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【剛腕の威光】(3)「深沢銀行」カネの力で権勢伸ばす (1/3ページ)
「『深沢銀行』には10億円くらいの現金があるんだよな」
逮捕された衆院議員、石川知裕(36)は、民主党幹事長の小沢一郎(67)の私設秘書当時の情景を、周囲にこう吹聴していたという。
「深沢銀行」。それは小沢の自宅がある「世田谷区深沢」から名付けられた隠語で、小沢が個人的に管理しているといわれる巨額の資金を指す際、秘書らの間で用いられていた言葉だという。現金が必要な際に、必要な額がいつでも引き出せることから「銀行」と称され、政治資金収支報告書には記載されないカネを指すと指摘される。
小沢の元秘書は産経新聞の取材にこう話す。
「自宅の食堂の奥に、小沢先生と家族以外は誰も入れない『書斎』がある」
「誰も見たことはないが、その書斎の中に隠し金庫があり、ガバッと現金があると聞いている」
平成17年9月の郵政選挙の際、都内の事務所で不審な預金通帳を見たという旧自由党関係者もいる。
「通帳には大手企業の名がずらりと並び、百万円単位の入金記録が残っていた。所どころに出金記録があり、その横に手書きで出金先が書いてあった。覚えているのは大物議員の名前。与野党問わず数百万円が出金されていた」
その入出金の内容から「表に出せないカネ」であることが分かったという。
自宅の金庫、不審な通帳…。小沢と一心同体といわれる秘書や同僚議員にさえ、その実体がつかめないという小沢の“ポケットマネー”。真偽は不明だ。
自宅で保管?
現職国会議員の逮捕という事態を招いた世田谷区深沢の約3億4千万円の土地の購入にあたっても、石川は「小沢先生から4億円を借りた」と供述している。「小沢先生が父親から相続した財産で、バブル崩壊後に自宅に保管していたものだ」とも。
「深沢銀行」からの出金とも受け取れる説明だが、小沢自身も16日、報道陣に次のように発言している。