小沢氏団体に簿外１５億円

　小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の政治資金収支報告書を元私設秘書の衆院議員石川知裕容疑者（３６）＝政治資金規正法違反容疑で逮捕＝が虚偽記入したとされる２００４年１０月、小沢氏の関連政治団体「改革フォーラム２１」の口座に約１５億円が簿外で入金された疑いのあることが１７日、関係者への取材で分かった。

　改革フォーラム２１の０４年の収支報告書に該当する記載はなく、東京地検特捜部も同様の内容を把握。小沢氏が党首だった旧自由党（０３年解散）への政党交付金（助成金）が原資だった可能性もあるとみて、資金の流れや報告書に不記載となった経緯を調べているもようだ。

　陸山会の土地購入事件とともに、１８日召集の通常国会で野党の追及を受けるのは必至だ。

　旧自由党をめぐっては、０２年７月に９億７９００万円、同１２月に５億４１９０万円の政党交付金計１５億２０９０万円が当時幹事長だった藤井裕久前財務相あてに「組織活動費」として支出され、その用途が国会で追及された。

　関係者によると、０４年１０月に改革フォーラム２１の複数の口座に計約１５億円が分散して入金されているのを特捜部が確認。藤井氏あての組織活動費の大半が、還流してフォーラム側に入金された疑いが出ている。

　約１５億円は翌０５年までに数回にわたって全額引き出された。入金直後の０４年１１月１日に新たな偽造防止技術を採用した新紙幣供給が始まったため、新一万円札に切り替える目的で一時的に入金した可能性があるという。

　改革フォーラム２１の０４年収支報告書によると、収入は１２２円、支出は１２万８８７７円だった。

　◆改革フォーラム２１　小沢一郎民主党幹事長が自民党時代に率いた同じ名前の政策集団が届け出た政治団体を母体としている。政策集団は１９９２年１０月、自民党竹下派（当時）で小渕恵三元首相との主導権争いに敗れた小沢氏が羽田孜元首相らとともに結成を発表、同１２月に羽田派として旗揚げした。９３年６月、宮沢喜一内閣（当時）に対する不信任案に賛成した小沢氏らが自民党を離党。政治団体は小沢氏が新生党、新進党を経て自由党を結党、解散した後も存続し現在に至る。

[ 2010年01月17日 21:30 ]