そのため、2日前の1月5日付で、小沢氏が代表を務める「民主党岩手県第4区総支部」から1億3千万円、「小沢一郎政経研究会」から1億5千万円の計2億8千万円の寄付があったように装い、収支報告書に収入として記載した。実際の資金移動はなかったという。
特捜部の調べでは、石川議員と会計責任者だった公設第1秘書の大久保隆規(たかのり)容疑者(48)が共謀し、04年分の収支報告書には原資となる4億円の収入も、諸経費などを含めた約3億5千万円の支出も記載しなかったとして、政治資金規正法違反(虚偽記載)の疑いが持たれている。
また、池田元秘書は大久保秘書と共謀し、土地は05年に取得したと偽って05年分の収支報告書に虚偽の支出を計上。さらに07年に小沢氏に4億円を支出したが記載しなかった疑いがある。
この土地取引をめぐっては、土地代金に充てられた4億円の資金移動と並行して、同じ日に銀行から小沢氏の個人名義で同額の融資を受け、陸山会に転貸するという不可解な資金操作をしていたことが判明。400万円超の余分な金利負担を抱えてまで融資を受けており、土地代金の原資を隠そうとした意図があった疑いが持たれている。
また、土地の購入原資や、融資書類への署名など、小沢氏本人がかかわった疑いが浮上している。