2010.1.6 09:24
昨年10月に日本列島に上陸、縦断した台風18号をめぐり、気象情報会社「ウェザーニューズ」(WN、本社・東京)が気象庁と異なる独自の上陸情報を同社のホームページ(HP)上に掲載した問題で、速報時に「18号は三重県の志摩半島を迂回(うかい)した」としていた気象庁が、確定経路図では微妙ながらもWN社の主張通り、志摩半島を横切ったと修正していたことが5日、分かった。
18号については、気象庁が昨年10月8日午前5時過ぎに「愛知県の知多半島に上陸」と発表し、WN社は同日午前4時ごろ、HPなどに「三重県志摩市に上陸」と掲載して志摩半島を横切ったと主張。これに対し気象庁は「独自上陸情報は予報業務の範囲を逸脱した」としてWN社に口頭注意を行っていた。
気象庁が出した18号の確定経路図は、WN社のように志摩半島を縦断する形をとっていないが、備考として「8日4時過ぎ、(志摩半島先端の)三重県大王崎付近を通過した」と記載。台風の中心が小さい島や半島を横切ったことを示す「通過」という気象用語を使い、志摩半島を横切ったことを認めた。
WN社は「少なくとも上陸地点の速報では、われわれの主張が正しかったことが証明された」と勝利宣言。気象庁は「経路の変更は海上保安庁の灯台のデータを解析したのが大きかった。速報時の経路は当時の最善の解析の結果。どちらが正しいとは言い難い」と話している。