マンションの耐震捏造疑惑が連日報じられています。私はホスピタリティ経営コンサルタントとして「なぜ・・・・どうして・・・?」と深く考え込んでしまいました。
私は会社を経営されている多くの方々に対してこのように申し上げてきました。
「ホスピタリティ経営」とはホスピタリティ・マインドを持って、ホスピタリティ・オペレーション、つまり「心のこもった現場運営」を行うことです。
この問題に関係する経営者や設計士の発言には「心」がこもっていません。
皆さんもそう思われていることでしょう。
疑惑をかけられている企業の経営者の心、「経営マインド」は「勝ち組になりたい」だけなのでしょうか。
表題の「ホスピタリティマンション」を検索エンジンで調べてみましたが、幸いなことにゼロ件という検索結果でした。しかしながら、ホスピタリティ マンションで検索すると何万件も検出されます。
ホスピタリティ溢れる・・・
ホスピタリティを兼ね備えた・・・
ホスピタリティに満ちた・・・
ホスピタリティが行き届いた・・・
ホスピタリティの高い管理サービス・・・
温もりとホスピタリティを表現・・・
極め細かなホスピタリティを・・・
ここがホスピタリティゾーンになる・・・
心をこめたホスピタリティと行き届いたサービス・・・
ホスピタリティあふれるサービスを行います・・・
私はいつもこのように書きます。
「何か変ですよね」と。
ホスピタリティとは、溢れさせるものなのか、兼ね備えるものなのか、満たさせるものなのか、行き届かせるものなのか・・・
ホスピタリティを表現とは・・・ひとりぼっちの空間でもホスピタリティを表現できるものなのでしょうか。
きめ細かなホスピタリティを・・・きめ細かくないホスピタリティと対比しているのでしょうか。
ホスピタリティゾーン・・・???
「心をこめたホスピタリティと行き届いたサービス」と「ホスピタリティあふれるサービス」
どこがどう違うのでしょうか。
それとも違わないのでしょうか。
皆さん、わかりますか?
上記の「表現内容」は検索されたものからピックアップし、ホスピタリティという概念の使用方法を紹介しているだけであり、個別の企業を批判するという意思は全くありません。
しかし、です。
このように、マンション業界でも「ホスピタリティ」という概念を正々堂々と使用しています。
耐震偽造されたマンションの販売時のキーワードとして実際に「ホスピタリティ」が使用されていた可能性もあります。
ホスピタリティ・ビジネスを目指す方々が「ホスピタリティ」という用語を使用することに対し、私は異議を唱える立場にはありませんが、ただ売らんがためのビジネス上の思惑だけで「ホスピタリティ」を使用されては困ります。
なぜならば、
ホスピタリティという気高い概念が、曖昧な「キーワード」になり下がってしまいます。
ホスピタリティという言葉が、人をだます「ツール」に使われるようになってしまいます。
そうなれば、ホスピタリティ・ビジネス全体のレベルも疑われるようになってしまいます。
「ホスピタリティ」だけではありませんが「言葉を知って、中身を知らず」は、残念ながら日本人の「得意ワザ」といえるでしょう。
ホスピタリティの中身は「安全、安心」「おもいやり」「アメニティー」の三つであると以前に書きました。
今回の耐震偽造問題の行く末が心配です。
関係者すべてが「安全、安心」「おもいやり」を大切に考えてほしい・・・そう願ってやみません。
2005年12月02日
ホスピタリティマンション?
posted by 株式会社外部の専門家 at 11:57 | 最新情報