乱闘国会:民主労働党代表に荒唐無稽な無罪判決(上)

李東漣(イ・ドンヨン)判事
(1)国会警衛に対する暴行:「身体的な危害を加える意図はなかった」

(2)事務総長室への乱入・公務妨害:「公務中ではなく新聞を読んでいた」

(3)イスやテーブルなどの器物損壊:「故意ではなく過失」

 昨年初めに国会内での暴力行為などで大混乱をもたらしたローテンダー・ホール占拠事件で、国会の警衛を暴行し、イスや机などを破壊した容疑で起訴されていた民主労働党の姜基甲(カン・ギガプ)代表に対し、裁判所は14日に無罪を宣告した。

 姜代表が大声を上げながら円卓の上で飛び跳ねる場面は当時、テレビなどで報道され、「空中浮揚議員」という新造語も登場した。政界や法曹界では今回の判決について、「裁判所が国会での暴力行為に免罪符を与えた。まさに常識以下の判決」という批判が起こっている。

 ソウル南部地裁の李東漣(イ・ドンヨン)判事はこの日、検察が在宅起訴した姜代表に対する1審で、姜代表に適用された三つの容疑すべてに対して無罪判決を言い渡した。

 まず裁判長は、国会の警衛に対する暴行など、公務執行妨害容疑の前提となったキム・ヒョンオ国会議長による秩序維持権の発動そのものに対し、「不適切だった」とした上で、「昨年1月の事件当時、国会本会議が開催される可能性は全くなかった。そのため、会議の開催と関係なく発動された秩序維持権や、立てこもり現場の横断幕の撤去は必要性がなかった」と判決理由を説明した。この結果、秩序維持権の発動を根拠として、国会の警衛が横断幕を撤去した行為は法的に保護される必要のない、いわゆる「適法ではない公務の執行」であり、それに反発した姜議員の行為は処罰の対象にはならないということだ。

 さらに裁判長は、「国会警衛に対する暴行」の原因となった横断幕の撤去について、「ハンナラ党や民主党も何度か横断幕を設置したことがあるが、強制的に撤去されたことはない。そのため、民主労働党の横断幕だけが撤去されたのは公平性に問題がある」と説明した。姜議員が警衛の胸ぐらをつかんで暴行したという起訴事実については、「抗議の意志を表明するための手段であって、危害を加えるためではなかった」として、公務執行妨害罪の成立要件である、威力の行使ではないとの判断を下した。

柳井(リュ・ジョン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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