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子ども手当:所得制限めぐり割れる意見…政府・与党

 民主党の小沢一郎幹事長を中心にまとめられた10年度予算案への重点要望が鳩山政権を揺るがしている。衆院選マニフェスト(政権公約)になかった「子ども手当への所得制限導入」を巡っては、年収2000万円を上限とする案が浮上したのに対し、国民新党が18日、860万~1000万円程度にすべきだと反論。政府・与党内では、小沢氏による「再裁定」が必要との声すら出ている。

 「個人的な意見だが、(年収)2000万円くらいが妥当だ。少なくとも1500万円ぐらい。一般の皆さんが対象になる水準でなければ意味がない」。民主党の山岡賢次国対委員長は18日、子ども手当の所得制限の水準について持論を述べた。

 一方、国民新党の下地幹郎政調会長は同日、「2000万円では数十億円しか財源が出ない。何のために(所得制限)するのか分からない。やらない方がいい」と指摘。現行の児童手当の対象になる年収860万円(妻と子ども2人のサラリーマン世帯)から1000万円の範囲内とすることを主張した。

 厚生労働省は、子ども手当の給付費用として来年度予算の概算要求に2兆2554億円を計上。2000万円の所得制限では縮減額は20億円程度にとどまるのに対し、860万円では2000億円超の財源が確保できる。

 子ども手当は民主党にとって、「マニフェストの中でも一丁目一番地」の最重要政策。これまで「全員に給付」と繰り返していただけに党内には「根幹が変わるような制限はつけるべきではない」(山岡氏)との声が根強い。所得制限を2000万円にすれば、支給率は約99.9%に達するため、「マニフェスト違反」との批判をかわせるとの思惑もある。だが、財源確保のためなら下地氏の「児童手当並み」でなければ意味がない。

 鳩山政権の目玉政策「子ども手当」を巡り、与党内で意見が割れているのは、民主党の重点要望でなぜ所得制限を掲げたのかについての、小沢一郎幹事長の真意をつかみきれていないためだ。政府は最終的に鳩山由紀夫首相の判断に委ねる方針だが、霞が関からは「小沢さんの『神の声』に頼るしかないのでは」(経済官庁幹部)との声も出ている。【平地修】

毎日新聞 2009年12月18日 20時49分(最終更新 12月18日 22時11分)

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