんです。。役職無しでも手取り20でも」この架空の、最前線技術からは遠く置いていかれたままの彼を脳内創造してみて欲しい。この彼にどんな未来があると言うのだ。そもそも彼の携わったゲームに触れるユーザーはどうなるのだ。こんな風に会社に居座っている人間に任せられる仕事がそもそも見つけられない。

 そう。この世界で生きると言う事は、その決意の終わりまで走り続けられる事が大前提なのだ。

 走り方は人それぞれで良い。しかし何処にでも、「セミナー等にはやたら出ているがいつまでもそんな感じだよねキミ」、その様な輩が周りには少なからず居るであろう。
これを読んで下さっている貴方がもし彼等の問題点を今、即座に言葉に出来なければ、貴方自身も同等程度の評価に甘んじなければならない可能性がある。気をつけるんだ。

勿体ぶらずに答えを書くが、セミナーというものは時々息抜きに別のページを捲る感覚で接するべきであるのだ。
それだけの事だ。

階段上っていくヤツってのは、セミナーなんかを見た瞬間に「次は自分が壇上に立つ」事を出し抜けに無意識に考える。能力の違いは人それぞれだがそこに論点なんてものは無いと俺達は知っている。単純に技術に貪欲だからだ。

成功や出世が定められている様に見える人間と、そうではない後ろ向きの人間達との差なんてものは、突き詰めれば単純な意識の違いに過ぎないのだ。

能力に差が在るのでは無い。
意識に差があるのだ。

 ゲーム業界で走り続けたいのであれば、その様に自身の全速力を維持した上で、「人を使う」立場にならなければならない。技術と、そして職場におけるカリスマが求められるギリギリのライン、それが30歳前後であろう。この年齢において適切な立ち位置が得られなければ、生活も世間の信用も苦しくなってくる。確かに難儀な職業ではある。


 次回は、「人を使う」事においての現実に触れてみよう。

自己紹介


モリサコ
morisako1@gmail.com



某大手外資系ゲームメーカー、セクションチーフプログラマー。こんな事を書き連ねたいと思います。ちなみに、フィクションを含みます念の為。

当blogへお越し頂き有り難う御座います。コメント、TB、リンク(フリー)歓迎です。引用の際には出典元の明記をお願い致します。
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