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ハイチ支援、日本に出遅れ感 首相は「復興に協力」力説

2010年1月16日20時55分

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写真:ハイチへの出航を控えた15日午後、物資の積み込みが続く米海軍の病院船コンフォート=米ボルティモア、勝田写すハイチへの出航を控えた15日午後、物資の積み込みが続く米海軍の病院船コンフォート=米ボルティモア、勝田写す

写真:米海軍の病院船コンフォートの内部=勝田写す米海軍の病院船コンフォートの内部=勝田写す

 大地震に襲われたハイチのビアンエメ内相は15日、収容された遺体は5万人に達し、死者は最大20万人に上る可能性があるとの見方を示した。ロイター通信が伝えた。発言通りなら22万人以上の犠牲者が出た2004年12月のスマトラ沖地震・津波での規模に迫ることになる。薬や食料の不足で被災者の不安が募る中、各国は続々と支援を表明、米国や中国などの救援隊はすでに現地で活動しているが、「地震大国」日本の出遅れ感は否めない。

     ◇

 「日本は地震大国。様々な経験と教訓を得ている。ハイチの人々の復興のためにできる限りの協力をすることを誓う」。16日に東京で始まったアジア中南米協力フォーラムで鳩山由紀夫首相は力を込めた。日本にとって災害救援は国際協力の得意分野だ。

 しかし、出遅れを指摘する声もある。地震発生は日本時間13日朝。緊急支援や調査チームの派遣などを発表したのは14日午後になってから。すでに他国は支援に動き出していた。

 岡田克也外相は15日の記者会見で「現場は非常に混乱し、連絡もとれないような状況だ。何が求められているのかしっかり見極めたうえで行動するということは議論があるところだと思うが、間違ったやり方ではないと思っている」と強調した。

 発生から24時間で外務省がハイチにある日本大使館と電話できたのはわずか数回。ようやくつながっても途中で切れる。大使館も建物にひびが入り、立ち入り禁止に。大使館員は在留邦人の安否確認にも追われ、被害の把握や支援の検討に時間がかかった。

 500万ドル(約4億5千万円)を上限とする緊急無償資金協力は各国を意識して打ち出した。外務省幹部は「他国にひけをとらないぐらいの額はかき集めた」と言う。

 だが、国連人道支援調整事務所のウェブサイトにある各国・国際機関による支援額の一覧表に、日本はまだ載っていない。間に合わなかったためとみられる。(東岡徹)

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