日本を追い越すにはまず日本を知るべし

【新刊】金容雲著『子供外交官、日本に行く』(目覚めた石・子供部門)

 「日本の人はみんな悪い人なの? 韓国を乗っ取ったんですか?」

 「韓日併合100周年」に関するニュースを聞いた子供が目を丸くしてこう尋ねてきたら、この本を一緒に読んで、きちんと説明すると良い。日本の歴史と文化、風習と教育、制度に至るまで、子供にも分かりやすくまとめられており、親しみやすい内容となっている。

 日本では、毎年3月3日は女の子のためのお祝いの日だ。この日は、「ひな祭り」のほか、「花祭り」や「桃祭り」とも呼ばれる。桃色は女の子を意味する。女の子を持つ家では、ひな祭りの10-20日前から、赤い布を敷いたひな壇を作ってその上にひな人形を飾る。ここには、娘が健康で幸せに暮らせるようにという願いが込められている。韓国で「子供の日」に当たる5月5日は、日本では男の子のためのお祝いの日だ。この日は、武士の人形を飾り、家の外にはこいのぼりを掲げる。これには、川の上流を目指し力強く泳ぐコイのように、困難を克服し出世してもらいたい、という思いが込められている。

 日本の漫画の歴史はきわめて長い。平安時代(794-1185)には、漫画の始祖といえる「絵巻」が大流行した。絵巻とは、物語を絵で表現した巻物で、宮中小説、民話、伝記などが主な内容だ。17世紀以降になると、華麗な色彩の風俗画「浮世絵」が登場する。当初は手で1枚ずつ描いていたが、浮世絵に多くの人が関心を持つようになると、版画へと変わっていった。こうした絵巻や浮世絵の伝統が、現在の漫画につながったというわけだ。

 著者の金容雲檀国大碩座教授(寄付金によって研究活動を行えるよう学校の指定を受けた教授)は、もともとは数学者だった。1927年に東京で生まれ、早稲田大学に通った。日本を総体的・客観的に観察する手助けとなる一冊。200ページ、1万500ウォン(約850円)。

クァク・アラム記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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