社説
新千歳空港 国際化にさらに弾みを(1月15日)
新千歳空港の新国際ターミナルビルが3月26日に開業するのに続いて、防衛省は中国とロシアの航空機乗り入れ制限を緩和する。
新千歳空港の国際化に弾みをつける好機だ。特に中国機の発着が今よりも自由になれば、北海道への関心が高い中国富裕層を誘致するきっかけになるだろう。
外国人観光客の増加に生かさぬ手はない。空港の利便性をさらに高め道内観光の振興につなげたい。
ビルの総工費は約200億円。スペースを現施設の5倍に広げ、入国審査や税関の担当者を増員する。ピーク時の混雑は大幅に緩和される。
ボーディングブリッジ(搭乗橋)も3本から5本に増やし、大型航空機の乗り入れも可能になる。
新千歳の国際線は、現在10社が定期便9路線を運航している。チャーター便も年間約700便に達している。旅客数は年間約80万人だが、新ターミナルが完成すれば年間100万人の乗降に対応できる。
当面のターゲットは中国、韓国などアジア諸国だ。観光客を増やすためには、新千歳をもっと利用しやすい空港にする必要がある。
現状では新千歳から道内空港への路線が限られている。広い道内を自由に回りたいという外国からの観光客の要望に十分に応えていない。
道路網の整備にも課題がある。道東や道北の高速道路網が有機的につながっておらず、旅行日程に制約があるのがネックになっている。
JRのダイヤ編成が、国際便の発着と連動していない問題もある。
新千歳の国際化は空路、道路、鉄路を合わせた総合交通体系の一環として進める必要がある。道は、早急に戦略を立て実行に移す時だ。
国土交通省は羽田空港の国際化を推進している。首都圏に位置する羽田をアジアのハブ空港に育てる国の戦略は間違ってはいない。
だが、新千歳のような地方にある拠点空港の国際化が立ち遅れるようでは困る。そこで考えたいのが拠点空港同士の連携だ。
道内の観光業界には、例えば新千歳から仙台経由でソウルを結ぶ航空路線の新設を求める声がある。
外国からの客が目的地を選択できる上、旅客数を確保できるメリットが期待できる。
新千歳単独の国際線増設がなかなか進まない中で、拠点空港の連携は検討に値する考え方ではないか。
外国航空会社にとっては、道内発の座席数が埋まらないのが悩みだ。国際線を使って道内から外国に行く動きも加速させる必要がある。
格安旅行の情報提供や修学旅行での活用など、人の移動を双方向に促す努力を道や経済団体に求めたい。
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