乱闘国会:民主労働党代表に荒唐無稽な無罪判決(下)

 姜議員が国会事務総長室に乱入して暴れ、朴啓東(パク・ケドン)国会事務総長の業務を妨害した、公務執行妨害などの容疑については、「その時点で、朴事務総長はソファーに座って新聞を読んでいた。新聞を読むことも公務の一部とみなされることはある。しかし朴事務総長は当時、秘書がスクラップした新聞記事は読み終わっており、公務中だっとは言えない」と説明した。

 さらにその過程で、姜議員が机やイスなどを破壊した「公用物件損壊容疑」についても、「当時、姜議員は極度に興奮しており、公用物件の損壊が故意に行われたとは判断しにくい。そのため犯罪行為は成立しない」と述べた。これら一連の判決については、法曹界だけでなく、裁判所の内部でも、「常識で考えても納得し難い。とんでもない判決」という指摘が相次いでいる。

 ソウル高裁のある部長判事は、「判決理由で述べられた多くの証拠や法理的判断が、姜代表にとって有利に解釈されている。これは、無罪を宣告するために無理やり論理の整合性を合わせた感じがする。たとえ一歩譲ったとしても、公用物件(机やイス)を損壊する意図がない単なる過失と判断した点については、問題がある」と指摘した。法曹界の一部では今回の判決について、「判事の個人的な政治的イデオロギーが作用しているのでは」と疑問視する声もささやかれている。

 元判事のある現職弁護士は、「韓国社会でのイデオロギー対立が、司法の場にまで影響を及ぼしている事実が明らかになった。文字通り、失望を禁じ得ない判決」「判事は自らのイデオロギーとは関係なく、法律に沿って裁判を行わなければならない。ところが裁判の独立性という隠れ蓑を利用した判事の放縦(ほうじゅう)が、まさに限度を超えたようで心配だ」と述べた。

 この判決を受け、検察も直ちに控訴する方針を明らかにした。大検察庁(最高検察庁に相当)は同日、報道資料を配付し、「国民の誰もが暴力行為を目の当たりにしているのに、なぜこれが無罪になるのか。国会議員や国会の内部では、器物損壊罪という概念やその意図が変わってくるのか。これが無罪となるのであれば、いかなる行為をもって暴行や損壊、妨害行為として処罰するのか」と判決に対する不満を訴えた。

昨年1月5日、民主労働党の姜基甲(カン・ギガプ)代表が国会事務総長室に乱入し、円卓に上がって足を踏みならしながら強く抗議している。/写真=オ・ジョンチャン記者

柳井(リュ・ジョン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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