富山市で先月30日、パトカーに追跡されたオートバイが転倒し、少年2人が死亡した事故で、バイクを運転していたとされる同市の高校2年生(当時16歳)の両親が16日、同市内の弁護士事務所で記者会見した。両親は警察の捜査や対応に不自然な点があると、事故原因の解明と十分な説明を求めている。【岩嶋悟】
富山中央署によると、先月30日午前4時ごろ、同市窪本町で2人乗りのバイクがパトカーを追い越したため、パトカーは緊急走行で数百メートル追跡。いったん見失った後、同市田中町1の市道で横倒しになったバイクと、倒れている2人を発見した。病院に搬送したが2人とも死亡した。同署は「追跡方法に問題はなかった」としている。
しかし、両親は「事故状況の詳細な説明がない」として、独自に現場周辺で聞き込みなどをした。
その結果、▽現場近くの住民がバイクの音とパトカーのサイレンをほぼ同時に聞いており「バイクを見失った」との報道発表と食い違う▽狭い路地に逃げ込んだりしていないのに、緊急走行のパトカーがバイクを見失うのは不自然▽「車にひかれた可能性がある」として警察から少年の衣類の保管に同意を求められた--など多くの疑問点が浮かんだという。
両親は「警察への不信感が膨らんでいる。何があったのか知りたい」と話し、真相解明と事故原因の説明を求めていくとした。
同署の篠崎琢也副署長は「現在、真相解明のため捜査を継続中で、詳細についてはコメントできない」としている。
毎日新聞 2010年1月17日 地方版