社説
石川議員逮捕 裏献金の解明急がねば(1月16日)
民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」をめぐる土地購入疑惑で、東京地検特捜部は同党の石川知裕衆院議員(道11区)らを逮捕した。
容疑は政治資金規正法違反だ。
政治改革を標榜(ひょうぼう)して政権交代を果たした民主党の鳩山由紀夫政権を直撃する展開である。
小沢氏自身も地検から聴取要請を受けてきたが、応じていない。元秘書の石川議員が逮捕されたのだ。小沢氏の責任は免れない。要請を受け入れ、真相を語るべきだ。
民主党も事実関係の究明に全力を挙げねばならない。
陸山会は2004年、東京都内の土地を3億4千万円で購入した。しかし、政治資金収支報告書に記載しなかった、などの疑いが持たれている。石川議員は秘書として会計事務を担当していた。
土地購入資金の流れには不可解な点が多い。小沢氏側は当初、銀行からの融資で土地代を支払ったと説明していた。しかしその後、別に用意した4億円を充てていたことが明らかになっている。
石川議員はその資金を小沢氏から受け取ったと説明しているという。現金がありながら、なぜ銀行から金利のかかる融資を受けたのか。小沢氏からの4億円は報告書に記載されておらず、原資ははっきりしない。
小沢氏周辺では、地元岩手県のダム工事をめぐる裏献金疑惑が取りざたされている。工事を下請けした中堅ゼネコンが土地購入と同じ時期に石川議員へ5千万円を渡したと証言している。
地検はその裏献金が購入費の一部に充てられたと見ている。
一連の疑惑から浮かび上がるのは、政官業の癒着という構図である。裏献金の狙いが工事受注の見返りだとすれば、問題はさらに重大だ。
鳩山首相は傍観者のような発言を続けていてはなるまい。自らの周辺でも偽装献金事件があった。「政治とカネ」の問題を放置していては政治の信頼は回復できない。
小沢氏に説明責任を果たすよう求めると同時に、党内に調査委員会を設けて真相を解明すべきだ。それが国政をあずかる指導者の責務だ。
ただ、石川議員の逮捕のタイミングには唐突感もぬぐえない。
きょう民主党大会が東京都内で開かれ、通常国会は18日から始まる。そうした政治日程の中で、これまで任意の事情聴取に応じてきた石川議員を逮捕した目的は何だったのか。
捜査は規正法違反の容疑にとどまるのか。それともさらなる展開をにらんだものなのか。地検も捜査の内容や意図についてできうる限り、国民に説明してもらいたい。
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