寒さが客を呼び寄せる!?

 「寒くなればなるほど、わたしたちは温まります」

 韓国の百貨店業界は、昨年末から厳しくなった寒さに喜んでいる。気温が下がると百貨店の売り上げが減少する、という通念とは異なり、逆に売り上げが増加しているからだ。零度を下回る厳しい冷え込みが続いたことで、毛皮のコートやパッティングジャンパーといった高価な防寒着を買う人が大幅に増えたという。最近では、多くの百貨店がマンション密集地域に位置しており、主婦を対象に冬の珍味を販売する食品コーナーでも、売り上げが上昇曲線を描いている。

 新世界百貨店の場合、本店や江南店など6店舗での最近5年間の12月の売り上げを分析した結果、気温と売り上げに密接な反比例関係が見られた。この期間中の平均気温が零下だった2005年(零下3.9度)は、売り上げが前年同期比で27%増え、同じく09年(零下1度)は前年同期比18%増となった。反面、平均気温が1度を上回った06-08年は、かえって売り上げが減少(マイナス2.8%)するか、多くても5.7%の増加にとどまった。実際、酷寒を記録した昨年12月、新世界百貨店の毛皮の売り上げは08年12月比で145%、パッティングジャンパーの売り上げは同じく55%増加した。またギャラリア百貨店も、零下10度まで冷え込んだここ1週間の売り上げは、例年の同じ期間に比べ25%程度増加した。

 新世界百貨店マーケティングチームのホン・ジョンピョ氏は、「百貨店が身近になったことで、消費者も寒さに身をすくめるよりは、必要な製品を求めて積極的に売り場を訪れている。訪問客が増えたことで、食品の売り上げにも大きな弾みがついた」と語った。

卓相勲(タク・サンフン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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