厚生労働省所管の独立行政法人「雇用・能力開発機構」が2010年度末で廃止されることを受けて、国は同法人の運営委託施設、情報処理技能者養成施設と地域職業訓練センターを廃止する。本県では青森市の「あおもりコンピュータ・カレッジ」、五所川原市の地域職業訓練センターなど3施設が対象となっていることが15日までに分かった。県など関係自治体は「地域の人材育成のために必要な施設」として国による運営の継続を強く求めている。
県などによると、雇用・能力開発機構の廃止は08年12月に閣議決定。施設については運営の改善を求め、利用者数などの目標値を定めて存廃の検討材料にするとしていたが、国から成果にかかわらず、一律廃止するという通知が届いた。本県の3施設はいずれも当初定められた目標をクリアしており、利用率は高い。特にコンピュータ・カレッジの充足率70%という目標を満たしたのは全国11施設のうち、本県と岩手県の2校だけ。
一律廃止には納得できないと、県や五所川原市などは15日までに民主党県連、自民党県連に要望書を提出し、国による3施設の運営存続を強く要望した。
五所川原地域職業訓練センターを管理する五所川原市経済部商工観光課によると、同施設では国の離職者支援と市単独でのパソコン教室やCAD講習を行っているほか、集会施設としても広く使われている。同課は「利用者は多く、離職者が多い中、再就職を目指しパソコンを覚えようという年配の人も多い。支援ができなくなるのは困る」とし、今後の動向を見極めたいと話した。
あおもりコンピュータ・カレッジの09年度の在籍者数は約150人、五所川原地域職業訓練センターの09年度4月から12月までの延べ利用者数は1万4918人となっている。