「大相撲初場所7日目」(16日、両国国技館)
ノムさん&サッチーパワーで、横綱朝青龍が白星をもぎ取った。テレビ中継のゲストを務めた、野村克也・楽天前監督(74)の激励を受け、北勝力をつり出した。取組後には、沙知代夫人(77)と2ショットに納まり、上機嫌の1日だった。横綱白鵬は、関脇把瑠都のすくい投げを食らい、連勝が30でストップ。全勝がいなくなり、両横綱、把瑠都ら9人が1敗に並ぶ大混戦となった。
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“ノムさん&サッチー効果”で、朝青龍が勢いづいた。右四つから強引に左を巻き替えてもろ差しになり、北勝力を力強くつり出して完勝。左の突きでダメを押す、やんちゃぶりも発揮した。
尊敬する野村氏が、NHKのゲスト解説者として土俵を見守っていた。取組前に支度部屋で激励されただけに、負けるわけにはいかなかった。解説を耳にし「監督をやっていたから見方がすごい。相撲に詳しいし、ずっとやってもらった方がいい。(正面の解説で並んだ)舞の海さん、顔じゃなかったね」と絶賛した。
北勝力には6年前、35連勝を止められていた。「にらまれたから気合が入った。クセがあるから、それだけ注意した」と気迫で撃退した。結びでは、白鵬の連勝がストップ。勝った把瑠都に「すごいね。(オレも)慎重にいくよ」と警戒の目を向けた。白鵬と1敗で並び、後半戦へモチベーションも高まる。
支度部屋を出たところで沙知代夫人と顔を合わせると、握手を交わしながら抱き合った。横綱審議委員へのラブコールも受けたサッチーは「余計なことを言われても困るのよ」と、内館牧子委員からのバトンリレーは敬遠。しかし、「この前(5日目の豪栄道戦)は不覚の1敗だったんでしょうけど、勝って当たり前ですよ」とゲキを飛ばした。
場所後の28日には、野村氏の「監督通算1500勝パーティー」が開かれる。朝青龍は、北の湖親方(元横綱北の湖)とともに発起人として名を連ねている。名監督の祝福の宴で、自らはV25の報告をする腹積もりだ。